マンガ雑誌「週刊少年ジャンプ」の創刊50周年を記念して、7月7、8日に神奈川・横浜アリーナで音楽イベント「JUMP MUSIC FESTA」が開催された。“「音」でつくる「週刊少年ジャンプ50周年記念特別号」”がコンセプトのこのイベントには、ジャンプにゆかりのあるアーティストが出演。出演アーティストたちはジャンプ関連楽曲やジャンプ作品にインスパイアされた楽曲でセットリストを構成し、音でマンガを表現した。
7月7日
7月7日はKANA-BOON、氣志團、サカナクション、DISH//、BiSH、04 Limited Sazabysが出演。MCはテレビ東京系「特捜警察ジャンポリス」に出演しているオリエンタルラジオと、幼少の頃からジャンプを愛読してきたことで知られる生駒里奈が務めた。開演後、白いTシャツ姿で登場した生駒は「生まれたときからのジャンプっ子です!」と自己紹介し、オリエンタルラジオの中田敦彦は「僕は開演前から物販ブースをウロウロしていました! いろんなアーティストのファンが来てました!」と報告。大型ビジョンでは「ONE PIECE」のモンキー・D・ルフィ(CV:田中真弓)、「NARUTO-ナルト-」のうずまきナルト(CV:竹内順子)、「銀魂」の坂田銀時(CV:杉田智和)を始めとした人気キャラクターたちも登場した。
トップバッターのKANA-BOONは、アニメ映画「BORUTO ボルト -NARUTO THE MOVIE-」の主題歌「ダイバー」でライブを開始。「俺らはナルトとかボルト(「BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」)とかに関わらせてもらっていて。ナルトしかり『ピューと吹く!ジャガー』しかり、ジャンプのマンガに人生のアレコレを教わってきました!」とジャンプへの思いを語りながら、彼らは6曲目に「ナルトの曲をもう1曲やってもいいですか?」と言って「シルエット」を披露した。ライブが終わると生駒が「これはスゴイ! 1発目にここまで胸を熱くさせられるなんて!」という感激の声と共にステージに登場。中田は「嘘じゃなく、生駒さんは舞台袖で見ながらボロボロ泣いていました」と明かした。そんな中、ナルトのコスプレをしたオリエンタルラジオの藤森慎吾が登場。作品に登場する術技である口寄せの術を使ってKANA-BOONを呼び、トークセッションを繰り広げた。KANA-BOONの谷口鮪(Vo, G)は「トップバッターで気持ちよく歌わせていただきました。ペンライトを振ってくれて、皆さん温かくてよかった」と感謝。「ジャンプは小中高と学校帰りにずっと読んでいたので、このように50周年を一緒にお祝いできるなんて光栄です。初めてのアニメソングはナルトがいいですと言っていたんですよ」と、ナルト愛を公言するメンバーらは喜びを爆発させた。
2番目に登場したBiSHは、アニメ「ブラッククローバー」のオープニンググテーマ「PAiNT it BLACK」を、熱を込めて2回連続で披露。その後「今日は横アリが世界で一番ギラギラした場所になりますように!」と願いを込めて、6月20日に発売されたシングルの表題曲であるグループ初のバラード「Life is beautiful」を歌い、透き通る声とエモーショナルなステージングで観客を魅了した。DISH//はアニメ「NARUTO -ナルト- 疾風伝」のエンディングテーマ「FLAME」で伸びやかな美声を響かせ、さらに「I Can Hear」「横浜VIBRATION」を熱唱。観客もタオルを回しながら盛り上がった。
その後、MCのオリエンタルラジオを擁するRADIO FISHが登場し「PERFECT HUMAN」を披露。チームしゃちほこと共にコラボ曲「BURNING FESTIVAL」を歌い、アニメ「北斗の拳」のオープニングテーマであるクリスタルキングの「愛をとりもどせ!!」をカバーした。会場に一体感をもたらしてライブを終えると、中田は「あっちゃんカッコイイの声が聞こえました!」とご満悦の様子だった。04 Limited Sazabysはテレビドラマ「オー・マイ・ジャンプ! ~少年ジャンプが地球を救う~」のオープニングテーマ「My HERO」などを演奏。「ジャンプって発売日より早く売ってるお店があったよね。俺の家は田舎だったんだけど、書店とかコンビニとかじゃなくて、パン屋さんで一番早く売っていた。あれは何だったんだろう?」と思い出を振り返りつつ、「ジャンプは全男子にとって初期衝動だと思ってる。ジャンプは僕たちにとって新しい世界や新しい言葉をいっぱい教えてくれるものでした」「少年のときのワクワクしていた感受性を失いたくなくて、こうやっていつまでも“冒険”みたいなバンドをやっているところがある。皆さんにもあの頃を思い出してほしくて……今日は現代社会でパサパサになっている心を潤しにきました!」とコメントした。
氣志團は「俺たちはジャンプのヒーローみたいに特殊な能力はないけれど、努力で何かを成し遂げる、そんなヒーローになりたいと思って今日まできました!」と挨拶。星野源の「恋」とマッシュアップした不思議な「One Night Carnival」を披露したり、アニメ「ONE PIECE」で主題歌「ウィーキャン!」を氣志團と共に歌うきただにひろし(JAM Project)と「愛をとりもどせ!!」を熱唱したりと、豪華なパフォーマンスで会場を沸かせた。MC陣は「感動するのに面白い、面白いのに感動する。めちゃくちゃ勉強になった。映画1本見たくらいの満足度!」と絶賛した。
