6月2日に公開される映画「怪物」の音楽を坂本龍一が担当する。
「怪物」は「万引き家族」「ベイビー・ブローカー」で知られる監督・是枝裕和と、映画「花束みたいな恋をした」やドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」などの脚本を手がけてきた坂元裕二がタッグを組んで制作するオリジナル映画。キャストには安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、角田晃広(東京03)、中村獅童、田中裕子といった面々が名を連ねている。
映画に書き下ろし曲を2曲提供した坂本は「難解なテーマの映画にどんな音楽をつければいいのだろう。救いは子供たちの生の気持ち。それに導かれて指がピアノの上を動いた。正解はない」とコメントしている。なおYouTubeでは坂本が手がけた楽曲の一部を聴くことができる映画の特報映像を公開中。
坂本龍一 コメント
「怪物」
怪物と言われると誰が怪物なんだと探し回ってしまうんだが、それはうまくいかない。誰が怪物かというのはとても難しい問いで、その難しい問いをこの映画は投げかけている。
さて、その難解なテーマの映画にどんな音楽をつければいいのだろう。救いは子供たちの生の気持ち。それに導かれて指がピアノの上を動いた。正解はない。
今回残念ながらスコア全体をお引き受けする体力はなかった。監督からのたってのご所望でピアノ曲2曲を提出した。新しいアルバム「12」からの曲や、古い曲を使って全体を構成してくださった。
是枝監督 コメント
坂本龍一について
長年の念願が叶ってようやくコラボレーションが実現しました。撮影中も編集中もホテルの部屋で坂本さんの音楽をかけながら作業をしていたので正直お引き受け頂けなかったら途方に暮れていたと思います。歓喜、しています。
キャストについて
安藤サクラさん、永山瑛太さん、田中裕子さん、こんなキャスティングが実現したらいいですね、と坂元裕二さんとワクワクしながらお話した通りのキャストが出演してくれました。身震いしました。
安藤サクラさんは「万引き家族」に続きまして、2作目のお付き合いでしたが、前回とはまた全く違う凄みのある役を見事に体現していただきました。
永山瑛太さんは初めての出演でしたが坂元裕二さんが瑛太さんに当て書きした役でもあり、もう彼以外ではあり得ない妙な、しかし、愛すべき人物に仕上がっております。
田中裕子さんは、実は学生の頃に一度だけお会いしたことがあり、映画はもちろんですが、久世光彦さんと組まれたドラマの大ファンだったのでプレッシャーでしたが、至福の時間でした。怪物でした。
主役の2人の男の子はオーディションを重ねて選ばせて頂きました。黒川さん、柊木さん、ふたりとも抜群でした。顔立ちも個性も全く違うのですが、撮影中見事な化学変化を作品にもたらしてくれたと思います。将来が楽しみです。
高畑さん、獅童さんは以前ご挨拶をさせていただいてまして、いつか、とお約束していたのでこの作品で実現して良かったです。
角田さんは、元々ファンでしたが「大豆田」でお芝居を拝見して、更にファンになり、お願いしました。登場しただけでちょっと微笑んでしまうんですが、素晴らしい存在感でした。