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鈴木茂、BEYOOOOONDS、土岐麻子、堂島孝平ら豪華競演で名シーン満載「矢野フェス」

「YANO MUSIC FESTIVAL 2021 ~ヤノフェス 歌うスタジオ~」収録の様子。(撮影:曽我美芽)
3年以上前2021年02月01日 12:01

1月30、31日に開催されたナタリー主催のオンラインイベント「マツリー」にて、音楽プロデューサー矢野博康監修のライブコンテンツ「YANO MUSIC FESTIVAL 2021 ~ヤノフェス 歌うスタジオ~」が配信された。この記事では番組の模様をレポートする。

「YANO MUSIC FESTIVAL」通称“矢野フェス”は、矢野と親交の深いアーティストが集う音楽フェスとして2010年より不定期に行われているライブイベント。ポップスファンのツボを押さえた出演者、意外なコラボレーションやカバー、かつてのテレビ番組を彷彿とさせるユニークな演出など独自性あふれるイベントとして人気を博してきた。初のオンライン開催となる「YANO MUSIC FESTIVAL 2021 ~ヤノフェス 歌うスタジオ~」は、元来「矢野フェス」の持ち味であったテレビ的な演出をスタジオライブで表現するという新たな試みで、これまでとはひと味違うステージとなった。

出演アーティストは「矢野フェス」皆勤賞の堂島孝平、土岐麻子、南波志帆、「矢野フェス」初登場のBEYOOOOONDS、スカート、町あかり、収録スタジオ外から参加の堀込泰行とNegicco、そして“VIP☆POPマエストロ”枠の鈴木茂という多彩な顔ぶれ。ライブは恒例のマイクリレーメドレーからスタートした。これは往年の音楽番組「夜のヒットスタジオ」形式のメドレーで、出演者が次の出演者の楽曲を歌いながら登場するというもの。まずはMCの矢野とアシスタントの南波がBEYOOOOONDS「眼鏡の男の子」を歌い、BEYOOOOONDSは堂島の「葛飾ラプソディー」、堂島は自身が楽曲提供したNegiccoの「愛、かましたいの」、Negiccoはスカートの「君がいるなら」、スカートは町の「コテンパン」、町はキリンジの「エイリアンズ」、泰行は土岐の「美しい顔」とリレーでつなぎ、メドレーラストの土岐は「美しい顔」を歌いながら登場した。

「矢野フェス」に毎回出演していながらトップバッターは初となる土岐は、自身の最新楽曲「HOME」に加え、最近どハマりしているK-POPナンバーの中から、ソユの「I Miss You」をカバー。「I Miss You」は韓流ドラマ「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」からの1曲で、土岐は2月17日にリリースするカバーアルバム「HOME TOWN ~Cover Songs~」でもこの曲を自ら日本語に訳詞してカバーしているが、この日は韓国語バージョンでの歌唱に挑戦した。次に登場したのは、「矢野フェス」初参加のスカート・澤部渡。リッケンバッカーの弾き語りで代表曲「ストーリー」を歌ったかと思うと、続いてバンドの演奏に乗せて近藤真彦の「スニーカーぶる~す」を熱唱し、2分に満たないオリジナル曲「わるふざけ」を畳みかけるように披露した。

新潟在住のNegiccoは地元のライブスペースから、「I LOVE YOUR LOVE」「午前0時のシンパシー」と、2019~2020年に発表したシングルの表題曲2曲をお届け。2014年の「YANO MUSIC FESTIVAL 2014」以降、すっかり「矢野フェス」準レギュラーの仲間入りを果たしたNegiccoは、収録の場に参加できなかったことを惜しみつつ、いつも通りのふんわりとしたトークで参加者や視聴者をなごませた。アイドル枠で初参加となるBEYOOOOONDSは、メンバー12人それぞれ“2021年版”の自己紹介で個性をアピールし、3月3日リリースの新曲「Now Now Ningen」、そして「ビタミンME」の2曲をパフォーマンス。短い時間の中に凝縮された“ハロプロイズム”に、矢野は「いやあ、すごいですね。強い。強い感じがしましたね」と思わず感嘆の声を漏らした。

「矢野フェス」には初回から出演し、アシスタントMCとしても活躍している南波志帆は、いつの間にかMC用の「YANO FES」トレーナーを脱ぎワンピースに着替えたかと思うと、アーティストとしてステージへ。彼女が10代の頃からプロデューサーとして支えてきた矢野がデビュー10周年のお祝いに書いたバラードソング「夢の続き」が歌われ、収録スタジオは温かいムードに満たされた。「矢野フェス」皆勤賞の南波に続いて登場した初参加の町あかりは、昨年10月に発売されたカバー集「それゆけ!電撃流行歌」から終戦直後の流行歌「港が見える丘」を披露。さらに、ピコピコハンマー片手に歌う代表曲「もぐらたたきのような人」を歌い、初めて彼女のライブを観る視聴者にも強烈なインパクトを残した。

