佐々木敦&南波一海の「聴くなら聞かねば!」 4回目 前編 劔樹人&ぱいぱいでか美とアイドルファンの未来を考える

佐々木敦&南波一海の「聴くなら聞かねば!」 4回目 前編 劔樹人&ぱいぱいでか美とアイドルファンの未来を考える

「聴くなら聞かねば!」ビジュアル

佐々木敦と南波一海によるアイドルをテーマにしたインタビュー連載「聴くなら聞かねば!」。この企画では「アイドルソングを聴くなら、この人に話を聞かねば!」というゲストを毎回招き、2人が活動や制作の背景にディープに迫っていく。作詞家・児玉雨子和田彩花神宿に続く第4回のゲストは、劔樹人(あらかじめ決められた恋人たちへ)とぱいぱいでか美。かねてからハロー!プロジェクトのファンを公言し、長年その活動に熱い眼差しを向けてきた2人に、それぞれのハロプロとの出会いや、現在“ハロヲタ”としてどのようにアイドルたちを応援しているか、また劔原作の映画「あの頃。」のエピソードなどについて語ってもらった。

構成 / 瀬下裕理 撮影 / 朝岡英輔 イラスト / ナカG

ミキティがくれたアンサー

佐々木敦 今日はハロプロの大ファンであるお二人に来ていただいたのですが、僕がでか美さんに会うのは今日が3回目ですね。

ぱいぱいでか美 私、この連載全部読んでます!

佐々木 ありがとうございます(笑)。

南波一海 お二人はハロプロファンでありつつ自身もアーティストとして活動されているので、純粋なファンとしての目線だけでなく、プレイヤーとしての視点もお持ちですよね。

でか美 でも私はこの職業に就く前からハロプロのファンだったので、「プレイヤー側の気持ちもわかる」みたいな感覚は恐れ多いかもしれないです。私が本格的にハロプロのファンになったのは高校生のときですが、当時の気持ちが今も続いている感じかな。むしろ昔よりも経済的に豊かになった分、湯水のようにお金を使って。

佐々木 ファン生活を謳歌していると。

でか美 はい(笑)。昨日もグッズの支払いが迫っていることに締切時間の5分前になって気付いて。ファミリーマートで入金しなきゃいけないのに、近所にファミマがないので、ファミマの近くに住んでいる友達に電話して「お礼は絶対にするから、今すぐ私の代わりにグッズの料金を支払ってくれない?」とお願いして事なきを得ました。そんなふうにファンとしての日々を過ごしています。

佐々木 はははは(笑)。劔さんとは今日が初対面ですが、劔さんのエッセイ「あの頃。男子かしまし物語」と、その実写化作品である映画「あの頃。」も拝見しました。「あの頃。」は2月に公開されましたが、ご自分が書いたエッセイが映画化されるというのはどんな感覚なんですか?

劔樹人 自分でもこの成り行きを理解しきれていないのが正直なところです。今となっては「なぜこうなったんだろう?」と(笑)。でも、そのなぜ?をたどっていくと、やっぱり自分がハロプロを好きになって、この本を出したということが、どういうわけかアップフロントさんに伝わって……ご本人たちや運営サイドの方々に何か響くものがあったのかなという。

でか美 「この人、本当に好きなんだ!」と伝わったんですかね?(笑)

 うーん、不思議なんだよね。エッセイではハロプロのことだけを書いていたわけではなかったのに、当時の僕らファンの間にあった空気感みたいなものが伝わったような気がしていて。映画を観た田中れいな(ex. モーニング娘。)さんが、ブログに自分の気持ちをつづってくれたり(#映画あの頃 。 | 田中れいなオフィシャルブログ)、ミキティ(藤本美貴 / ex. モーニング娘。)が映画に登場するモーニング娘。の曲「恋ING」(2003年発表)の歌唱動画を出してくれたりしたのも、きっとファンとは逆の、彼女たちにだからこそ、何か刺さるものがあったんじゃないかと思うんですよ。

