SEEDAのアルバム「花と雨」を原案とする同名の映画が2020年1月17日に公開されることが決定した。
映画「花と雨」は、Perfumeや水曜日のカンパネラ、ゆず、ビョークなど多くのアーティストのミュージックビデオを手がける映像ディレクター・土屋貴史の長編商業映画デビュー作。2006年に発売されたSEEDAのアルバム「花と雨」 とSEEDAの自伝的なエピソードをもとに「現実と理想」「生と死」「アイデンティティの探求」など、さまざまなテーマを通じて“何者かになりたい”1人の青年が葛藤しながら成長する姿を描く。
主演を務めるのは、オーディションを勝ち抜いた笠松将。ラッパーとして活動しながらも現実の厳しさに直面して自分を見失い、単なるドラッグディーラーに成り下がってしまう主人公・吉田を演じる。そのほか大西礼芳、岡本智礼、中村織央、光根恭平、花沢将人、MAX、サンディー海、木村圭作、紗羅マリー、西原誠吾、飯田基祐、つみきみほ、松尾貴史、高岡蒼佑の出演も決定。またSEEDA自身が映画の音楽プロデュースを手がけ、仙人掌が演技指導を担当することも明らかになった。
笠松将 コメント
僕はこの作品と共に、一番に這い上がりたい。部室でSEEDAさんを先輩たちと聴いていた日々が懐かしいです。
親切な映画ではないかもしれません。物語を追うことより、目の前の出来事一つ一つを楽しんでもらえたら嬉しいです。
観た人によって見解が大きく異なる映画かなと思います。観終わった後の皆さんと早く話しがしたいです。
土屋貴史 コメント
初めての長編映画に関わらず、可能性を見出してくれたSEEDA氏と完成公開まで推し進めてくれた関係スタッフに感謝したいと思います。自分が監督するからには、偉大なアルバムであることはわかった上で、それを殊更に強調したり、それに寄りかかった映画に仕上げるのとは違うアプローチを考えました。なぜなら、そこには極私的な内容、描写の中に、若者の抱えている苛立ちや葛藤、普遍的なテーマが描かれていることに気づいたからです。解釈を強制するのではなく、観客自身がこの映画や主人公に対して能動的に自分を重ね合わせていけるような感覚を大切にしました。また、当時それぞれが「花と雨」のアルバムを聴いた時のことを思い出して、時代の空気感と共に能動的に体験できるような作品になっているかと思っています。
この映画では、本当の自分の気持ちがわからなかったり、自分を変えようと願ったことがある人間が、世界の抑圧から自由になる瞬間を描いています。一人の若者が自分が何者かを探し、不器用ながら本当の自分を見つける手掛かりを得て、初めて自分や自分の周りの世界を把握します。同時に、成長することは常に何かを犠牲にすることでしかなし得ないということにも気づくのです。