本日7月26日に東京・日本大学文理学部にて映画「TANG タング」の公開直前イベントが実施され、キャストの二宮和也(嵐)と満島ひかり、監督の三木孝浩が出席した。
「TANG タング」はデボラ・インストールによる小説「ロボット・イン・ザ・ガーデン」を三木監督がアレンジして実写化する作品。二宮演じる無職のダメ男・春日井健はある理由から自身の夢も、満島演じる妻・絵美との未来も諦めようとしていたが、不良品ロボット・タングとの出会いによって気力を取り戻す。
本日イベントが行われたのは、ロボットと人間の交流を研究する日本大学文理学部のキャンパスにあるセンターホール。三木監督はステージに上がったあと、「せっかく学生の皆さんがいらっしゃってるということで、僕だけの話を聞いてもしょうがないですよね」と切り出し、二宮と満島を舞台に招き入れた。キャスト2人の突然の登場に学生たちが驚く中、二宮は「本物でございます。今日はいろいろとお話を伺いたいと思っています」と挨拶。タングとの共演シーンについて「タング……いや監督に毎カットごとに演出をつけてもらって、ハンドリングしてもらいながら僕は演技してましたね」と、タングと同じカラーのシャツを着た監督を見ながら振り返る。タングの登場シーンはタング不在のもと撮影されたとのことで、満島は「二宮さんは本当に(タングが)いるみたいに自然に演技されてて。普通はできないから、どうしちゃったのかな……って」とケラケラと笑いながらコメントした。
劇中では将来に自信を持てない絵美に対して健が 「きっと、大丈夫」と励ますシーンがあり、この場面にちなんで登壇者たちは大学生たちの悩み相談に寄り添いエールを送ることに。1人目の学生から「コロナの影響で3年生になり、ようやく学校に通えるようになりました。サークルに入って人前でギターを演奏することが不安です。どうしたら緊張を克服できますか?」と聞かれると、二宮は「コロナ禍でなくても人前に立つことは緊張すると思います。僕も緊張してますし。僕は“緊張”と“緊張感”は別物だと思っていて、緊張感を持って物事に挑むと、わりとうまくいく気がしますね。足りてない部分が僕の場合は見えてきますよ」と真摯に答え、「フー!」と拳を振り回した。
続いて大学3年生の学生からの「将来を決めるうえで大事なことはなんですか」という悩みに対して、二宮は「僕は就職活動したことがないので、僕みたいな人間の話は気にしないでほしいんですけど」と前置きし、「僕にとって学生時代がジャニーズJr.時代だとすると、みんな横並びでがんばっていたんです。ただ、横並びにいるはずの人たちが実は縦に並んでいることに気付いて、自分が何番目にいるっていう序列がわかったのが社会に出てからで。何番目でもいいから、自分がいやすい立場をわかっておくことが大事かなと思います。デビューして社会に放り出されたときに自分のいやすい場所がわかってやりたいことが見えてきたので。がんばれ!」とキメ顔を作り、学生に向けて指を差した。最後の学生からは「さまざまな分野のスペシャリストがたくさんいる中で、いろんな意見が上がって板挟みになったときはどのように対処しますか?」という相談が。この質問を受けて二宮は「ビビるぐらい強いほうに媚を売ります」と即答し、「そうすると自分の中の過ごしやすい環境になります。そして意見を求められたら、強いほうの意見に『そうっすよねー』とうなずきます」と生きるうえでの処世術を伝授した。
最後に登壇者たちが締めの挨拶をしていき、二宮は「ドラえもんってのび太がいるからドラえもんでいられて。のび太が主役のはずのなのにタイトルは『ドラえもん』。本当はのびたが主役なのにっていつも思ってました。そう思った何十年後に、主役は春日井健なのにタイトルは『TANG タング』なんだって思ったんです。それでも悔しがらないで誰かの支えになれるようにがんばってください」と改めて学生に向けてエールを述べ、「この映画が人生の中の作品として残れば、うれしいなと思ってます」と思いを語った。「TANG タング」は8月11日に全国公開される。
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