ももいろクローバーZが4月3、4日に神奈川・横浜アリーナでバレンタインイベント「ももクロくらぶ xoxo ~バレンタイン DE NIGHT だぁ~Z! 2021」を行った。
ももクロがパーソナリティを務めるニッポン放送「ももクロくらぶxoxo」発の公開収録バレンタインイベントとして、2013年より開催されている「ももクロくらぶ xoxo ~バレンタイン DE NIGHT だぁ~Z!」。ももクロの有観客イベントが行われるのは昨年2月の前回の「バレイベ」以来、約1年2カ月ぶりのことで、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の影響によりバレンタインの時期の開催ではなくなったものの、多くのモノノフ(ももクロファンの呼称)がこの日を待ち望んでいた。今年も例年通り「裏」と「表」の2DAYSにわたってイベントが開催され、「裏」公演では“桜”をテーマに、「表」公演では“家族”をテーマにライブやトークなどが繰り広げられた。
4月3日「裏」公演
オープニングでは会場のスクリーンに「ニッポン放送 ももいろクローバーZ ももクロくらぶxoxo ~バレンタイン DE NIGHT だぁ~Z!2021『裏』」という公演名が表示され、直後にその年号が「2020」に切り替わる。そして垣花正アナウンサーによる「ももクロの4人が、モノノフの前で直にパフォーマンスを見せた最後の姿。それが、この『バレイベ』だったんです」というアナウンスとともに昨年の公演の様子が映し出されたのち、「ももクロ再始動」というフレーズに合わせて春らしいピンクの衣装に身を包んだメンバーがステージに登場。モノノフは4人との再会に大喜びし、1曲目「行くぜっ!怪盗少女 -ZZ ver.-」のイントロが流れ始めると、コールなどの声出しができないという制約がある中、ペンライトを振って盛り上がった。
さらに疾走感あふれるナンバー「stay gold」を歌唱したももクロは、「声は出せないけれど、一緒にやってください!」と呼びかけ、おなじみの自己紹介を披露。次のブロックでは映画「劇場版『美少女戦士セーラームーンEternal』」の主題歌「月色Chainon」などを熱唱し、垣花アナからひさしぶりの有観客イベントの感想を聞かれると、「(お客さんが)いるといないとで全然違う!」「声は出せないけれど、コールが聞こえてくるんですよ!」とうれしそうに語った。
ソロ曲のコーナーでは百田夏菜子が映画「すくってごらん」の主題歌「赤い幻夜」を情感たっぷりに響かせ、自身が初ヒロインを務めた作品の世界観を歌で表現する。また高城れには「everyday れにちゃん」を披露し、笑顔でステージ上を飛び跳ねるなど、百田のパフォーマンスとは対照的な“高城らしさ”全開のライブでモノノフを楽しませた。ライブ中盤には公演のテーマである“桜”にちなんで森山良子がゲストとして登場。初共演の思い出や森山がももクロに抱いている思い、音楽一家である森山家にまつわる話などが語られたほか、「聖者の行進」でももクロとのコラボレーションが実現。4人は森山のバックでダンスを披露し、その歌声に彩りを加えた。
玉井詩織が座長を務める舞台「第2回 ももクロ一座 特別公演」が9月25日から10月4日にかけて東京・明治座で上演されることが発表されたあと、イベントはラストスパートとなる最後のライブパートへ。ももクロは“タオル曲”である「ツヨクツヨク」で会場に一体感を生み出したのを皮切りに、「On Your Mark」や「Re:Story」を立て続けに歌唱。アンコールではライブの定番曲「走れ! -ZZ ver.-」が披露され、メンバーとモノノフが一緒になってペンライトを左右に振る。曲が終わると佐々木彩夏は、「いつもみんなが来てくれるのが当たり前だと思っていた。改めて、みんなが来てくれてうれしい」と感謝の気持ちを言葉にした。
4月4日「表」公演
