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南波志帆、10周年ライブで見せた「夢の続き」

約6年前2018年11月22日 7:04

南波志帆のデビュー10周年を記念したワンマンライブ「THE NANBA SHOW『10th anniversary oneman live “無色透明”』」が、11月17日に東京・マイナビBLITZ赤坂で行われた。

2008年11月18日、15歳の新人アーティストとしてミニアルバム「はじめまして、私。」でキャリアをスタートさせた南波。デビューからちょうど10年の節目に行われた今回のワンマンライブでは、デビュー作からライブ当日に発売された最新アルバム「Fille! Fille! Fille!」までの幅広い楽曲がセレクトされ、これまでの歩みとこの先の未来を提示するステージとなった。

ライブの冒頭を飾ったのは、南波自身が2016年に立ち上げたレーベル・sparkjoy recordsより発表した第1弾アルバム「meets sparkjoy」からのナンバー「おとぎ話のように」。少女から大人へと変わりゆく女性の心情を描いたこの曲を、南波は松江潤(G)、砂山淳一(B)、脇山広介(Dr)、皆川真人(Key)という強力なバンドメンバーの演奏に乗せて丁寧に歌い上げる。同じく「meets sparkjoy」収録曲「夢じゃない。」が歌われたあとは、「スローモーション」「クラスメイト」と初期の楽曲が続き、堀込高樹(KIRINJI)が作詞作曲した初期のバラード「プールの青は嘘の青」を披露したところで、南波はこの日初めてのMCを挟んだ。

「わたくし南波志帆、中学3年生15歳でデビューしましたので、今年で25歳、10周年を迎えることができました。皆さんのおかげです。ありがとーう!」と会場に集まったファンに感謝を述べた南波は、「今日は我が人生最大の感謝と愛を1曲1曲に込めて歌います」と宣言した。すると、舞台袖からおもむろにギターを持ったスタッフが現れ、南波へと渡す。約1年にわたって密かにギターを練習していたという南波は「これ今叩き割ったら弾かなくていいですかね」などあからさまに自信なさげな様子を見せながらも、10代で単身上京したデビュー当時の思いを歌う「City Lights」から「髪を切る8の理由。」「プールサイド」と、3曲をギターボーカルで披露した。ここで場内は暗転し、南波の10周年プロジェクトとして製作されたショートムービー「夢の続き」の初上映へ。

「夢の続き」は南波のデビュー10周年記念ベストアルバム「無色透明」のために、彼女のデビューに携わったプロデューサー矢野博康が書き下ろした同名の楽曲をもとに、かねてより南波を応援していた俳優の池田鉄洋が監督・池田テツヒロとして映像化したショートムービー。ある少年が訪れた「定食なんば」で出会った“魔女”との触れ合いが描かれた作品で、南波は定食屋で働く“魔女”として演技にもチャレンジしている。その後のMCで南波は「節目だからか、この1年は過去の自分の映像を目にする機会が多くて。その映像でいつも自分が……ちょっとモノマネしますね。『南波志帆です。中学3年生15歳です。将来の夢は、自分が出るドラマの主題歌を歌うことです』と言ってて。福岡でジャックナイフのように暮らしていた過去の自分が成仏できたような気がします」と恥ずかしそうに語った。またショートムービー上映のあとは、南波と親交の深い面々からの10周年を祝うサプライズメッセージ映像が。矢野プロデューサーをはじめ、コトリンゴ、西寺郷太(NONA REEVES)、吉澤嘉代子、もも(チャラン・ポ・ランタン)、小川暖奈(スパイク)、THE CHARM PARK、おかもとえみ(フレンズ)、tofubeats、チアキ、Dr. USUI(MOTOCOMPO、(M)otocompo)、フレネシ、Julie Watai、大森靖子、リサ(ex. バニラビーンズ)、内澤崇仁(androp)、ヒャダイン、小島梨里杏、飯窪春菜(モーニング娘。'18)、Negicco、秦基博、土岐麻子がそれぞれ南波への祝福の言葉を届けた。

ライブ後半は「月曜9時のおままごと」「こどなの階段」「少女、ふたたび」「MUSIC」とアップテンポな楽曲が続き、観客は立ち上がってハンドクラップで一体に。そして南波はセンチメンタルな思春期を歌った「ごめんね、私。」「乙女失格。」を届けたあと、最後の1曲を残したところで「あっという間だったなあという感じもするし、1歩1歩着実に歩んできたなあという感じもするし、すごく不思議な気持ちです」と、改めて10年間の思いを語る。そして「なかなか順調にはいかない歌手人生でした。内緒の話なんですけど、去年の今頃の私は、今日のこのステージで、この仕事を辞めるって言おうと思ってました。あ、辞めることを辞めたんで大丈夫なんですけどね」と心中を告白。「だけど、これからの私にはこの曲がそばにいてくれるから、私は私のことをちゃんと信じてあげられるなと思うし、大人になると夢を語ったり夢を見るのは怖くなるけど、もう一度夢を見てみたいなと思えるようになりました。そんな大切な曲を最後に歌ってもいいですか?」と、アーティスト南波志帆の育ての親と言える存在の矢野が10周年を迎えた彼女に贈った曲「夢の続き」を熱唱し、南波はステージをあとにした。

南波がアンコール曲に選んだのは、11年目の挑戦が詰め込まれたニューアルバム「Fille! Fille! Fille!」からの楽曲。表題曲「Fille! Fille! Fille!」、そして「大人の恋、魔法」と、フレンチポップを彷彿とさせる楽曲で新たな一面を見せたうえで、南波は歌手人生の始まりの曲「ストーリー」へとつなぐ。未来への期待を描いたデビュー曲に新たな意味合いを与えるように、南波は「ストーリー」を丁寧に歌い上げた。さらに南波はもう1曲、作曲を矢野、作詞を土岐が手がけた2012年のバラードナンバー「カノープス」を披露。記念のライブを終え、11年目の活動へと歩を進めた。

南波志帆「THE NANBA SHOW『10th anniversary oneman live “無色透明”』」

01. おとぎ話のように
02. 夢じゃない。
03. スローモーション
04. クラスメイト
05. プールの青は嘘の青
06. City Lights
07. 髪を切る8の理由。
08. プールサイド
~ショートフィルム「夢の続き」、関係者コメント上映~
09. 月曜9時のおままごと
10. こどなの階段
11. 少女、ふたたび
12. MUSIC
13. ごめんね、私。
14. 乙女失格。
15. 夢の続き
<アンコール>
16. Fille! Fille! Fille!
17. 大人の恋、魔法
18. ストーリー
19. カノープス

※記事初出時、一部曲名に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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