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xiangyu単行本デビュー作「ときどき寿」発売、横浜のドヤ街で出会った76歳の親友との交友録

xiangyu
1年以上前2022年11月25日 3:05

xiangyuの単行本デビュー作「ときどき寿」が本日11月25日に小学館より発売された。

本作はカジュアルファッションマガジン「Maybe!」での連載エッセイ「寿日記」をまとめ、大幅に加筆したノンフィクションルポエッセイ。6年前、xiangyuが神奈川・横浜のドヤ街・寿町で出会い、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の再放送を一緒に観るほどの親友になった76歳のヤマさん(仮名)との交友を中心にしつつ、寿町での暮らしや住人たちの実情、そして町に溶け込むことのできたxiangyu自身の過去や日常が描写されている。

出版を記念して本作を原案とする映画「ほとぼりメルトサウンズ」が本日11月25日から12月1日まで東京・アップリンク吉祥寺で上映され、2023年1月22日には発売を記念したイベントが東京・青山ブックセンター本店で開催される。また単行本発売にあたって、いとうせいこう、食品まつり a.k.a foodman、鈴木慶一、ぷにぷに電機、吉田靖直(トリプルファイヤー)らがコメントを寄せている。

浅生鴨 コメント

使命感、ゼロ。先入観、ゼロ。ラフでタフな好奇心が彼女を現場へ連れて行く。
ホームレスの人たちとのつきあい方は、けっこう難しい。良かれと思ったことが、相手にとっては大きな負担になる場合もある。人と人とのつきあいだから正解なんてないのに、ともすれば僕たちは正しいやり方を探してしまう。そんな現場で、xiangyuはひたすら話を聞く。ときには、大人の僕から見ると、これは危なっかしいぞとヒヤヒヤさせられるような聞き方も交えながら、それでも彼女は話を聞く。そうやって、ついウェットになりがちなドヤ街の話を、踏み込みすぎず、偏りすぎず、これでいいのかと迷いながら、xiangyuは自分自身と重ねていく。
僕たちが誰かとつながるためには、相手を知るしかない。何度も出会い、話すことを繰り返して、ようやくほんの少しだけ相手のことがわかってくるのだし、自分のこともわかってもらえるのだ。きっとxiangyuはそれを知っているのだろう。彼女が寿町のドヤ街の中に、小さな居場所を見つけたとしたら、ドヤ街に住む人たちもまた、彼女の中に小さな居場所を見つけている。そうやって僕たちはつながっていくのだ。
勢いのある話し言葉で書かれたこの本を読みながら僕は、「それでね、そのとき私はこう思ったんだ」と彼女が目の前で話してくれているような気がしていた。

いとうせいこう コメント

シャンユー、ドヤ街に通う。ひとりの人として。この力の抜け方が誠実さそのもの。

食品まつり a.k.a foodman コメント

シャンユーちゃんと寿町の人たちの交流の中での気づきにハッとさせられるところがいくつもありました。読み終わったあとじんわりときます。一人行動が好きな人に読んでほしい内容です。

鈴木慶一 コメント

xiangyuが興味を持ったこと、東かほり監督が興味をもったこと、そして私が映画の台本を読んで興味を持ったこと、そして映画が作られたこと、そのすべてがこの本に詰まっています。
始まりはこの本、xiangyuのルポルタージュです。自分の居場所や着地点ほどわかりにくいものは無い。決定も出来ない。動いていれば、ヤマさんじゃないけれど、今が一番楽しくなる。
所や点なんて年がら年中移動するんものなんだなと、この本を読んで再確認しました。実に歯ごたえのあるルポ、文章、xiangyuの友達、寿町。
子供の頃、大田区の海沿いで育った私はおふくろに、寿町、黄金町、日ノ出町は行くな、と言われていました。でも生まれたところとそんなに大差ない。ただ子供の歯では噛みきれない町なんだろうな。それを咀嚼したxiangyu、見事です。きっと血や肉が寿になっているでしょう。

蓮沼執太 コメント

xiangyuという世界に住んでいるアユが教えてくれた、寿町で出会った人々と場所の記録。真っ直ぐなアユの視点が、あたたかく友達と寿を見つめる。一気に読んじゃった。xiangyuありがとう!

ぷにぷに電機 コメント

なにかと境界線を引かれがちな今日で、遠いようで近く、近いようで遠いふたりの日々はそれらを颯爽と飛び越え混ざり合っていく。
xiangyuちゃんの描く愛しい「せいかつ」のディテールは、音楽になっても、エッセイになっても私を魅了してくれます。

丸山健志 コメント

なんだか救われました笑
心地よく生きていくヒントがここに詰まってます。

吉田靖直 コメント

寿町のことは関東では有名なドヤ街として名前は知っていた。興味を惹かれる部分がありつつも別に行く用事はなく、怖いもの見たさのような動機で訪れるのも気が引けて、いまだ一度も足を踏み入れたことはない。
この「ときどき寿」を読むと、寿町の特殊さよりも、どこの街であろうと変わらない生活の営みみたいなものの方が印象に残った。人はよく知らないものに勝手に恐れを抱いたり面白がったりする。知らない街を知るということは、そこが思っていたほど特別な場所ではない、と気づいていくことなのかなと思った。途中からはもう普通に友達に会うために寿町へ行っている感じが好きでした。

「ときどき寿」発売記念 書店イベント

2023年1月22日(日)東京都 青山ブックセンター本店

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