かせきさいだぁのアート作品の展覧会「かせきPOP!」が、9月5日から11日まで東京都渋谷区のオルタナティブスペース・elephant STUDIOにて開催される。
ミュージシャン、ラッパーとして活動する一方で、イラストレーター、マンガ家、文筆家、作詞家と、さまざまな分野で活躍するかせきさいだぁ。彼のアート作品は歴史的絵画を独自のフィルターに通したポップな画風が特徴で、展覧会が開かれるのは今回が初となる。展覧会をプロデュースしたWATOWA GALLERYの山本浩貴は「かせきさいだぁは、現代日本の新しいポップ・アートを牽引する旗手となる人物かもしれません。洋の東西や時代を超越した『かせき・ポップ』の真髄を、ぜひ本展にて目撃していただければ幸いです」とコメントしている。
本展では名作絵画をモチーフにした「名画シリーズ」や、著名人の肖像を彼特有のスタイルに落とし込んだ「似顔絵シリーズ」など新作約20点が2フロアにわたり展示・販売される。展覧会は予約制で、入場チケットはArtStickerにて販売中。9月9日の入場チケットは無料となっている。
文化研究者 山本浩貴(WATOWA GALLERY)コメント
「かせきさいだぁ」は、現代日本の新しいポップ・アートを牽引する旗手となる人物かもしれません。彼は、1990年代半ば以降、ポップ・ミュージックの歌詞を引用したラップで注目を集め、今日では日本のヒップホップ界で強い影響力のあるミュージシャンです。彼はエッセイや小説も執筆し、文筆家としての顔も持つ多彩な人物でもあります。本展は、最初は仲間からの依頼に応じて開始し、徐々にカフェやレコード店でも発表するようになった、かせきさいだぁのアートワークを一挙にギャラリーで見せる初めての機会となります。「カワイイものが大好き」と公言する彼の作品は、その音楽と同様、「ポップな」スタイルで描かれる肖像や風景画ですが、そこにはゴッホやモネ、印象派、浮世絵からマンガやウォーホルまで、雑多な要素がかせきさいだぁ独自の翻訳を通じて宝石のように異種混交的な仕方で詰め込まれています。たとえば、彼の絵画では西洋近代絵画においては忌避される太い輪郭線で描かれていま すが、ここには日本的な文脈である浮世絵やマンガを特徴づけるくっきりとしたアウトラインの影響を看取することができるでしょう。洋の東西や時代を超越した「かせき・ポップ」の真髄を、ぜひ本展にて目撃していただければ幸いです。
かせきPOP!
2021年9月5日(日)~11日(土)東京都 elephant STUDIO