あのが出演するイベント「あのちゃんねるLIVE『あ、無の無』」が10月24日に東京・EX THEATER ROPPONGIで開催された。
これは、昨年10月から今年9月にかけてテレビ朝日で放送されていたあのの冠番組「あのちゃんねる」、および現在CSテレ朝チャンネル1で放送中の「続・裏あのちゃんねる」のイベント。あのがソロアーティスト名義・anoとして初めて有観客でのライブパフォーマンスを行い、MCを務めるぺこぱとともにゲストとさまざまな企画を繰り広げた。このイベントは異なる演出で昼夜2公演が行われ、昼公演にはヒコロヒー、夜公演にはもう中学生、ハリウッドザコシショウがゲストとして登場。昼夜2公演ともにCSテレ朝チャンネル1とスカパー!番組配信で生中継が行われた。この記事では“夜の無”の様子をレポートする。
あのと松陰寺太勇がアコースティックギターを弾き、シュウペイも交えて3人でKinKi Kids「フラワー」、スピッツ「空も飛べるはず」をしっとりと歌唱。アーティスティックなオープニングに、ぺこぱの2人は「芸人やってるとなかなかない緊張感でしたね」「ひとボケくらいしないと入りづらい」と戸惑いを見せていたが、あのと松陰寺はこの日初めて合わせたとは思えないほどの息の合った演奏を繰り広げた。
その後、あのがレギュラー出演したテレビ東京「あるある発見バラエティ 新shock感 それな!って言わせて」のMCであり、「あのちゃんねる」地上波最終回にゲスト出演した山里亮太(南海キャンディーズ)がVTRで出演。山里があのの誕生日を祝って「Happy Birthday to You」を歌うと、ステージにはあのが描くキャラクター“歯周病ちゃん”をかたどったバースデーケーキが持ち込まれた。このサプライズをさぞ喜んでいるだろうとシュウペイが感想を聞くと、あのは山里の出演について「いくらもらって引き受けてくれたんだろうね?」と真顔でひと言。「祝ってくれた会場の皆さんにお礼をお願いします」とシュウペイに促されると、あのは「ケーキを作ってくれた業者さん、ご協力してくれた皆さんありがとうございます」と言い、ナイフを握ってケーキを雑に3分割した。
幕間には森田哲矢(さらば青春の光)が出演する「あのちゃんねる」撮り下ろし映像も上映。森田は“昼の無”から引き続き賞品獲得を懸けた「あのダービー」に挑戦しており、“夜の無”では森田とあのがそれぞれ食品をひと口食べて、その噛み跡からどちらが食べたのかを当てる「歯形格付けチェック」と銘打ったゲームが行われた。最初に登場したスペシャルゲストはもう中学生。彼はあのと友達になれるゲームを用意してきたと言い、ターレットトラックの絵が描かれた旗をもう中が振って、あのがそれを応援するゲーム「豊洲に届け フレフレターレ」、ジョイマンの高木晋哉が「ありがとう茶封筒」とラップしているのにちなんで茶封筒に感謝するゲーム「茶封筒にありがとうと言おう」、そしてリズムゲーム「肉骨ゲーム」をプレイ。マイペース同士な2人のトークが会場を独特な空気にし、ひたすらゆるい時間が経過していた。
TBS系「水曜日のダウンタウン」の「『ラヴィット!』の女性ゲストを大喜利芸人軍団が遠隔操作すれば、レギュラーメンバーより笑い取れる説」という企画のため、朝の生番組で芸人たちに遠隔操作されて珍妙な発言を連発していたあの。この収録の裏側が先日オンエアされると、視聴者から多くの反響が寄せられていた。直近のホットな話題ということで、今回のイベントでも出演者たちはその話題に言及。観客や視聴者から事前に募集した質問にあのとぺこぱが回答していくコーナー「あのぺこ、あのね。」で、「この3人で一緒に番組をやるとしたら?」という質問に対して松陰寺が「これからバラエティ出演めっちゃ増えるんじゃない? 反響すごいでしょ」と話を振ると、あのは「会う人会う人に『ほぐした赤LARK』って言われる」と苦笑。これに対してシュウペイが「じゃあ大喜利の番組を一緒にやるのもいいんじゃないの?」と言うと、あのは「えっ、逆に大丈夫ですか?」とぺこぱの大喜利スキルを心配し、会場から思わず笑いが起きていた。
2人目のゲストであるハリウッドザコシショウがステージに颯爽と現れると、松陰寺は早くも「先に言っておきますが俺、この場を取り持つ自信がございません(笑)」と困惑気味。ここからは、ザコシが誇張したものまねをし、誰のまねをしているのかをあのが当てる「誇張ものまねクイズ」が行われ、会場は笑顔に包まれた。さらにザコシはあのに誕生日プレゼントとして、自らが福山雅治のものまねをするときに使っているパーティグッズのメガネをプレゼント。あのもこのメガネをかけて「実に面白い」「眠たくなってきちゃった」といったザコシのネタを実演した。
そしていよいよanoとしての始めての有観客でのパフォーマンスがスタート。9月に配信リリースされた「アパシー」でライブは幕を開け、anoはバンドの演奏をバックに観客に訴えかけるように歌った。そのままノンストップで「Peek a boo」に突入すると、彼女は普段の話し声とはまったく違う低い声で気迫たっぷりに咆哮。その後のMCでは1年間の「あのちゃんねる」への出演を振り返り、観客や視聴者に向けて「冠番組をやらせてもらうなんて、昔から知ってる人からしたら『あんな奴が』ってびっくりしてると思うし、僕も自分でびっくりしてる。みんな『面白い』とかいろいろ言ってくれるんですけど、僕が僕のままで生きてることを面白がってくれたり、それを観て『自分も正直に生きていいんだって思えた』って言ってくれる人もいて、すごくうれしい。僕はお笑い芸人ではないんですけど、音楽もお笑いも人の人生を変えられる力があると思うし、もしあなた方が周りから否定されたり生きづらいことがあっても、僕の姿を見て『ありのままでいい』って思えるようになったらいいなと思います」とメッセージを送った。
その後anoは、アコースティックギターを弾きながら「SWEETSIDE SUICIDE」を思いを込めて熱唱。さらに先日リリースされたばかりの「絶対小悪魔コーデ」をハイテンションに歌い踊り、「あのちゃんねる」のオープニングテーマ「F Wonderful World」を楽しそうに歌ってステージを去った。アンコールで再びステージに戻った彼女はソロデビュー曲「デリート」を歌唱。胸に詰まった思いを吐き出すように、刺々しい雰囲気を放ちながら力強くアグレッシブに歌い上げた。
なお、このイベントは“昼の無”“夜の無”ともに11月7日までスカパー!番組配信で見逃し配信を実施中。詳細は「あのちゃんねるLIVE『あ、無の無』」特設サイトにてご確認を。またイベント内で「裏あのちゃんねる」が2022年1月にCSテレ朝チャンネル1で放送されることも発表された。