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ももクロ夏のバカ騒ぎただいま!ベルーナドーム「MOMOFEST」にあふれた3年ぶりの充実感

ももいろクローバーZ「ももクロ夏のバカ騒ぎ2022 -MOMOFEST-」の様子。(c)キングレコード
1年以上前2022年07月31日 23:07

ももいろクローバーZの夏の大型ライブ「ももクロ夏のバカ騒ぎ2022 -MOMOFEST-」が7月30、31日に埼玉・ベルーナドームで開催された。

毎年夏にモノノフ(ももクロファンの呼称)と大型コンサートで盛り上がるのが恒例となっているももクロだが、有観客の形式で夏ライブを行うのは2019年の「MomocloMania2019 -ROAD TO 2020- 史上最大のプレ開会式」以来、実に3年ぶり。ベルーナドームは10年前の2012年8月開催の「ももクロ夏のバカ騒ぎSummer Dive 2012 Tour ~最終戦~ 8.5 西武ドーム大会」を皮切りに、ももクロがホームと言っても過言ではないほどに公演を重ねてきた会場で、現在の名称になってから彼女たちのライブが開催されるのはこれが初となる。

今回のライブのテーマは、夏フェスの醍醐味をこの会場に凝縮させることを目的とした「MOMOFEST(ももフェス)」。ベルーナドーム横の外周パーク・レッドパーキングでは「MOCK IN JAPAN 2022」と題し、アイドルやアーティストが次々に登場するライブステージ、ここでしか買えないグッズやフードの販売が行われた。ドーム内に用意された座席は通常の指定席のほか、メインステージから前方30列以内のアリーナ席・TDFシート、テーブル付きのカップルシート、“濡れるスタンド指定席”の水着席などさまざま。会場に集まったモノノフたちは頭のネジを外してフェス気分を満喫した。この記事では2日間の公演のうち、昨日31日の模様をレポートする。

ベルーナドームがある埼玉県所沢市のライブ当日の天気は、最高気温が36℃に達する快晴。ドームには強烈な陽射しを遮る屋根が付いているとは言え、会場内はまさに真夏日と言える暑さとなった。しかし、メンバーと同じ空間を共有できる夏ライブを待ち望んでいたモノノフの期待感、オープニングアクトを務めたAMEFURASSHIが作り出した高揚感などが混ざり合い、夏らしい暑さは心地よい熱気となって客席に充満していた。開演時刻になると、「あの夏はどこ行った?」と煽るオープニングムービーを経てお馴染みの出囃子「overture ~ももいろクローバーZ参上!!~」が流れ、場内のテンションが一気に上昇。バックバンドであるダウンタウンももクロバンド、通称“DMB”による華麗なコーラスが響き渡る中、「MOMOFEST」という巨大な文字があしらわれたステージセットが回転し、左右約80メートルのLEDスクリーンの輝きに負けない弾けるような笑顔を浮かべたももクロが姿を現した。

白いノースリーブのジャケット衣装を着た彼女たちが、レニー・ハートの勇ましいコールとともにライブの幕を開けるナンバーとして披露したのは、百田夏菜子が作詞作曲を手がけた「一味同心」。東北楽天ゴールデンイーグルス・田中将大投手の登場曲として制作されたこの曲は、チームで心をひとつにして闘う様を描いた、球場にぴったりのナンバーだ。4人の力強い歌声が「こんな悲しい時代に何が出来るだろう」「こんな悲しい時代に何か出来るだろう」と自問自答する歌詞に強い説得力を生み出し、コールができない代わりに精一杯の思いを込めてペンライトを振るモノノフたちを明るく照らしていた。

水着席ではスタッフによって常に大量の水が撒かれ続けているが、2曲目の「夢の浮世に咲いてみな」の冒頭では爆音とともにウォーターキャノンから発射された水柱がアリーナに降り注ぎ、会場に清涼感をもたらしつつライブの盛り上がりを加速させる。また、GARLICBOYSの楽曲をももクロバージョンにリメイクしたパンキッシュな自己紹介ソング「ダンシングタンク♡」では、DMBのギタリストやベーシストがステージの前方でももクロと並び、前のめりな演奏を展開。メンバーは自分の自己紹介パートを迎えるとステージ上段へと上がり、超然とした表情を浮かべてモノノフのハートをわしづかみにした。