佐々木 なるほど。

 そういうアンサー的なものを、今彼女たちが素直に表してくれているのは、あんなにくだらない物語の中にも何か不思議な力があったんじゃないかなって。そのうえで、自分が少しはハロプロに貢献できる立場になってきたのかなと思うと、これも本当に、僕をハロプロに出会わせてくれた松浦亜弥さんのおかげだなと。

地中に射した松浦亜弥という光

佐々木 僕も「あの頃。」は映画としてもすごくいい作品だと思いました。作品を拝見して劒さんにまず聞きたいと思ったのは、松浦亜弥さんにハマったきっかけの話で。劔さんがいろいろな壁にぶつかってふさぎ込んでいたときに、友達から松浦さんの映像作品をもらって、それを観ているうちに気が付いたら泣いていたというシーンがありますが、あのファーストインパクトというか、松浦さんに強く惹かれた瞬間というのはどんな感じだったんでしょう?

 そうですね。はっきりと記憶にあるのは、真っ暗な部屋の中、パソコン画面に写っている松浦亜弥だけが光っている状態ですね。

でか美 うわ、本当に映画のシーンそのままなんですね(笑)。

 そうそう。当時組んでいたバンドメンバーに家に来てほしくなくて、居留守を使うために部屋をずっと真っ暗にしてたんですよ。電気を消してドアにもガムテープを貼って、光が漏れないようにしてたくらいで。だから、地底人が地中で穴を掘っていたら不意に日の光が射したみたいな(笑)。

佐々木 あやや(松浦亜弥)を観たのもそのときが初めてだったんですか?

 いや、初めてじゃないはずなんです。そのとき部屋で観た「▽桃色片想い▽」(※▽は白抜きハートマークが正式表記)のミュージックビデオもテレビか何かで観ていたはずなのに、環境なのか、バイオリズムの影響なのか(笑)、ものすごく刺さるものがありまして。

南波 きっとアイドルにハマる多くの人と同じパターンですよね。自分が弱っているときに、アイドルの姿に強く惹かれるという。アイドルブームも震災や不況の時期に重なっていたりしますし、日本を盛り上げようと健気にがんばっている人たちの姿に胸を打たれるというケースはあると思います。

 確かにアイドルは不況のときに流行るって聞きますね。

南波 「日本の未来は(wow, wow, wow, wow) 世界がうらやむ(Yeah, Yeah, Yeah, Yeah)」と歌っているモーニング娘。「LOVEマシーン」も、1999年にリリースされていますし。

佐々木 考えてみたら、今に至るアイドルブームが始まったのもちょうどリーマンショック(2008年)のあとぐらいからだし。

でか美 そういうときに何かにすがりたくなる気持ちはわかる気がします(笑)。

南波 劔さんと僕は完全に“ロスジェネ”世代ですけど、就職氷河期をはじめなんとなく時代に暗い影が落ちていた中で、ああいう超アッパーな存在が眩しく感じられたのかもしれません。

 確かにそうかも。

佐々木 でも、劔さんが出会ったのはたまたま松浦亜弥でしたけど、これが別のアイドルだったとしたら……同じような衝撃を受けていたかわからないですよね。

 そこなんですよね。こればっかりは本当に巡り合わせというか。

でか美 ね! 運命ですよね。

巡り巡ってやっぱりハロヲタ

佐々木 でか美さんがハロプロにハマったきっかけはなんだったんですか?

でか美 私は最初にBerryz工房を知って、彼女たちのことを調べようとネットで検索して、そこで見つけたのが「ジンギスカン」(2008年3月発表のシングル曲)のももち(嗣永桃子 / Berryz工房、ex. カントリー・ガールズ)しか映っていないバージョンのMVだったんです。それで「こんなにかわいい人がこの世にいたんだ!」と、雷に打たれたような感覚を覚えて。劔さんは泣くパターンでしたけど、私の場合は心臓に矢が刺さって目がハートになっちゃう感じ(笑)。でも、もし最初に観ていた動画が菅谷梨沙子ちゃん(Berryz工房)のソロバージョンだったら、梨沙子ヲタとしての人生か、はたまた全然違う人生を歩んでいた可能性もある(笑)。

佐々木 入り口が違っていても、巡り巡ってやっぱりハロヲタになっているという可能性も……。

でか美 全然あると思います! それで言うと、昔「ザッピィ」って音楽雑誌があったじゃないですか。実家に帰って、自分が小5、6くらいのときに買った「ザッピィ」をパラパラ見てたら、「ハロー!プロジェクト・キッズ オーディション」(2002年に開催された小学生限定のハロプロオーディション)の広告ページの端が折ってあってびっくりしたんです。私の世代はみんなモーニング娘。が好きな時代を生きていたのでもともと憧れはあったと思うんですけど、オーディションのページに印を付けていたくらい自分はハロプロが好きだったんだという(笑)。

佐々木 へえー。自分ではまったく覚えていなかった?