中盤のスペシャルコーナー「VIP☆POPマエストロ」のゲストは、日本が誇るギターレジェンド・鈴木茂。ストラトキャスターのカッティングが鳴り始めたとたん、スタジオの空気は一変する。1975年発売の名盤「BAND WAGON」に収録されたナンバー「100ワットの恋人」だ。さらに、はっぴいえんど時代の楽曲「花いちもんめ」、そして代表曲「砂の女」と、鈴木はサービス満点の選曲で視聴者を唸らせた。ライブ後のトークでも、松任谷正隆や小原礼といったレジェンドたちとの高校生時代のエピソードや、十代の頃に書いた初めてのオリジナル曲だという「花いちもんめ」の制作秘話など貴重な話が次々と飛び出した。

土岐や南波と並ぶ“矢野フェスの顔”堀込泰行は今回、スケジュールの都合でやむを得ず収録には不参加となったが、別映像で出演。瑛人の「香水」をひと節歌いつつ参加できないことを告げ、「その代わりと言ってはなんですが」と、2018年に行われたライブ「KIRINJI 20th Anniversary Live『19982018』」から「New Day」と「さよならテディベア」のお蔵出しパフォーマンス映像を公開した。

土岐、澤部によるトークコーナーでは、土岐と矢野がかつて在籍していたバンド・Cymbalsを小学生の頃から聴いていたという澤部が、中学生時代にお年玉でCymbalsのラストアルバム「Love You」を買ったエピソードを告白。また土岐は音楽ナタリーでコラムを連載するほど熱中しているK-POPアイドルについて熱弁し、「推しができると心が豊かになる」「生まれ変わったらジュホン(MONSTA X)になりたい」など名言を連発した。

初のオンライン版「矢野フェス」を締めくくったのは、「YANO MUSIC FESTIVAL 2011」以降毎回トリを務めている皆勤賞の堂島孝平。「6AM」でごきげんにライブをスタートさせた堂島は、アコースティックギターを置いてハンドマイクに持ち替えると、スタジオ内を縦横無尽に駆け巡りながら「H.A.P.P.Y」を熱唱した。ギターソロを弾く八橋義幸をやおら肩車で担ぎ上げ、シールドが引っかかりステージ装飾の電球が吹き飛んでしまうというハプニングも起こしつつ自由すぎるパフォーマンスを見せた堂島は、曲の終わりと同時にステージ下手にスライディング。寝そべった状態のまま「今は世の中こういう気持ちだと思います。でも僕は負けません。(膝立ちで)今こんな感じです。もうちょっと世の中がよくなったら(立ち上がり)こうなるように、これからもやっていきたいと僕は思ってます。I Think. I Think So.」「今まで通りのことができなかったとよく言われますが、もともと同じ日なんて1日もない。それを忘れてたんじゃないかと、僕はただただ思うわけです」と思いの丈を話し、最後に「きみのため」をしっかりと歌い届けた。最後は収録の出演者が全員距離を取りつつスタジオに集い記念撮影。2時間15分におよんだ「YANO MUSIC FESTIVAL 2021 ~ヤノフェス 歌うスタジオ~」は大団円を迎えた。

「YANO MUSIC FESTIVAL 2021 ~ヤノフェス 歌うスタジオ~」
参加アーティストおよび披露曲目

オープニングメドレー

01. 眼鏡の男の子 / 矢野博康、南波志帆
02. 葛飾ラプソディー / BEYOOOOONDS
03. 愛、かましたいの / 堂島孝平
04. 君がいるなら / Negicco
05. コテンパン / スカート
06. エイリアンズ / 町あかり
07. 美しい顔 / 堀込泰行
08. 美しい顔 / 土岐麻子

土岐麻子

01. HOME
02. I Miss You(Korean Ver.)

スカート

01. ストーリー
02. スニーカーぶる~す
03. わるふざけ

Negicco

01. I LOVE YOUR LOVE
02. 午前0時のシンパシー

BEYOOOOONDS

01. Now Now Ningen
02. ビタミンME

南波志帆

01. 夢の続き

町あかり

01. 港が見える丘
02. もぐらたたきのような人

鈴木茂

01. 100ワットの恋人
02. 花いちもんめ
03. 砂の女

堀込泰行

01. New Day
02. さよならテディベア

堂島孝平

01. 6AM
02. H.A.P.P.Y
03. きみのため

バンドメンバー:小松シゲル(Dr / NONA REEVES) / 村田シゲ(B / □□□) / sugarbeans(Key) / 八橋義幸(G)

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