yamaとmol-74のツーマンライブ「ライブナタリー “yama × mol-74”」が8月15日に東京・渋谷CLUB QUATTROで開催された。
先攻で登場したmol-74はゆったりとしたリズムの「瞼」でライブの幕を開け、武市和希(Vo, G, Key)の透明感あふれる高音の歌声で会場を包んでいく。続けて観客の手拍子を誘うキャッチーなナンバー「Renew」「Replica」を披露し、オーディエンスの熱気を徐々に高めていった。このライブでyamaと初競演となるmol-74は「今日僕たちのライブを観るのが初めましての方もたくさんいらっしゃると思います。yamaさんと音楽ジャンルは違うかもしれないけど、絶対につながっている部分があって。今日それを僕たちが音にして皆さんを包み込もうと思います」と客席に語りかけ、yamaがファンクラブ限定の配信ライブでカバーしたというmol-74との縁をつないだ楽曲「エイプリル」を丁寧なアンサンブルで届けた。
「エイプリル」を歌い終えた武市は、初めて触れたyamaの楽曲が「春を告げる」で、「やわらかいのに芯があって、心の奥まで届くようなすごくすてきな声」という印象だったと当時を回想。「まさかこういう形で競演できるとは思ってもみなかった。すてきな縁をつないでもらってありがとうございます」と感謝の気持ちを述べ、「春を告げる」のワンフレーズをサプライズでカバーした。その後、アップテンポな「%」「Teenager」を畳みかけ、ひとしきり盛り上げたmol-74は「すごく楽しかったです。温かく迎えてくれた皆さんにも拍手!」と語り、「最後に僕たちなりの一番ロックな曲を」と「Saisei」を力強く演奏してyamaへとつないだ。
mol-74のバトンを受け取ったyamaは、CESAR(G)、勝矢匠(B)、Takumadrops(Key)、エノマサフミ(Dr)というバンドメンバーとともにステージに登場。1曲目「a.m.3:21」の歌い出しでトラブルがあり、2回歌い直すハプニングがあったyamaは「こういうトラブルはライブらしいですね」とはにかみながら、「実は初めて有観客ライブをしたのがこの渋谷CLUB QUATTROで、そのときはライブがこわくてずっと下を向きながら歌っていたんだけど、今日は絶対みんなのことを見て楽しみたいと思ってここに来ました」と思いを明かしたのち、まっすぐに伸びる歌声で「a.m.3:21」を熱唱した。さらに「春を告げる」「あるいは映画のような」という軽快でダンサブルな2曲を歌い、序盤から観客を躍らせていた。
MCではmol-74がサプライズで「春を告げる」をカバーしたことに対し、「まさか歌ってくれるとは思っていなくて、本当にサプライズでうれしかったです」と喜んだと同時に「やり返したいなと思っちゃって」と言ったyamaがmol-74の「エイプリル」をギターに乗せてカバーし、観客を大いに沸かせた。その後もyamaは8月31日リリースのニューアルバム「Versus the night」に収録される新曲「ライカ」、川谷絵音提供の「スモーキーヒロイン」、キーボードとボーカルのみのしっとりとした「真っ白」を歌唱し、楽曲の持つ世界観にオーディエンスをぐんぐん引き込んでいく。クライマックスではyamaが「過去イチ温かい曲」と紹介した、映画「線は、僕を描く」の主題歌として話題の「くびったけ」や、TOOBOEとの新旧タッグ曲「桃源郷」「麻痺」を次々に披露した。最後にyamaは「去年のステージで『どうしてもっとみんなの顔を見て言葉を伝えられなかったんだろう』とすごく悔しい思いをしてきたんですけど、今後はそんなことがないように、今思っていることをちゃんと伝えて悔いが残らないようにこの空間を大事にしていきたい」と正直な気持ちを吐露し、「この曲を聴いて笑って終わってください」と「世界は美しいはずなんだ」を歌い上げてライブの幕を閉じた。
「ライブナタリー “yama × mol-74”」2022年8月15日 渋谷CLUB QUATTRO セットリスト
mol-74
01. 瞼
02. Renew
03. Replica
04. ミラーソング
05. Answers
06. エイプリル
07. %
08. Teenager
09. Saisei
yama
01. a.m.3:21
02. 春を告げる
03. あるいは映画のような
04. ライカ
05. スモーキーヒロイン
06. 真っ白
07. くびったけ
08. 桃源郷
09. 麻痺
10. 世界は美しいはずなんだ