でか美 完全に忘れてました。2002年は私の周りでもモーニング娘。の人気が落ち着き始めていた頃だから、たぶん同じクラスの友達に合わせていたわけではなく、自分が意識的に好きだと思っていたんでしょうね。だから、巡り巡ってやっぱりハロヲタというのはあるのかなと。

戻るわけにはいかないあの頃

南波 「あの頃。」の話に戻りますが、当時ハロヲタである劔さんたちが開催していたイベントのような、ファン同士が自由にしゃべって交流する場は、今もありますよね。そういう非公式な場で交わされていた思いや情熱が、今回のようにご本人たちや運営陣に届くということは、今のファンにとっても希望になる気がしました。

 確かに今もSNSやYouTubeなんかでファン同士が自由に語り合う様子を見かけますが、そういうことって今はけっこう本人たちに届いてますからね。でも当時の僕たちは、本人たちに喜んでもらえるなんてまったく想像してなかったし、何も考えずにみんなで好き勝手に話していただけでした。もちろん、本人たちにも絶対届いていなかったし(笑)。

佐々木 僕も劔さんたち「恋愛研究会。」がイベントを行うシーンは印象に残っています。というのも、あのイベントや劔さんたちの様子が、かつて僕がよく知っていた、マニアックな音楽リスナーや映画マニア(シネフィル)の在り方にすごく似ているなと思って。人は何かに心酔すると孤独になりやすいから、自分と共通の固有名詞で話が通じる人に出会うとものすごい勢いで仲よくなってしまったり、なんとなく社会や周囲に対して被差別感を抱いているだけに、同好の士を見つけたときにすごく気持ちが高ぶって、あらゆるものを飛び越えて結束したりする。でも今はいろんなSNSで簡単に仲間を見つけられるようになったから、当時の感覚ともまた違うような気もしますが。

 そうですね。当時はSNSでいうとmixiが主流で、TwitterとかInstagramはまだなかったな。

でか美 あとはテキストベースのファンサイトとかですよね。

佐々木 やっぱりSNSでフォローし合ったりするよりは、イベントみたいな場所で直接出会って一緒に語り合うほうが交流は濃くなりますよね。

 あと僕はひねくれていたので少数派になろうとする癖があったし(笑)、佐々木さんのおっしゃる通り、当時の僕らは被差別感みたいなものを感じていたと思います。それと同時に自分たちはダメなやつらだという自覚もあって、「アイドルヲタクをやっている、そんな俺たち」という意識のもとで一緒に過ごしていたかもしれません。

佐々木 少数派になろうとしていたというのは、昔から?

 地元の新潟から出るときも、みんなが東京に行くからという理由で大阪を選びましたし、聴く音楽もオルタナティブやアバンギャルドのほうに偏っていって、流行りものは一切聴かなくなりました。で、そういう音楽のコミュニティにいたらいたで、今度はアイドルソングをオルタナとして受け取り出すという(笑)。そういう性格もあって、ずっと自分自身を模索し続けていたんですよね。

南波 最近ずっと劔さんの出ている記事や配信やラジオをチェックしていて思うんですが、当時の仲間たちの間では当たり前だったホモソーシャル的な観念に、かなり気を遣われていますよね。「あの頃。」の公開以降は特に。

 はい。僕には男性社会で生きてきたという過去が事実としてありますし、原作でもそういう部分をたくさん描いてきました。でも、今はそこに戻るわけにはいかないという気持ちが確かにあります。

南波 自分が原作を手がけた作品のプロモーションなのに、そういう部分にもちょこちょこ釘を刺していく劔さんは、とても今の人だなと思います。

でか美 うんうん。偉い!

