#Tomato n' Pine
時代を先取りした“戦わないアイドル”Tomato n' Pineとは?
2009年4月のデビューから2012年12月の“散開”(解散)まで、約3年8カ月という短い活動期間ながら、今もなお多くのファンに愛されているアイドルグループTomato n' Pine(トマトゥンパイン)。“トマパイ”の呼び名で親しまれた彼女たちが、2012年8月1日にリリースした唯一のアルバムが「PS4U」である。アイドル作品の名盤として高く評価される「PS4U」の発売から本日2022年8月1日で丸10年。そのタイミングに合わせ、トマパイファンとしても知られる吉田豪とともに今一度彼女たちの魅力を探っていこうというのが今回の記事の主旨だ。“戦わないアイドル”を自称した彼女たちが短い活動を通じてアイドルシーンに残したものとは?
約2年前
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渋谷系を掘り下げる Vol.7 吉田豪が語るアイドルソングとの親和性
1990年代に日本の音楽シーンで起きた“渋谷系”ムーブメントを複数の記事で多角的に掘り下げていくこの連載。7回目は吉田豪へのインタビューを掲載する。この連載では、日本の音楽史において重要な位置にありながら極めて実態のつかみにくい“渋谷系”について、主にムーブメントの中核を担ったアーティストや関係者の証言をもとに考察を進めてきた。しかし渋谷系が起こした波紋はアーティストに紐付いた文脈の中だけではなく、文脈外にも広がっているのではないか。それまでの日本の音楽シーンにはなかった多種多様なサウンドとビート、豊かなコード感覚を持ち込んだ渋谷系の音楽は、同時代から現在に至るまで多くのクリエイターの耳を刺激し、さまざまなジャンルでその影響を感じさせる楽曲が生み出されている。ことアイドル、女優、声優が歌う音楽はポップなことが前提としてあるためか、意図して作られているか否かに関わらず、渋谷系の血脈を感じさせるものが多い。渋谷系と呼ばれるアーティストが制作に関わった楽曲もあれば、無関係かつお手軽にブームとして取り入れられた“渋谷系風サウンド”や、はたまた完全なる偶然から生まれた“渋谷系っぽい曲”もあるが、それらはいずれも不思議な魅力を放っている。そういった文脈内外にまで目を光らせ、古今の隠れた名盤を発掘、紹介し続けているのが、プロインタビュアーの吉田豪だ。今回は吉田が所有するガールポップ作品を軸に、現在までつながる“渋谷系の血脈”を掘り下げる。
5年近く前