貴水博之の全国ツアー「HIROYUKI TAKAMI LV TOUR 2026 Solo Solo FOLLOW THE WIND」が9月6日にスタートした。本稿ではツアー2日目となる9月12日の神奈川・CLUB CITTA'公演の模様をレポートする。なお以降のテキストには公演内容の一部ネタバレが含まれるので、ツアーに参加する予定の人はご注意を。
レアナンバー「Be Loving」で幕開け
客電が落ちると3人のバンドメンバーが登場。高藤大樹(Key)、柴田尚(Dr)、清水武仁(G)からなる非常にシンプルな編成だ。ブルーのバックライトがステージを照らす中、重厚なシンセベースが鳴り響き、ピアノが美しく奏でられ、ノイジーなギターが差し込まれたと思うと真っ赤な照明に切り替わり、ハードなバンドサウンドが弾けるように聞こえてくる。いつしか貴水本人が登場し、歌い始めたのは「Be Loving」。1997年に発表した3rdアルバム「GROW」に収められている1曲だ。ここしばらくライブで披露してこなかったレアナンバーが飛び出し、オーディエンスのボルテージが一気に高まる。SNSでは事前にリクエストが募られており、ファンの間では、懐かしい曲が披露されるのではという声も上がっていたが、冒頭から驚かされるセットリストとなった。
初期の作品からセレクトされている楽曲が非常に多いことに加えて、代表曲が随所にちりばめられているというのが今回のツアーの特徴。3曲目で、彼の代名詞とも言える特撮テレビドラマ「仮面ライダーエグゼイド」の挿入歌「JUSTICE」が披露されると、強力なデジタルビートと派手なシンセサウンドで客席はダンスフロアと化した。
この日の会場であるCLUB CITTA'は、accessのメンバーとしてステージに立ったことがあるものの、ソロライブを行うのは今回が初めて。それもあってか、貴水は「ただでは帰しません!」と気合十分。前半のパートでは、90年代の懐かしい楽曲と2019年発表のミニアルバム「ワイルドタマシイ」の収録曲を織り交ぜ、ダンサブルなナンバーとじっくり聴かせる楽曲を交互に置き、緩急を使い分けながら会場を温めていく。前半を締めくくったのはトランシーなテクノサウンドが強烈な「Mistake」。貴水は振付やハンドクラップを交えながら華やかなパフォーマンスで観客を魅了した。
新曲「Follow the wind」披露
ここで少し長めのMCが入り、貴水は最近髪を切った理由をネタにした爆笑トークを披露。このMCの間にアコースティックギターが用意され、貴水は椅子に座ってギターをかき鳴らし始める。そして歌い始めたのは「あかい月」。少しフォーキーなサウンドと、ほのかにサイケデリックなテイストを込めたこの曲も、先述のアルバム「GROW」収録曲だ。ファンからの人気が高かった1曲だったこともあり、会場中から大きな歓声が上がった。
次に披露されたのはツアータイトルにも冠された新曲「Follow the wind」。心臓音のようなミニマルなビートとシンセサイザーが織り成すハードアンビエント風のサウンドが会場を包み込んだかと思うと、一気に性急なビートへと変換される。レーザー光線が飛び交う中、貴水はエモーショナルなボーカルを聞かせ、初披露にもかかわらず、サビでは早くも観客との一体感が生まれていた。
常に進化を続ける自らのスタイルを体現
後半も新旧の定番曲をミックスしたステージが展開されていく。1995年発表の本格的なソロ活動第1弾シングル「I&I」は昨年リリースされた30th Anniversary Giftバージョンで届けられ、原曲とはガラッと変わった、きらびやかでスタイリッシュなサウンドで、貴水は常に進化を続ける自らのスタイルをパフォーマンスを通して体現してみせた。
本編のラストナンバーは「Wish in the dark」。これもまた特撮テレビドラマ「仮面ライダーエグゼイド」の挿入歌であり、貴水の代名詞的な1曲だ。「ラスト行くぞー!」というシャウトとともにトランシーなテクノサウンドに乗せ、彼はエネルギッシュに楽曲を歌い上げ、「サンキュー!川崎!」という声を残してステージを去った。アンコールで再びステージに現れた貴水は、新曲「Follow the wind」のカップリング「Starlight prayer」を披露。全18曲を歌い届けライブを終えた。


