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八十八ヶ所巡礼、結成20周年でアンダーグラウンドから日本武道館へ 3時間ライブで25曲演奏

「八十八ヶ所巡礼 結成二十周年記念公演 日本万歳!!」の様子。(Photo by Mayumi, Kokoro Niimi)
11分前2026年08月21日 11:05

八十八ヶ所巡礼が、結成20周年記念日の8月18日に東京・日本武道館でワンマンライブ「八十八ヶ所巡礼 結成二十周年記念公演 日本万歳!!」を開催した。

結成20周年のインディーバンド

八十八ヶ所巡礼は、2006年に結成されたロックバンド。メンバーは“主犯格”のマーガレット廣井(B, Vo)、“参謀と演技指導”のKatzuya Shimizu(G)、そして“極道と含み笑い”のKenzooooooooo(Dr)の3人。変拍子を織り交ぜたプログレッシブロック、サイケデリックロックが軸の自身の音楽を、「ちょっとやそっとじゃ想像できないロック音楽」「浮き浮きするプログレの端くれ」と説明している。

結成当初はライブハウスでのアンダーグラウンドな活動が中心で、「渋谷の街で流行るような音楽を作りたくない」とのスタンスを貫き、日本武道館はまったく視野に入っていなかったという。しかし、2024年5月に東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)でワンマン「超・仏滅ナイト!!」を成功させた。3人で表現できる限界を追求し、独自性を維持しながら彼らは、20年をかけてライブハウス、野音、そして武道館と、インディーズでの活動ながら段階的にスケールを広げてきた。

アンダーグラウンドから武道館へ

八十八ヶ所巡礼の武道館ライブは、天井中央に掲げられた日本国旗に照明が当たり、「君が代」が流れる中、厳かに幕を開けた。そして木魚のようなオープニングSEが流れ出し、ステージ下手側の穴から上に向かって光が伸びる。その光の中から、メンバーが順番に姿を現した。

アンダーグラウンドからロックの聖地・武道館のステージまで上り詰めた八十八ヶ所巡礼を象徴するかのような、シンプルながらもメッセージ性のある登場シーンを経て、ライブは「☞異界逝コウ☜」でスタート。「奇天烈レジャ~」「怒喜怒気」と次々に楽曲が披露されていく。Katzuyaの背後には3つのMarshallスタックアンプからなる巨大な“Marshallの壁”が形成され、Kenzoooooooooの鎮座するドラムセットは普段よりも高いひな壇の上に設置されるなど、武道館ライブならではのセットがありつつも、ステージ演出は至ってシンプル。スクリーンなし、レーザーなし、火柱や銀テープなしという、八八のメインフィールドであるライブハウスと地続きであることがわかるような演出となっていた。

魔界のダンスホールへようこそ!

廣井が「日本武道館改め、魔界のダンスホールへようこそ!」と呼びかけて始まった「絶狂NOW!」では、Katzuyaがお立ち台に上がり、タッピングなどを交えてギターを弾き倒す。そして「日本武道館へお集まりの貴様らへ、愛を込めて、恨めしやー!」という言葉から不協和音が怪しく響く「幽楽町線」が披露された。

晴れ舞台の武道館ライブにはメンバーの両親も観に来ているという。そんなことを明かしたMCのあと、19歳のときに作った曲だという「親孝行」の演奏に移り、曲終わりに廣井は「ありがとう! お父さん、お母さん」と叫んだ。ライブ中盤には2011年の発表以来、長尺曲としてライブで演奏される機会の多い「PALAMA・JIPANG」が、生々しいバンドサウンドで武道館に鳴り響く。廣井は「まさかこんなところでこの曲ができるとは。貴様らありがとう。でも一番驚いているのはこの曲かもしれない」と語った。3人は今月リリースしたばかりの「正怒」や、ミラーボールの光が支配した人気曲「沙羅魔都」でフロアを踊らせた。

魔界のライブハウスへようこそ!

「日本武道館、魔界のライブハウスへようこそ!」という廣井の言葉を合図に、13曲目「惡闇霧島」へ。Katzuyaが“Marshallの壁”の上に立ち、ギターソロを披露すると、場内は大きな歓声に沸いた。続く「金土日」では観客の手拍子にリズムを任せ、Kenzoooooooooがドラムセットを離れてステージ前方へ。Kenzoooooooooはマイクパフォーマンスでオーディエンスを煽り、普段声を出さないKatzuyaから声を引き出すなどして、会場を盛り上げた。

その後、廣井が「我々の始まりの曲だ! 真っ暗闇で心躍らせようぜ!」と話し、八八はバンド初期の代表曲「仏滅トリシュナー」を演奏。続く「M.O.8」では色とりどりのライトが高速で動き、カラフルな世界が広がった。ストイックな演奏を続けた八八は、ラストのMCで「日本が大好き! 日本のロックが大好き!」と気持ちを爆発させる。そして日本への愛、両親への愛、ファンへの愛を込めてラストナンバー「日本」を演奏。廣井がフロアに降り立ち、観客と目線の高さを合わせて歌唱するなど、ライブハウスさながらのパフォーマンスを展開した。

己の音楽を信じて20年「貴様らのおかげだ、ありがとう!」

アンコールでは「20周年ありがとうございます。ここでうちの母が一番好きな曲を」という廣井の声に続いて、「紫光」へ。哀愁とサイケデリックな浮遊感を持つこの曲では、俗世や現代社会をシニカルな視点で描写した歌詞が光る。バンドのコンセプトにある仏教の世界観にも通ずるメッセージが響いた。

廣井は「我々は次の20年もあまり変わらず、音楽を続けていると思う。貴様らの20年後はどうなっているだろう? 貴様らの20年後が幸せであるように願っている」「我々はそんな願いを込めて音楽をやっている」と思いを明かす。キラーチューン「攻撃的国民的音楽」では、怒りをぶちまけて前に進む、そんな決意を爆発させた。

「20年間、この音楽を信じて続けてこられてよかった。貴様らのおかげだ、ありがとう! 変拍子で踊ろうぜ!」という呼びかけから、武道館ライブを締めくくるナンバー「八十八銀行」になだれ込む。廣井がベースアンプの上に、Katzuyaがギターアンプの上にそれぞれ立ち、Kenzoooooooooと三位一体の爆裂アンサンブルが鳴り響いた。3時間におよんだ日本武道館でのライブは、大きな歓声と拍手に包まれて、大団円を迎えた。

セットリスト

「八十八ヶ所巡礼 結成二十周年記念公演 日本万歳!!」2026年8月18日 日本武道館

01. ☞異界逝コウ☜
02. 奇天烈レジャ~
03. 怒喜怒気
04. 絶狂NOW!
05. 幽楽町線
06. 親孝行
07. SYG88
08. 浮楽浮楽
09. PALAMA・JIPANG
10. 赤い衝動-R.I.P-
11. 正怒
12. 沙羅魔都
13. 惡闇霧島
14. 金土日
15. 仏滅トリシュナー
16. M.O.8
17. ohenro3
18. 脳の王国
19. JOVE JOVE
20. 奈落サブウーファー(Album version)
21. 具現化中
22. 日本
<アンコール>
23. 紫光
24. 攻撃的国民的音楽
25. 八十八銀行

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