accessの30周年アニバーサリーツアー「primitive heart」の東京公演がデビュー30周年記念日である11月26日に東京・立川ステージガーデンで行われた。
浅倉大介(Key)が本ツアーのために作曲した重厚な序曲が流れると、闇の中に30th Anniversaryのエンブレムが浮かび上がる。序曲が第2楽章に移り変わるとカウントダウンが進み0で場内が暗転。次の瞬間、ステージ中央に強い光が集まりaccessが登場した。オープニングナンバーは30年前のこの日に発売されたデビュー曲「VIRGIN EMOTION」。2人のうしろのスクリーンには2つの大きな歯車の映像が映し出される。ファンの間で伝説になっている、デビュー前日の1992年11月25日に東京・原宿ルイードで行われたライブでも、彼らのうしろには2つの大きな歯車が映写されていた。ライブの冒頭から、ツアータイトルに込めた“初心”を表現したビジュアル演出が展開された。
1曲目が終わると、いきなりMCが始まる。accessの通常のライブでは異例の構成だ。続く2曲目は11月5日に配信されたばかりの新曲の“ベータ版”「新曲M-1」。デビュー曲の次に最新曲を届けるという意表を突いた展開で2人はオーディエンスを一気に引き込んでいく。中盤ではaccessの代名詞でもある四つ打ちのナンバーが次々と届けられていった。このパートでは、レアな楽曲も演奏され会場に詰めかけたファンを喜ばせた。
15分の休憩をはさみ後半がスタートする。目玉はシングルメドレー。配信も含め、すべてのシングル曲をコンプリートした約40分の壮大なセットに場内が沸く。ここでも2人はツアータイトルに込めた思いを体現すべく、音色やアレンジはほぼオリジナルのままで楽曲を演奏し、30年の歩みを完全再現してみせた。浅倉は鮮やかなスキルでシングル曲を違和感なくつないでいき、一方の貴水博之(Vo)は約40分のノンストップメドレーを歌い切り圧倒的なパフォーマンスでオーディエンスを魅了した。
アンコールでステージに登場した2人は、ライブでお馴染みのナンバーを2曲パフォーマンス。演奏後には、デビュー日=誕生日を祝うケーキを前に笑顔で記念撮影を行った。浅倉と貴水は「マスクはそのまま、そっとでいいから、おめでとうって声を聞かせて」と、オーディエンスにリクエスト。ささやかな「おめでとう」がステージを包むと、浅倉が思わず目頭を押さえるひと幕もあった。本ツアーは今後、東京、兵庫、愛知で残る3公演が行われる。
access 30th Anniversary TOUR 2022 primitive heart(終了分は割愛)
2022年12月2日(金)東京都 中野サンプラザホール
2022年12月11日(日)兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール
2022年12月17日(土)愛知県 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール