本日6月8日に東京・新宿バルト9で行われた劇場アニメーション作品「犬王」の舞台挨拶に、声優キャストのアヴちゃん(女王蜂)、森山未來、脚本を担当した野木亜紀子が登壇した。
全国の劇場で公開中の「犬王」は、古川日出男の著書「平家物語 犬王の巻」を原作とした映画。南北朝から室町期にかけて活躍し、世阿弥と人気を二分した能楽師・犬王の実話をもとにしたミュージカルアニメーションで、室町時代の人々を熱狂させた犬王と、その“バディ”である琵琶法師・友魚の友情が描かれる。
映画の公開から10日が経ったこの日、司会者に反響について問われたアヴちゃんは、昨日6月7日に母親から感想をもらったことを報告。「昨日のお昼くらいに映画館で観たらしくすごく興奮していて、子どもの頃にファンタジー作品を観たような気持ちになったと言われました。あと、『ずっと興味ないと思ってたから言わんかったんやけど、うちの家、平家やねんな』と言われて! しかも昨日が犬王の命日で、犬王の命日に『あんた、平家ギャルやで』って言われると思わんかった」とハイテンションに語る。また野木は犬王役を務めたアヴちゃんに対して「初めは存じ上げなかったんですけど、『THE FIRST TAKE』やミュージックビデオを観たら『これもう犬王じゃん!』とすごく盛り上がったんです。完成した作品を観ても本当に犬王だったな、命が吹き込まれたなと。本当にありがとうございました」と感謝を述べた。
今回の舞台挨拶では、Twitterで募集した質問に3人が回答。「(劇中で)印象深かった舞のシーンは?」という問いに、アヴちゃんは「足を取り戻す前のダンスもかわいいけど、足を手に入れてからは全部の動作が舞のような気がして。でも一番『うわああ』と思ったのは最後に桜の中を舞うあのシーンかな。あんな能面あるんだっていうくらいの無表情で、無音で、あんな寂しいシーンないなって。いろんな意味で衝撃的なシーンでしたね。えぐられた」と語った。
さらに名前のこだわりについての質問が飛ぶと、アヴちゃんは「昔は苗字を名乗ることも許されなかったり、名前で階級がわかっちゃったりという中で、今はSNSを自分の名前と違う名前でやっている方が多いと思うので、自分の気に入った名前で活動することが普通になって。私は女王蜂で活動するにあたってアヴちゃんという名前にしたんですけど、“ちゃん”が付いているとみんな優しくしてくれるなって。ライブになって実際歌ったら『アヴ様……!』みたいな感じになると思うんだけど。私は自分がチャーミングなところがある人間だと思っているので、そのチャーミングさを表すためにアヴちゃんにしましたね」と名前の由来を説明した。
最後にアヴちゃんが「昨日『アヴちゃん、平家のギャルやで』と言われたこともそうだし、ここに呼ばれたのは運命を感じるというか。願わくば続きをやりたいと私たちは燃えていますのでたくさん観ていただいてその日を待ち望んでいただき、たくさん愛していただけたらうれしいです。また犬王としてお会いしたいなと思っています。ありがとうございました」とアピールをして舞台挨拶を締めくくった。
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