序盤の4曲を披露し終え、さわやかな表情を浮かべたももクロはいつも通り元気いっぱいに自己紹介。水着席やカップルシートのモノノフをいじるなど、暑さを忘れさせるような軽快なトークを続け、初期から変わることのない天真爛漫な笑顔でモノノフとのコミュニケーションを楽しんだ。次のブロックでは「Guns N' Diamond」や「ROCK THE BOAT」といったももクロの大人びた凛々しい一面を強調したナンバーが新アレンジで披露され、パワフルな楽曲が続いた序盤とは趣の異なるステージが展開される。しかし、夏の鉄板曲「ココ☆ナツ」が始まると、今度は花柄のワンピース衣装を着たメンバーが水鉄砲や浮き輪を持って観客の前へ。夏らしさ全開のにぎやかなパフォーマンスを繰り広げたあと、勢いそのままに「サラバ、愛しき悲しみたちよ」も披露し、場内の興奮度合いをさらにもう一段階引き上げた。

2013年のこの会場でのライブ以来の共演となるTeddyLoidが「MOMOFEST」限定のリミックスメドレーを披露するDJショーで観客を魅せている間、ももクロは鮮やかなメンバーカラーのロングベストに衣装チェンジ。「愛を継ぐもの」をラテン風の新アレンジに再構築したバージョンで歌唱し、楽曲の新たな魅力を引き出してみせた。の子(神聖かまってちゃん)の提供曲「孤独の中で鳴るBeatっ!」が始まると、メンバーは2組に分かれてトロッコへ乗り込み、目いっぱい手を振りながらきらめくような笑顔を会場の隅々まで振りまいていく。初期からのライブの定番曲「ツヨクツヨク」では放水銃を構えて客席に容赦なく水をかけたほか、モノノフと一緒になって勢いよくタオルを振り回した。

トロッコに乗って会場の後方まで移動して来た4人は、そこに設置されたサブステージに上がり、ギター、サックス、パーカッションの3人編成の“ダウンタウンチルバンド”と合流。アコースティックアレンジで奏でられる軽やかなサウンドに乗せて、リラックスした歌声を届けていった。このブロックで歌われたのは、癒しをもたらすR&Bナンバー「HAND」、百田の主演ドラマ「僕の大好きな妻!」の主題歌に使用された「なんとなく最低な日々」、インディーズ2ndシングル「未来へススメ!」の3曲。楽曲の新しい一面を伝える演奏と歌にモノノフはじっくりと聴き入り、夕暮れ時の会場内をまったりとした涼しい空気が通り抜けた。

アコースティックコーナーを終えたももクロは再びトロッコに乗り、昨年TikTok上でブームになったことも記憶に新しい「ニッポン笑顔百景」を歌唱する。“チルタイム”により落ち着いていた客席のボルテージがお祭り騒ぎのごとく再び上昇し、モノノフたちはメンバーのかけ声に合わせて一斉にジャンプした。終盤のブロックではステージ上にスモークが立ち込め、ミステリアスなムードが作り上げられる中、ももクロとTeddyLoidがコラボパフォーマンスを展開。最新アルバム「祝典」のリード曲「MYSTERION」、只野菜摘が作詞、NARASAKIが作編曲した「mono」、エレクトリックな音色が印象的な「ロードショー」を新たな解釈を加えたアレンジで披露し、しびれるような大迫力のサウンド、クールかつ力強い歌とダンスで観る者を圧倒した。

計19曲を歌ってステージをあとにしたももクロは、アンコールを求めるモノノフたちに応え、グッズTシャツ姿で再びステージへ。この公演に向けて実施された楽曲リクエスト企画で1位に輝いた「Believe」でパフォーマンスを再開した。「Believe」は、ももクロが10年以上前から歌ってきた玉置成実の楽曲のカバー。隊列をイメージさせるフォーメーション、原曲にはないラップなどでライブでの人気を博してきた。近年はライブで披露されることが稀なため、楽曲のイントロが流れ始めるとモノノフたちの顔に歓喜と興奮の色が滲み、歌唱後は高城れにが「オリジナルだけじゃなく、ももクロの『Believe』を好きでいてくれてるんだなとうれしかったです」と感想を口にした。続いてアンコールの2曲目に披露されたのは、切ない歌詞と曲調が涙を誘う夏のバラードソング「Hanabi」。きらびやかな花火を映し出すスクリーンを背に4人は「もう一度だけ 君に見せたかったんだ こんなにも美しいこの世界」と歌い上げたが、その歌詞は"Hanabi"のことだけでなく、ももクロとモノノフが作り上げるライブの景色のことを聴く者にイメージさせた。