ラストのサカナクションは荘厳な雰囲気でライブを開始し、激しく上下する照明の演出と共に、徐々にダンサブルなパフォーマンスへと移行。「アルクアラウンド」「アイデンティティ」「多分、風。」などで会場を揺らしたのち、映画「バクマン。」主題歌「新宝島」で会場の盛り上がりは最高潮を迎えた。ライブ終了後、サカナクションの大ファンだという中田が「ビショビショになるまで踊った!」と語ると、それに同調した観客たちが一斉に拍手した。
7月8日
2日目となる8日は欅坂46、Little Glee Monster、家入レオ、GRANRODEO、Thinking Dogs、SPYAIR、FLOWが出演。さらに特別ゲストとして「ONE PIECE」の主題歌「ウィーアー!」で知られるきただにひろしと、RADIO FISHが7日に続いて登場した。中田が初日の感想として「 (大ファンのサカナクションに興奮し過ぎて) 生駒ちゃんの前で奇声を発したのは初めて」と述べると、生駒は「ひと言でいうとドン引きでした」とコメント。藤森は「僕はいろいろとコスプレさせていただきました。意外と評判がよかったんですよ」と楽しんだ様子だった。
2日目のトップバッター、Little Glee Monsterのライブは「BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-」のオープニングテーマ「OVER」でスタート。アカペラメドレーではマイケル・ジャクソンの「Thriller」などを歌い、透き通ったハーモニーと力強い歌声で観客を魅了した。MCでは「ジャンプ50周年ってすごいよね!」と熱っぽくコメント。MAYUは「私たちが『僕のヒーローアカデミア』の歌を歌ってたの知ってた?『BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-』の歌を歌ってたのも知ってた?」と、オーディエンスに向けて興奮気味に畳み掛けた。
続くGRANRODEOは「黒子のバスケ」のオープニングテーマ「The Other self」を力いっぱい演奏。「Punky Funky Love」「メモリーズ」「Can Do」と「黒子のバスケ」尽くしのセットリストで盛り上げ、KISHOW(Vo)は「ハートは熱く、頭はクールに頼むぜ!」と、自身が声を演じる氷室辰也の名ゼリフを決めて会場を沸かせた。Thinking Dogsは「自分たちを知ってもらえれば」と、「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」の初代オープニングテーマであるJUDY AND MARYの「そばかす」を熱唱。さらに10月に公開される齋藤飛鳥(乃木坂46)がヒロインを務める映画「あの頃、君を追いかけた」の主題歌である、「言えなかったこと」をしっとりと歌い上げた。
きただにひろしは高音の美声を轟かせながら「ウィーアー!」「ウィーゴー!」という「ONE PIECE」のテーマソングを次々披露。「こんな大きなところで『ウィーアー!』『ウィーゴー!』を歌えてよかった。僕の人生を変えた2曲です」と語った。初日にも会場を熱狂させたRADIO FISHは「ULTRA TIGER」「NEW GOD」「PERFECT HUMAN」などをパフォーマンス。さらにアニメ「北斗の拳」のオープニングテーマであるクリスタルキングの「愛をとりもどせ!!」をカバーした。パフォーマンス終了後に「ライブをやってみてどうですか?」と聞かれた中田は「さいっこー! とにかく楽しい」とニンマリ笑った。
家入レオは、「人の葛藤する姿が美しいんじゃないかと思って作りました」と語りつつ、8月1日にリリースするニューシングルの表題曲で、フジテレビ系ドラマ「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」の主題歌である「もし君を許せたら」を歌唱。さらに「ドラゴンボール改」のエンディングテーマ「純情」や「トリコ」のエンディングテーマ「サブリナ」などを披露し、会場は輝くペンライトで埋め尽くされた。SPYAIRは「銀魂 銀ノ魂篇」のオープニングテーマ「I Wanna Be…」や、「銀魂」のオープニングテーマ「サクラミツツキ」、同アニメのエンディングテーマ「サムライハート(Some Like It Hot!!)」などを演奏。「ハイキュー!!」の主題歌「イマジネーション」が始まると、観客のペンライトが一斉にリズムを取り始め、会場全体が大きく躍動した。その後のMCタイムには「ハイキュー!!」好きの足立梨花も登場。生駒は「梨花さんは、ハイキューのことになったらうるさいんですよ(笑)。でも、梨花さんは大先輩なのにこうやってフランクに話せるのはジャンプのおかげ」と、友情を育むきっかけとなったジャンプに対して感謝していた。
ひと際大きな声援で迎えられたのは欅坂46。この日は平手友梨奈もステージに登場し、フロントのビジョンに平手が映ると会場からは割れんばかりの歓声が起こった。彼女たちは「サイレントマジョリティー」「風に吹かれても」「ガラスを割れ」などで一糸乱れぬパフォーマンスを展開し、多くの観客が息を飲んだ。トリを務めたFLOWは、映画「ドラゴンボールZ 神と神」の主題歌としてカバーした、ロックテイストの「CHA-LA HEAD CHA-LA」や、挿入歌「HERO ~希望の歌~」を、ドラゴンボールの迫力ある映像を背にして熱唱。その後「FLOWの15年の節目節目にナルトがいました。勝手にナルトは戦友だと思っている」と語り、感謝の気持ちを込めて「NARUTO-ナルト-」のオープニングテーマになった「Re:member」「Sign」「GO!!!」を演奏した。さらに新曲「Break it down」も披露され、豪華なセットリストのライブとなった。