STUTSが1月30日に東京・WWW Xでワンマンライブ「90 Degrees」を行った。
STUTSがワンマンライブを行うのは2018年11月から12月にかけて開催された2ndアルバム「Eutopia」のリリースツアー以来、約1年2カ月ぶり。タイトルの「90 Degrees」はタイラー・ザ・クリエイターの楽曲「GONE, GONE / THANK YOU」からの引用で、“転換点”という意味の言葉だという。ライブには仰木亮彦(G / 在日ファンク)、岩見継吾(B)、高橋佑成(Key)、吉良創太(Dr)がバンドメンバーとして参加し、中盤からは客演を務める盟友たちが次々に登場してSTUTSのパフォーマンスに花を添えた。
開演時刻を過ぎ、隅から隅まで観客でいっぱいになった会場。そこへ登場したバンドメンバーが静かに演奏を始めると、拍手に迎えられる形でSTUTSも現れる。ドリーミーな「Intro」を経て「Ride」のパフォーマンスを開始したSTUTSは、バンドメンバーと息を合わせつつ、エネルギッシュにMPCを叩き、軽快なビートで観客の体を揺らしていく。フロアにはピースフルな空気が充満しており、「今日は今までやったことないことをいろいろとやろうと思うので最後までお付き合いください!」とSTUTSが短く挨拶すると温かい拍手が沸き起こった。「Paradise」で歌心あふれるメロディを奏でたSTUTSは、続く「Pushin'」では激しくMPCを打ち鳴らし、彼の動きに合わせるようにバンドの演奏もヒートアップ。5曲目の「Summer Situation」を終えて、すっかり汗だくになったSTUTSは「まさかこんな始めのほうにこんな汗かくと思ってなくて……」とタオルで顔を拭って会場に笑いを起こした。
バンドメンバーを一旦退場させたあとソロで3曲披露したSTUTSは、プライベートでも親交の深い北里彰久(Alfred Beach Sandal)を迎え入れると「Horizon」でコラボ。続く「Sail Away」にはバンドも参加し、北里はメロウなサウンドに乗せて持ち前の伸びやかな歌声を響かせた。その後STUTSが四つ打ちの新曲を含む3曲をバンドと共に披露したところで、2人目のゲスト・BIMが登場し、コールアンドレスポンスを交えながらSTUTSプロデュース曲「Veranda」をバンド編成でパフォーマンス。会場の温度が一気に上昇する中、続けて披露された「マジックアワー」にはRYO-Zも参加し、BIMとのかけ合いでオーディエンスを沸かせた。そしてバンドメンバーが退場し、ステージに1人残ったSTUTSが「Changes」をスタートさせると最後のゲストとしてJJJが登場。STUTSが作り上げる美しい旋律とJJJの力強いラップが、観客の心を打つエモーショナルな瞬間を生み出した。
アンコールではSTUTS自身がボーカルを務める新曲「Vapor」をライブ初披露。「人前で1人で歌うのは高1の文化祭以来とかでドキドキしてるんですけど温かい目で観てください」と前置きしつつ、ゆったりしたビートに乗せて新鮮なラップと歌声を聴かせた。この曲はSoundCloudにて本日2月2日までの期間限定で公開されている。そして最後に披露されたのは「夜を使いはたして」。イントロの段階で次の展開を予期した観客がスマホを掲げる中、その期待通りにPUNPEEが登場し、フロアは大興奮に包まれた。「まさかあのときビートを渡してきた人がこんなところでワンマンをやって、NHK出たり、紅白出るなんて本当に思ってなかった。誇らしいですよ。これからもみんなで人生を使いはたしていきましょう」と言葉を残してPUNPEEが去ったあと、笑顔のSTUTSは「本日のワンマンは以上になります!」とさわやかに挨拶。大歓声と拍手の中、客席に手を振りながらステージをあとにした。
STUTS「90 Degrees」2020年1月30日 WWW X セットリスト
01. Intro
02. Ride
03. Paradise
04. Pushin'
05. Summer Situation
06. Renaissance Beat
07. Pursuit
08. Amber
09. Horizon feat. 北里彰久(Alfred Beach Sandal)
10. Sail Away feat. 北里彰久(Alfred Beach Sandal)
11. Never Been
12. 新曲
13. Eternity
14. Veranda feat. BIM
15. マジックアワー feat. BIM, RYO-Z
16. Changes feat. JJJ
<アンコール>
17. Vapor
18. 夜を使いはたして feat. PUNPEE