「表」公演も1日目と同様に、垣花アナのナレーションでライブの幕が開ける。「ももクロとモノノフもある意味“家族”ではないか。さあ、始めよう! 満開の桜の木の下で、ももクロ家族の、新しい宴を!」という言葉を経て、メンバーカラーのセットアップの衣装を着たももクロがステージに登場し、温かい歌詞が並ぶ「笑一笑 ~シャオイーシャオ!~」を歌唱。2曲目の「ゴリラパンチ」では4人が花道を歩き、4色のペンライトの光で染まる客席に笑顔を届けた。 MCになると、ももクロと再会した喜びのあまり涙を浮かべるモノノフを見た高城が、「泣きそうになった」と自身も感激した様子を見せる。「PLAY!」「The Diamond Four」披露後のトークコーナーでは、前日の「裏」公演からライブを見続けてきた垣花アナが「声が出せなくても、(モノノフとの)掛け合いがピッタリ!」と絶賛し、「うそつきバレンタイン」という公演名に沿ってメンバーに「ウソのような本当の話」を質問。玉井は「今日、あーりん(佐々木)と同じ香水を付けている」「冬は週2、3回は鍋」など、日常のエピソードを披露してモノノフを喜ばせた。
その“鍋”というワードにちなみ、ここからイベントは「お父さん鍋」のコーナーへ突入。ステージに運び込まれた鍋の中に“お父さん”にまつわるトークテーマが書かれた「エピソードの具材」が入っており、ももクロはそのテーマに沿った“お父さんエピソード”を語っていく。さらにももクロと初共演の中川家がゲストとして参加し、“お父さん”の面白話を披露。中川家が次々に語る父親の仰天エピソードにメンバーは驚きつつも、「お父さんに会いたくなりました」と笑いをこらえきれない様子だった。
「表」公演のソロ曲コーナーでは玉井が切ない歌詞の楽曲「涙目のアリス」を、佐々木がキュートな振り付けと歌声で魅せるファンタジーテイストのナンバー「ハッピー▽スイート▽バースデー!」を歌唱する。また、この日ももクロは「つけない嘘」というタイトルの初の朗読劇に挑戦。1人暮らしの娘のもとに父親から荷物が届いた数日後、母親の親友と名乗る人物がやって来たことで両親の隠しごとが次々と明らかとなるというストーリーが展開された。そして、家族の大切さが感じられる物語を朗読した4人は小田和正「たしかなこと」をカバーし、しっとりとした歌声で会場を包み込んだ。
その後、イベントは終盤のライブパートへ。ももクロはロックサウンドの「stay gold」をクールに熱唱したかと思えば、メンバー同士のにぎやかな掛け合いが印象的な「ももクロの令和ニッポン万歳!」を披露。歌詞に「みんなの笑顔 会いに行こう」とあるように場内を回ってモノノフたちと笑顔を送り合った。続いて「行くぜっ!怪盗少女 -ZZ ver.-」「クローバーとダイヤモンド」と畳みかけ、アンコールで「オレンジノート」を歌った4人はこの2日間を振り返り、「ライブが帰ってきた!って感じ」と改めて喜びをあらわに。「家に帰るまでが『バレイベ』ですよ!」とモノノフに呼びかけ、手を振りながらステージをあとにした。なお、終演後には2022年2月12、13日に埼玉・さいたまスーパーアリーナで来年の「バレイべ」が開催されることが発表された。
ももいろクローバーZ「ももいろクローバーZ ももクロくらぶxoxo~バレンタイン DE NIGHTだぁ~Z!2021『裏』」2021年4月3日 横浜アリーナ セットリスト
01. 行くぜっ!怪盗少女 -ZZ ver.-
02. stay gold
03. 月色Chainon
04. サラバ、愛しき悲しみたちよ
05. 赤い幻夜 / 百田夏菜子
06. everyday れにちゃん / 高城れに
07. 涙そうそう / 森山良子
08. 聖者の行進 / 森山良子 with ももいろクローバーZ
09. ツヨクツヨク
10. On Your Mark
11. ザ・ゴールデン・ヒストリー
12. Re:Story
<アンコール>
13. 走れ! -ZZ ver.-
ももいろクローバーZ「ももいろクローバーZ ももクロくらぶxoxo~バレンタイン DE NIGHTだぁ~Z!2021『表』」2021年4月4日 横浜アリーナ セットリスト
01. 笑一笑~シャオイーシャオ!~
02. ゴリラパンチ
03. PLAY!
04. The Diamond Four
05. 涙目のアリス / 玉井詩織
06. ハッピー▽スイート▽バースデー! / 佐々木彩夏
07. たしかなこと(オリジナル:小田和正)
08. stay gold
09. ももクロの令和ニッポン万歳!
10. 行くぜっ!怪盗少女 -ZZ ver.-
11. クローバーとダイヤモンド
<アンコール>
12. オレンジノート
※「ハッピー▽スイート▽バースデー!」の▽はハートマークが正式表記。