 いやあ、そうやって自分を見ていてくださる人がいるのはありがたいです。いつも「どうせ誰も見てないし……」みたいな気持ちで生きてますから(笑)。

大人が大人に怒られる

でか美 ちなみに私、「あの頃。」にちょっと出てたの気付きました?

佐々木 クレジットは見たんだけど……どこに出てたんですか?(笑)

でか美 エゴサしてても、私を見つけた人とそうじゃない人の割合がちょうど半々なんですよ!(笑)

南波 わかりやすく出演してましたよね? なんで気付かない人が多いんだ(笑)。

 コズミンたちが行ったAV女優の握手会のシーンで、差し入れとしてお弁当を渡そうとするファンに、「それは困ります」とストップをかけるスタッフ役ですよね。

佐々木 そうだったんだ! 演技が自然すぎて気付きませんでした(笑)。

でか美 あははは! そういうことにしておきます(笑)。でもあれは、密かにモデルにしている人がいるんですよ。私が心の底から大好きな「SATOYAMA & SATOUMI movement」(アップフロントグループが主催する“里山”および“里海”の文化や魅力を発信するプロジェクト)によるハロメンから手渡しで物産品やフードを購入できるイベントがありまして、その中にカレーを買えるブースがあったんですね。で、私は友達と一緒に列に並んだんですけど、やっぱりヲタクは自分の推しメンからカレーを受け取りたいじゃないですか。でも並んでいるうちに、推しメンのレーンには行けない可能性も出てくるわけです。それで友達が近くにいた見ず知らずのヲタクと申し合わせて、列を入れ替わってワチャワチャしてたら、そこにいたスタッフさんに「ちゃんと並んでください!」とものすごく怒られて(笑)。

一同 あははは!(笑)

でか美 ほかのお客さんやハロメン本人たちにも迷惑がかかっちゃうから、スタッフさんが怒るのも無理はないんですけど、大人が大人に本気で怒られている光景があまりに衝撃的で。役作りの参考にさせてもらいました(笑)。

ハロプロを応援していたら宇多丸さんと知り合えた

南波 先ほど昔と今ではファン同士のつながり方が違うという話が出ましたけど、ヲタクの方々って、社会的地位や普段属しているコミュニティに関係なくお互いフラットな立場で仲間になることが多いですよね。

でか美 うんうん。ライブ会場でも、ファン同士のおじさんと女子高生が普通の友達として仲よくしゃべっていたりしますよ。いわゆる“女ヲタヲタ”的なものとはまた違った雰囲気で。

 あれは不思議な光景ですよね。

南波 お互いの素性を本当に知らなかったり、仮に知ったとしても普通に接していたりしていて。普段の暮らしの中で交わることのない人同士が自然な形で一緒にいるというのが本当に素敵だなと思います。こういうファン同士の関係性は、昔からあったものなんですか?

 そうだと思います。僕が大阪にいた頃、東京でハロプロを応援している有名人といったらRHYMESTERの宇多丸さん、掟ポルシェ(ロマンポルシェ。)さん、杉作J太郎さんが挙げられる時代だったんですが、そんな有名な方々と交流する機会なんて普通はないのに、当時ハロプロを応援していたら、RHYMESTERの宇多丸さんと知り合えたんですよ。「釣りバカ日誌」のハマちゃんとスーさんじゃないですが、ただ変なバンドをやっているアンダーグラウンドな自分と、メジャーアーティストの宇多丸さんが、ハロプロの話をしているときはフラットな関係になれた。杉作さんだって当時からサブカルのスターみたいな方でしたけど、みんなでモーニング娘。の話をしているときは、同じ立場でああだこうだ言い合えたんですよね。ハロヲタにそういう人は多かったと思います。

でか美 私もある日いきなり大森(靖子)さんから「休みの日は何してるんですか?」とTwitterのDMが来ました。そのあとお会いしたときに聞いたら、「『ハロプロが好き』ってプロフィールに書いてあったからフォローしてみた」とおっしゃっていて(笑)。私からしたら「あの大森靖子からフォローされた!」という感じでしたけど、同じものを好きだとそういうこともあるんだなと思いました。

