Reolが先月より開催していたライブツアー「Reol Oneman Live 2022 激情アラート」の最終公演が、昨日5月13日に東京・Zepp Haneda(TOKYO)にて行われた。
Reolにとって、コロナ禍のために中断を余儀なくされた2020年開催の「ハーメルンの大号令」以来のツアーとなった今回。彼女は自身の歌はもちろん、バンドメンバーはベーシストとドラマーのみというリズムとグルーヴを軸としたサウンド、盟友である映像クリエイターのお菊とともに練り上げた映像、ダンサーを交えた演出と、聴覚だけでなく視覚でも魅了する内容でファンを楽しませた。
ステージを覆う紗幕にバイクが疾走する映像が投影され、「Reol Oneman Live 2022 激情アラート」の文字が浮かび上がりライブの幕が上がる。Reolは「さあさあお立ち会い!」と叫び、このツアーのオープニングナンバーでもある新曲「赤裸裸」を挑発的に歌いスタートダッシュを決めた。その勢いのまま、Reolはダンサー2人を招き入れると、和のサウンドを取り入れた「オオエドランヴ」「insider」、矢継ぎ早にリリックを繰り出す「煩悩遊戯」を畳みかけ、ツアータイトル通り激情がほとばしるエネルギッシュなパフォーマンスを序盤から展開。会場の熱気をぐいぐいと引き上げていく。さらにReolは「Nd60」「たい」の2曲で軽快な空気を作り出し、「No title」で伸びのあるボーカルを聴かせたのち、「もういっちょレイヤーを上げていきましょう」とオーディエンスを煽る。そして、リリックをグラフィカルに表現した映像を背に、全身を使って「十中八九」を躍動的たっぷりに熱唱し、身体能力の高さを感じさせるステージを繰り広げた。
映像演出を交えたインタールードを挟み、Reolはニーハイブーツにピンクを基調とした衣装に着替えて登場。鼓膜を震わせるような声で「金字塔」を高らかに歌い上げ、後半戦の狼煙を上げる。ライブの前半が“動”を軸にした内容だったとすれば、後半は“静”の要素も交えた構成に。退廃的で耽美なムードを醸し出す「404 not found」や、女性ダンサーとのコラボレーションで魅せる「ミュータント」といったミディアムナンバーでは、その情感豊かな歌声でライブハウスを満たした。エレキギターを抱え、ロックスター然とした佇まいで切れ味のあるボーカルを披露した「ハルシアン」を経て、Reolは「激情アラート」というツアータイトルが喜怒哀楽の激しい自分にふさわしいタイトルだと説明。昔からその感情の激しさゆえに葛藤もあったが、それ故に生まれた楽曲がリスナーに受け入れられていることを述懐する。「ファンの幸せが一番の幸せ。一緒に幸せになりましょう」「みんなの人生を乗せて……」と口にし、「本能に跨っていけよ」「歌い続けるよ」というフレーズが耳に残る「サイサキ」につなげた。
スケール感あふれる「白夜」、インダストリアルなトラックの上で艶かしく歌う「Ms.CONTROL」という最新ミニアルバム「第六感」からの楽曲を続けたあと、Reolは観客の1人ひとりに語りかけるようにしながら「激白」を披露。クライマックスでパワフルなロングトーンを響かせ、その余韻の中で颯爽と去っていった。その後、観客の盛大な拍手でステージに呼び戻された彼女は、何度もライブで歌ってきた「LUVORATORRRRRY!」を1人で披露。一転して「第六感」では、バンドメンバーとダンサーに加え、東京公演限定のゲストである東京ゲゲゲイのMIKEYを迎えて華やかなパフォーマンスを届けた。
最後のMCでReolはバンドメンバーやダンサー、映像演出を手がけたお菊とその弟子、さらにスタッフに感謝の思いを丁寧に伝える。ツアー中にもスタッフとともに演出やアレンジを細かくアップデートしていたことを明かし、「臨機応変にできるのは“愛”でしかない」とひと言。ラストナンバーの「Boy」をオーディエンスのクラップとストンプを受けながら、晴れやかな表情で力強く歌い上げた。Reolが「終わりたくないよー! ありがとうー」と名残惜しそうに舞台の袖に足を向けたのも束の間、場内が突然暗転する。飛び出すように再びステージに現れた彼女は、「赤裸裸」が5月18日にリリースされることを告げ、新たな未来を予感させる形で約2年ぶりのツアーに幕を下ろした。
Reol「Reol Oneman Live 2022 激情アラート」2022年5月13日 Zepp Haneda(TOKYO)公演セットリスト
01. Introduction~赤裸裸
02. オオエドランヴ
03. insider
04. 煩悩遊戯
05. Nd60
06. たい
07. No title
08. 十中八九
09. Interlude~金字塔(激情edition)
10. Q?
11. 404 not found
12. ミュータント
13. ハルシアン
14. サイサキ
15. 白夜
16. Ms.CONTROL
17. 激白
<アンコール>
18. LUVORATORRRRRY!
19. 第六感
20. Boy