MCバトル番組「ありがとうSTUDIO COASTフリースタイルモンスター」の配信が、1月2日(日)にABEMAでスタートした。
「ありがとうSTUDIO COASTフリースタイルモンスター」は“モンスター”と呼ばれる実力派ラッパーを相手に、チャレンジャーが即興ラップで勝負を挑み、賞金100万円獲得を狙う番組。1月31日をもって閉館するMCバトルの“聖地”、USEN STUDIO COASTを舞台に、ラッパーたちが繰り広げるバトルの模様が全5回にわたって配信される。
チャレンジャーはNidra Assassin、POWER WAVE、杉本青空、SKRYU、梵頭、CIMAの全6人で、彼らの前に立ちはだかる“モンスター”は呂布カルマ、FORK、輪入道、DOTAMA、ID、そして“ラスボス”の般若。バトルの審査員をいとうせいこう、Lily、ERONE、KEN THE 390、ISH-ONEの5人が務め、MCをZeebra、サブMCをUZIとサイプレス上野が担当する。
1人目のチャレンジャーとして登場したのは、兵庫出身の若手ラッパーNidra Assassin。2年前に初めてバトルの舞台に立った彼の特徴は、音としての響きを重視するラップスタイルとファッションへのこだわりだ。紹介VTRでNidraは「見た目がよくないと聞いてても不快」と語り、「服ダサい、曲ダサい、いい加減にしてください」と“モンスター“を挑発する。そんなNidraを阻む“モンスター“として召喚されたのはID。数々のフリースタイルバトルで実績を残している彼は自らのスキルの進化を語り、Nidraに対して「勝てると思ってんの?」と自信を見せた。
熱気あふれる会場に現れたNidraとIDは、観客に囲まれたセンターステージで対面。チャレンジャーのNidraが後攻を選び、DJ CELORYがJazee Minor「100 feat. AKLO」をプレイすると8小節2ターンのバトルがスタートした。ダンサブルなビートに乗ってラップし始めたIDが「斬れるわけがない 俺の心の臓 シンドローム toxic病気なっちまいそう 見せてくれよフロウ」と煽れば、Nidraは「それって本当に本当? 切り裂く俺の言葉が日本刀」と反撃。英語を織り交ぜながら個性的にラップし、放送できない“コンプラ”ワードも連発する。
これを「お前駄目な所多すぎ 若気の至りの行き過ぎ」といなし、クールにラップしたIDに対し、Nidraは甲高い声でスピットするスタイルに切り替えて会場を沸かせたが、5人の審査員は「言葉の聴き取りやすさ」などを理由に全員一致でIDの勝利と判定。“クリティカル”でNidraをねじ伏せ、“モンスター“の強さを存分に示したIDに対して、呂布カルマは「大人気ないです」とコメントした。一撃で沈められたNidraだが、「別にいいっすよ」と笑い、「修行して戻って来ます」と宣言。対戦後のインタビューでも「画家とかも亡くなってから評価されるんでいいかなと思います」と笑顔を見せた。
2人目のチャレンジャーはお笑いコンビ・からし蓮根のツッコミ担当、杉本青空。芸人きってのラップスキルを持つ彼はテレビ朝日系「フリースタイルティーチャー」の「第一回芸人界最強ラッパー決定トーナメント!」で優勝し、MCバトル大会にも出場している。「相手の言ったこと全部ボケやと思ってツッコむ」と意気込んだ彼の対戦相手は、いぶし銀のベテランラッパーFORK。「どういうところか教えないといけないと思うんすよね」と語るFORKは杉本について「芸人大会だから目立ったのであって、ここで芸人らしからぬものをやっても普通」と切り捨て、「芸人としてあるべき姿でラップしてほしい」と求めた。
チャレンジャーの杉本は後攻を選択し、DJ CELORYがWAZGOGG「Bebop dancing」を流すとFORKが攻撃を開始。「いらっしゃい芸人さん」と歓迎したかと思えば、「だが迷惑だ ここには手出すな 例え仕事でも来る場所を間違ってる お前誰だ?」と厳しく突き放すFORKに対して、杉本は「俺がからし蓮根の青空だ 俺が来たのが迷惑か? 俺がBorn to be famousな その計画の一部だ舐めんな」とひるむことなくライムする。
2ターン目では韻を踏んだあとに自分で「Yeah」と言う杉本の癖にFORKがツッコミを入れ、「ただの宴会芸とは違うんだよ 確実に俺が勝つ つまり全回転 パチンコみたいな感じだぜ ここはガチンコ」と追撃。一方、杉本は「フリースタイルティーチャー 最強のスチューデント 今日も起こすぜムーブメント」と韻を踏みつつ、「Yeah」は抑えて「ちゃんと我慢出来ましたよ FORKさん」と食らいついた。
審査員5人中4人が余裕たっぷりにラップしたFORKの勝利とジャッジしたが、いとうはそんなフォークに必ず韻を踏んで返す杉本を評価し、2本目に突入。MC TYSON「MUSIC HUSTLER」のビートがバトルをさらにヒートアップさせる。2本目でも先攻を務めたFORKが「上手に出来てるよ だけど不格好 求めてんのは プロと部活動ぐらいのレベルの差だろ?」とラッパー、芸人の違いを強調すると、杉本は「ここが部活動 でも俺とお前はここに立ったらフラット フラっと来た訳じゃねぇぜ」とアンサー。しかし1本目で指摘されて修正した「Yeah」と言う癖が出てしまう。
FORKはこれを見逃さずツッコミを入れつつ、「見たもんしか真似出来てない 中から熟成出来てない ジュクジュクするぐらい痛ぇ傷負わせるぜ」と攻撃。杉本は「バッチリと機は熟した 時は来た 俺の芸人とかで足元見んな 時は来た まるで橋本真也みたいなもんだぜ」とプロレスネタで応えるが、1本目同様、いとう以外の審査員全員はFORKに軍配を上げ、FORKの勝利が確定した。
「フリースタイルティーチャー」で杉本とタッグを組み、彼にラップを教える“ティーチャー”を務めたKEN THE 390は、杉本の押韻を称賛しつつ、「Yeah」と言う癖を指摘されて気にしているところがもったいなかったと敗因を解説。1本も取れずに敗北した杉本だが、輪入道は「生半可なラッパーだったら負けてしまうんじゃないかってくらい青空くんの仕上がりがすごくよくて一瞬ヒヤヒヤした」と感想を述べ、FORKも「目を見てて肝が据わってる感じがしましたね。一瞬バイブスに押されてるなって感じた」と語った。
残るチャレンジャーはあと4人。“ラスボス”までたどり着き、賞金100万円を手にするチャレンジャーは現れるのか。レゲエディージェイのPOWER WAVEが登場する次回は、1月9日(日)に配信される。ABEMAでは初回のアーカイブを公開中。
※記事初出時、本文に誤りがありました。お詫びして訂正します。