佐々木 へえー。ファン同士で仲間を求めているという。

でか美 劔さんともハロプロという共通項がなかったら、お家に入り浸るほどの仲になれなかったと思います(笑)。コロナ禍以降はあまり行けてないですけど、それ以前はマジで家賃を払わなきゃいけないくらいずっと劔さんのお家に遊びに行っていたので(笑)。

 もう出入り自由みたいな感じだったよね(笑)。

でか美 劔さんのお家で開催されるハロヲタの集いも変わったメンツですよね。いろんな職種の方がいらっしゃる。

佐々木 みんな素性はバラバラだけど、ハロプロでつながっているということ?

 はい、ハロプロだけで(笑)。

佐々木 社会的なカテゴリを取り払って付き合える関係はすごくハッピーですよね。ただ、一方でほかのジャンルのヲタク間にもあるかもしれないけど、マニアックな分野になればなるほど、マウントの取り合いが生じるじゃないですか。アイドルヲタクの中ではそういうことで軋轢が生まれることはないですか?

 うーん、当然あるよね?

でか美 めちゃめちゃありますし、Twitterで牽制し合っているハロヲタもしょっちゅう見てますよ。「俺は写真集を何冊買った」みたいな(笑)。でもそういう発言の真意は、「俺はここまでしてやっている」というものより、それぞれのヲタクとしてのプライドの表れなのかなと思いますけどね。自分的には、ハロプロファンはお互いを下に見るようなマウントの取り合いはしないイメージです。

 ハロプロは過去にほかのアイドルたちの台頭によって不遇の時期を経験していることもあって、ファン全体として“我が軍”という仲間意識を持っているのかもしれないですね。

でか美 あと、劔さんと私はお互いにハロプロを追えていなかった時代を補い合っていて。私が子供すぎてよく把握できていない時代を劔さんはリアルタイムで追っていたし、劔さんが1回離れた頃から私はハロプロを好きになったので、お互いの記憶や思いが補完されているというか(笑)。

 ハロプロの歴史が長いこともあって、古参ファンが新規のファンに対して優しい雰囲気はありますね。

佐々木 確かに、新しいファンを「ようこそ」と歓迎する懐の深さみたいなものは僕も感じます。

 そのマインドはすごく強いと思います。

「後輩のことをよろしくね」

でか美 あとハロヲタの特徴といえば、基本的にハロプロに付随するすべての事柄を好きになることですね(笑)。ハロプロに楽曲を数多く提供している中島卓偉さんや、ハロプロ関連のイベントでよくMCをしているお笑いコンビの上々軍団さんのことを大好きになったり、「ハロ!ステ」(ハロプロのYouTube公式チャンネルで配信されている番組)によく出てくるうどん屋さんに行きまくったりとか。

南波 あるある(笑)。

でか美 「あの頃。」の制作が発表されてからは、私の中では「我が軍でおなじみの松坂桃李さんと仲野太賀さん」という感じにもなっています。お二人ともインタビューとかでハロプロのことをほめてくれているので、うれしくて(笑)。みんなそういう仲間意識は、すごく強いと思います。例え1人で現場に通っているヲタクの人や、自宅で1人で楽しみたい主義の方でも、ハロプロファンを公言する松岡茉優さんに信頼を置いている、みたいな感覚はあると思います(笑)。

 そういうファンの仲間意識は、ハロプロが紆余曲折を経ているからこそ生まれているのかなと思います。あと僕が個人的に思うのは、ある程度長い期間応援していると自分もファンとして成熟していくということ。

南波 なるほど、丸くなっていくんですね(笑)。

佐々木 ちなみにハロヲタだけに限らず、今のアイドルファンには小中学生から60代前半くらいの方までいるイメージがあるんですが、60代くらいのヲタクの中にもかなりアクティブな方がいますよね。そういうベテランヲタクの中には、応援し始めて云十年という方々もけっこういるのかなと思っていて。

