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DECO*27「Cherry Pop」しぐれういverも話題 / SixTONES「Stargaze」の男くさい青春の輝き

再生数急上昇ソング定点観測
7分前2025年08月08日 9:05

YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週イチ連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで7月25日から7月31日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。

文 / 真貝聡

まずはこの週の初登場曲の振り返りから

今週のYouTubeのミュージックビデオランキングは、8位にLiSAの「残酷な夜に輝け」、10位にAimerの「太陽が昇らない世界」が登場し、公開中の映画「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」のダブル主題歌が上位にランクインする結果となった。

34位には宝鐘マリンの「スキスキDieスキ超Ayeシテル」が登場した。これは去年10月にリリースされた1stアルバム「Ahoy!!キミたちみんなパイレーツ♡」の収録曲。MV公開時に宝鐘マリンがX(Twitter)で「幽霊船戦の可哀想だったマリンも楽しそうでよかったな!」とポストしたように、楽曲単体として楽しめるだけでなく、「幽霊船戦」「マリ箱(I’m Your Treasure Box)」に続く3部作の完結編として見ることで、その魅力をより深く堪能できる。

38位にはTWICEの「ENEMY」がランクインした。8月27日にリリースされる6th アルバムの表題曲で、“何度挫けても、何度だって立ち上がる。いつだって越えなければならない壁は自分自身”というメッセージが込められたエールソングに仕上がっている。

話題の映画主題歌、Vtuber、ガールズグループなど幅広い楽曲が並んだ今週は下記の3曲をピックアップする。

DECO*27「Cherry Pop」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場7位

DECO*27の「Cherry Pop」が7月25日のMV公開から10日間で350万再生を達成し、日の出の勢いを見せている。

この曲は他人からの愛情を欲して、強く求められたいと願う主人公“あたし”の心情を表した楽曲だ。「あたし一等賞がほしいのよ / 二番なんて望んでない」と歌われる1番になりたい気持ちと、「サイコ? サイコはどっちどっち / おまえのことは顔しか 信じらんない!」という自分を愛さない相手を逆恨みする描写、「一生ぼっち 好意ありがとさん」という孤独感を描いたフレーズから推測するに、あたしは“愛されたい症候群”であることが読み取れる。ヤンデレ女性を全面に出しながらも、サウンドでポップに昇華しているところにDECO*27のソングライティングの高さを感じる。

今作にイラストを提供したのはしぐれういで、彼女はコーラスとしてもこの曲に参加している。8月1日にはしぐれういが歌い、イラストを自ら描き直したある種のセルフカバー的な動画も公開され、こちらもヒット中だ。

しぐれういによるカバーのYouTubeのコメント欄では「元のチェリーポップのサムネのミクは少しムスッとした表情だけど、これはちょっとドヤ顔してて両方ともとても好き」「ミクの方は結構余裕のあるお団子だったけど、こっちのは必死こいて何とか作ったお団子感があって良い」など、オリジナルとカバーを比較して楽しんでいる声が多く上がっている。

SixTONES「Stargaze」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場32位

SixTONESが9月10日にリリースする16th シングルの表題曲「Stargaze」は、彼らがパーソナリティを務める日本テレビ系「第45回全国高等学校クイズ選手権 高校生クイズ2025」の応援ソング。作詞、作曲、編曲は野田洋次郎(RADWIMPS)が担当した。

野田のコメントによると、以前から楽曲提供のオファーはもらっており、自身の中で胸を張ってメンバーに渡せる曲が書ける機会を探っていたとのこと。そして「今だ」と思い、形にしたのが「Stargaze」。この曲はSixTONESの歴史や、メンバー同士の関係性などを掘り下げながら、これまで歩んできた道のりやこの先の物語を想像して制作したそうだ。また、「高校生クイズ」のタイアップということも加味して、勝負の瞬間や仲間との大舞台をイメージしながら曲を書き上げたという。

ノイズが混じった浮遊感のある3連符のメロディは聴き手に没入感を与える。その一方で「俺どこまで行けば『たどり着いたぜ』 / なんて言えるかね まぁ 今は見当もつかねぇ」で始まる歌詞には、北野武の名作「キッズ・リターン」のような男くさい青春ときらめきを感じて、自然と胸が熱くなる。筆者はSixTONESに対して、かねてから梅澤春人のマンガ「BØY」のようなスタイリッシュでアウトローな雰囲気を感じていたのだが、「Stargaze」を聴いたことで、その印象がさらに強くなった。

このMVを皮切りに、前作シングル「BOYZ」のカップリングに収録されているメンバー全員のソロ曲のMVも公開されており、YouTubeのウィークリーMVランキングにはそのうち高地優吾の「にたものどうし」が77位に、松村北斗の「憧憬のアーチ」が83位にランクインしている。この2曲は陰と陽のような対照的なアプローチで、改めて彼らの音楽性の幅広さと表現力の多彩さに感動を覚える。

※高地優吾の高は、はしごだかが正式表記。

せなすけ「このサメ飼ってもいい?」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場70位

せなすけは大阪出身の女性シンガーソングライター。プラモデルの筆塗りペインターとしての顔も持っており、2017年に模型誌「月刊ホビージャパン」にてライターとしてデビューした。自身のYouTubeチャンネル「せなすけの模型」では、片桐仁の粘土作品にせなすけが筆塗りをするコラボもたびたび行われている。

そんな彼女は喉の不調により音楽活動を休止していたが、2022年5月に1stシングル「every moment」で再始動。しかし2023年12月に過緊張性発声障害を発症し、活動を再び休止する。満足に歌うことができない中、新たな表現としてボーカロイドに挑戦した彼女は、6月25日に初のボカロ曲「このサメ飼ってもいい?」のMVを投稿。すると公開から1カ月で180万再生を達成し、いきなりの大ヒット。リミックスなどを含めた総再生回数は、9200万再生超という驚異的な数を記録した。

「あのねママ サメ飼ってもいい?」という、母親にサメを飼いたいと懇願する少女(初音ミク)の声から始まるこの曲。サメを飼うことのメリットを「散歩していてオシャレだし、この子がいれば勉強も捗る」などと、必死に説明する様子がなんともかわいらしい。後半には「同じクラスのせなちゃんも / 最近サメを飼ったらしい」と驚きの告白が飛び出すなど、物語の続きが気になる歌詞が印象的だ。

また、同曲の前日譚と思われる「こんなところにサメ」も7月11日に公開され、約3週間で27万再生とこちらも話題を集めている。

せなすけはX(Twitter)で、過去に「音楽の才能ないよ」「いつ音楽活動やめるの?」といった辛辣なDMが届いていたことを告白している。批判を浴びながらも音楽をあきらめなかったことで、「このサメ飼ってもいい?」をきっかけに彼女の音楽人生に光が差した。そして現在、Xにて「今は…多くの方に私の音楽作品を聴いていただけてあなたの曲が大好き!と言っていただけてめちゃくちゃ嬉しいです これからも頑張ります…」と、せなすけはあふれる喜びを言葉にしている。彼女が今後どんな曲で我々を驚かせてくれるのか楽しみだ。

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