松村北斗(SixTONES)、野田洋次郎(RADWIMPS)、陣内一真が本日10月25日に東京都内で行われた映画「すずめの戸締まり」の完成報告会見に出席した。
「すずめの戸締まり」は日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる“扉”を閉めていく旅をする少女・すずめの成長を描く冒険物語。すずめと旅をする“閉じ師”で、ある出来事をきっかけに“すずめの椅子”に姿を変えられる青年・宗像草太を松村が演じる。主題歌はTikTokで人気を集めるシンガーの十明が参加したRADWIMPSの新曲「すずめ feat.十明」。RADWIMPSは陣内との共作で、劇伴も担当している。
会見では松村、野田、陣内に加え、声優キャストの原菜乃華、染谷将太、伊藤沙莉、花瀬琴音、監督の新海誠がステージ中央に設置された“扉”から登場。完成した作品を鑑賞した松村は「作品の持つ力が強くて熱が抜けないですね。そういう熱が心地いい映画だと思っています。魅力的なシーンを挙げていったらキリがないんですけど、観終わったあとに思ったのは、何度も笑って何度も涙が出たということ。こんなに笑いの感性に幅があったんだな、こういうところで涙が出るんだなと気付きました」と感想を口にした。RADWIMPSが新海監督作品の音楽を手がけるのは「君の名は。」「天気の子」に続き3回目。野田は「先日、仕上げのダビングステージをやったばかりなので、皆さんに届けられるのはうれしいです」と喜びをあらわにし、新海監督作品に初参加だという陣内は「スリリングな制作を楽しみながらやらせていただきました」と感想を述べた。
また新海監督は野田や陣内とのタッグについて「脚本を書き終わったあとに、誰かの感想が欲しいなと思ったんです。洋次郎さんに送ったら、数カ月後に音楽という形で感想が戻ってきて。洋次郎くんと一緒にやるのは3回目なので、『違う人の力も借りたいね』と話していて、陣内くんの音を聴いたら『僕たちにはない音だな』と思って声をかけました」と明かし、オファーを受けた陣内は「これまで関わってきた作品とひと味違うテイストの作品だったので、こちらに声をかけていただいたのかなという気持ちがありました。かなり緊張感があったんですけど、少しずつ自分にもできることがあるんじゃないかなと思いながら作りましたね。作曲しながらうるっとしたこともありました」とコメント。野田は「まず制作にあたって役割を分担して、それぞれ必死に新海誠という鬼コーチの1000本ノックを受けているような感覚で。今回は陣内さんという心強い同志も作っているんだなという気持ちでうれしくなりました。陣内さんの譜面を見たときに刺激を受けて、ものすごい大きな学びがありました。音楽的な喜びを味わえましたね」と制作を振り返った。さらに「映画が完成する最後の数週間は新海監督が弱々しくなった大臣みたいに背中が小さくなって、戦っている勇者のような姿そのもので。力を振り絞って作っているように見えました」と現場での新海監督を語り、「監督が込めてきた感情がすべてスクリーンに出ているように感じました。日本のエンタメど真ん中に届けるんだというものすごい信念も感じて。自信を持って『すべての人に観てほしい』と言えますし、誇らしく思っています」と言葉に力を込めた。
アフレコの話題になると、新海監督は原と松村を見ながら「現場の雰囲気はサマーキャンプみたいでしたよね。最初に僕が設計したものがカラフルに塗り替えられていく。それを毎回感じられて素敵な時間でした」とコメント。本作が声優初挑戦となった松村の変化について「北斗くんの声を一緒に探していこうと思いながら現場にいて、あるときから、映画のために自分自身を丸ごと委ねるモードに切り替わって、より草太になっていました」と明かした。新海監督の言葉を受けて松村は「個人的な話になっちゃうんですけど、今27歳ですっかり大人というか。年々自分でできること、戦えるものを身に付けなきゃいけないと思っていて。人に頼ることをなくさなきゃいけないという使命感に駆られることがあるんですけど、アフレコ期間中はすべてを監督に委ねて、全力で立ち回ったんですね。必死に生きる方法を新たに見つけられた気がします」と作品への強い思い入れを口にした。
アフレコ現場を見学した野田が「クライマックスの重要なシーンで難しい場面だったと思うんですけど、原さんから“最後のひと踏ん張り”をやっているんだなという気迫を感じて感動しました。アフレコ現場では新海監督はいつも以上に楽しそうでしたね」と言うと、新海監督は「アフレコ現場は僕にとって学校の中の保健室みたいな場所でリラックスできましたね」と笑顔に。会見の最後には登壇者を代表して新海監督が「まずはエンタメを楽しんでください。今一番面白い映画かもしれないので、楽しんでいただきたいです」と作品を楽しみにするファンに向けてメッセージを送った。「すずめの戸締まり」は11月11日に全国公開される。
(c)2022「すずめの戸締まり」製作委員会