ここでDMBのメンバーを観客に紹介したももクロは「労働讃歌」をパフォーマンスし、モノノフと一緒に拳を勢いよく突き上げる。そして「MOMOFEST」を締めくくるナンバーとして「吼えろ」を歌唱した。曲の冒頭ではバスドラとスネアの音とともに息の合ったクラップが響き、「吠えろ!」と歌う百田のまっすぐで伸びやかな歌声が観客の胸を打った。

日が傾き始め、ドームが清々しい幸福感で包まれる中、ステージに横一列に並んだももクロはDMBのメンバーにライブの感想を聞いていくが、すでに高城の両目にはあふれんばかりの涙が。モノノフとともに盛大な拍手でDMBを送り出したあと、高城は涙をぬぐいながら「無事にこうやって2日間開催できたのが奇跡のようなことだなと心から思います。前を向けばモノノフさんがいてくれて、横を向いたらメンバーがいてくれて、後ろを向いたらDMBの皆さんがいて。裏に行ったら支えてくれるスタッフさんがいて……こんなに幸せに囲まれるのって奇跡だなと思います」と感謝の気持ちを言葉に込めた。さらに野球好きで知られる彼女は「野球は9回からって言うじゃないですか。何が起こるかわからないって。それが面白さだなって。野球にドラマがあって、選手それぞれにストーリーがあるように、私たちにもそれぞれストーリーがあって、モノノフさんにもストーリーがあって、それがこうやってひとつになったとき、こんなに幸せな瞬間ってあるんだなって、この2日間心の底から思いました。3年ぶりに開催できて本当によかったです!」と続け、とびきりの笑顔を浮かべた。

佐々木彩夏は昨年夏の有観客ライブが開催見送りになったことに触れつつ、「1年前の夏はとっても悔しかったので、3年越しにこうやってみんなと一緒に楽しい夏を過ごせて、なんの悔いもなくライブを終えることができてすごくうれしいです」と念願が叶った喜びをあらわに。玉井詩織は「ただただ本当に楽しかったです。やっぱりももクロの夏は毎年更新していくなと思いました! こうやってライブを観てくれているみんながいるからこそ、毎年毎年楽しいステージを作っていこうと思うんです。応援してくれている皆さんがいるからこそ、その気持ちに応えていきたいという思いがあります。これからも私たちが届けるメッセージを受け取ってもらえたらうれしいです。またみんなで集まりましょう!」とモノノフに呼びかけた。最後に百田は「一味同心」の歌詞に言及し、「仲間とか、自分の大切な人をイメージしながら作らせてもらって。この景色をたくさん想像しました。こうやってみんなで集まってる景色、ステージに立たせてもらってる姿、周りにいるメンバーとか、いろんな仲間を想像して作っていたら、みんなとだったらたくさんの幸せをもっともっと広げていけると強く思いました」とメンバーやモノノフとの絆の強さを確信。猛暑に負けず、2日間にわたって盛大に繰り広げられた「MOMOFEST」を締めくくった。

この公演の模様を生配信したABEMAでは、8月20日12:00よりライブ映像の完全版を配信予定。配信チケットは9月4日23:59まで購入することができる。なお、次のももクロの大型ライブは12月24、25日に埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催されるクリスマスライブ「ももいろクリスマス 2022」となる。

ももいろクローバーZ「ももクロ夏のバカ騒ぎ2022 -MOMOFEST-」2022年7月31日 ベルーナドーム セットリスト

SE. overture ~ももいろクローバーZ参上!!~
01. 一味同心
02. 夢の浮世に咲いてみな
03. ダンシングタンク♡
04. stay gold
05. ショービズ
06. Guns N' Diamond
07. ROCK THE BOAT
08.ココ☆ナツ
09. サラバ、愛しき悲しみたちよ
10. 愛を継ぐもの
11. 孤独の中で鳴るBeatっ!
12. ツヨクツヨク
13. HAND
14. なんとなく最低な日々
15. 未来へススメ!
16. ニッポン笑顔百景
17. MYSTERION
18. momo
19. ロードショー
<アンコール>
20. Believe
21. Hanabi
22. 労働讃歌
23. 吼えろ

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