でか美 もちろんファン歴が長い人もいるけど、ヲタ卒する人もいると思います。単純に推しメンが卒業したら一緒にヲタクを卒業するという方もいますし。でも、基本ハロヲタは推しメンが卒業したら、現役のほかのメンバーに流れていく傾向にあると思いますけどね。

 そうだね。これが20年以上続くハロプロの作り出したビジネスとして優れているシステムで、受け皿がちゃんとあるというか、こぼれるとしっかりと受け止めてくれるものが次にある。ハロプロは所属しているグループやメンバーの個性も幅広いですし。

でか美 ももちや道重さゆみさん(ex. モーニング娘。'14)もそうでしたけど、基本的にみんな「後輩のことをよろしくね」という姿勢で卒業していくんです。だから、ほかの子たちを推すことへの後ろめたさがなくなるというか。普通だったら別の子を応援するなんて悪いなという気がしますし、実際自分の中で葛藤することもあるんですけど、卒業する彼女たちが「私もがんばるし、ハロー!プロジェクトという団体をこれからも応援してね」と言ってくれるので。

 ちなみにこの流れは2001年にモーニング娘。を卒業された中澤裕子さんから始まっています。卒業コンサートの舞台で、彼女が「これからのモーニング娘。をよろしく」と話したのが最初ですから。

佐々木 へえー! 初代リーダーから受け継がれている、ある種のハロプロの伝統のようなものなのかもしれないですね。その伝統のマインドが生まれると同時に、21世紀が始まったという。

<次回に続く>

劔樹人

1979年生まれのベーシスト / マンガ家。狼の墓場プロダクション所属。大学在学中より音楽活動を開始し、2009年より神聖かまってちゃん、撃鉄、アカシックなどのマネジメント、プロデュースを手がける。現在はあらかじめ決められた恋人たちへのメンバーおよび和田彩花、吉川友、ぱいぱいでか美withメガエレファンツなどのバンドのベーシストとして活動中。著作に「今日も妻のくつ下は、片方ない。 妻のほうが稼ぐので僕が主夫になりました」「高校生のブルース」など。2021年2月に自伝的コミックエッセイ「あの頃。男子かしまし物語」が松坂桃李主演の映画「あの頃。」として実写化された。

ぱいぱいでか美

1991年生まれのタレント / 歌手。日本テレビ系「有吉反省会」へのレギュラー出演のほか、ソロ楽曲の作詞作曲やライブ活動、他アーティストへの楽曲提供、DJ、コラム執筆などを行う。また自身が中心となるバンド・ぱいぱいでか美withメガエレファンツ、アイドルユニット・APOKALIPPPSのメンバーとしても活動中。2021年3月に自身が作詞作曲、ONIGAWARAが編曲を手がけた新曲「イェーーーーーーーー!!!!!!!!」を配信リリースした。同年4月よりYU-Mエンターテインメントに所属。8月8日には自主企画の生配信イベント「でか美祭 2021」を東京・TSUTAYA O-EASTほかで開催する。

佐々木敦

1964年生まれの作家 / 音楽レーベル・HEADZ主宰。文学、音楽、演劇、映画ほか、さまざまなジャンルについて批評活動を行う。「ニッポンの音楽」「未知との遭遇」「アートートロジー」「私は小説である」「この映画を視ているのは誰か?」など著書多数。2020年4月に創刊された文学ムック「ことばと」の編集長を務める。2020年3月に「新潮 2020年4月号」にて初の小説「半睡」を発表。8月に78編の批評文を収録した「批評王 終わりなき思考のレッスン」(工作舎)、11月に文芸誌「群像」での連載を書籍化した「それを小説と呼ぶ」(講談社)が刊行された。

南波一海

1978年生まれの音楽ライター。アイドル専門音楽レーベル・PENGUIN DISC主宰。近年はアイドルをはじめとするアーティストへのインタビューを多く行い、その数は年間100本を越える。タワーレコードのストリーミングメディア「タワレコTV」のアイドル紹介番組「南波一海のアイドル三十六房」でナビゲーターを務めるほか、さまざまなメディアで活躍している。「ハロー!プロジェクトの全曲から集めちゃいました! Vol.1 アイドル三十六房編」や「JAPAN IDOL FILE」シリーズなど、コンピレーションCDも監修。

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