10月13日に劇場公開およびデジタル配信される映画「くるりのえいが」の予告映像、メインビジュアルが公開された。
「くるりのえいが」は、くるり初となるドキュメンタリー映画。岸田繁(Vo, G)と佐藤征史(B)が2002年にバンドを脱退したオリジナルメンバー・森信行(Dr)を迎え、静岡・伊豆スタジオで10月4日発表のニューアルバム「感覚は道標」を制作する過程を追いかけた作品となっている。今回解禁されたメインビジュアルは、ひさしぶりに集まった3人を伊豆スタジオ前で撮影した1枚。撮影は佐内正史、デザインは服部一成が担当した。
岸田の「“くるり”が“くるり”になるための曲を今回作る」というのひと言から始まる予告映像は、3人が伊豆スタジオでアルバム制作に取り組む様子やインタビュー、オリジナルメンバーで活動していた当時の懐かしい映像などで構成されている。なおこの予告編には、くるりが6月に配信リリースしたばかりの最新曲「In Your Life」が使用されている。
また今回の発表と合わせて、オリジナルメンバー3人のコメントも到着した。
くるり コメント
岸田繁(Vo, G)
くるり結成後数年、志半ば。オリジナル・メンバーである森信行と袂を分かつことになったのは2003年頃。その後現在に至るまで、くるりは長い時間をかけてそのスタンスを変えていくことになる。
長きにわたり随分と遠くまで旅を続けていた。
直感を頼りに引き寄せられた伊豆スタジオ。私たちにとって最高の環境だった。
大人になって随分経つ私たちは、お互いの才覚や意思をきめ細やかにフックアップしていけるようになったような気もするし、相変わらず人間として全く噛み合わない部分も少なくない。家族とも恋人とも、仕事仲間や友人とも違う、不思議な集合体。謎の結晶。それが私にとってのくるりだ。予定調和という名の「退屈」はこのバンドには全く似合わない。
思い返す限り、この3人で音楽を作っているとき、私は退屈な思いをしたことがない。今も相変わらず、変人の集まりでしかない。お互いそう思っていることだろう。
この会話もままならない3人は、音楽を通してコミュニケーションを取っているかのようにみえて、超自然体であるお互いとの距離の取り方がとにかく絶妙なのである。
佐藤征史(B)
伊豆スタジオには窓がある!
そんな単純な理由でこの映画の舞台は決まりました。天気の変化や、時間の経過がわからない場所で煮詰まるのがほんとに嫌いなんです。
そう、バンドのドキュメンタリーといえば、メンバー同士のあれこれやどれそれを期待されているかも知れません。しかしこの映画はくるりのオリジナルメンバー3人が集まり、楽曲がいかに生まれ、どう成長し、みなさまの元に届くかを追ったドキュメンタリーです。
くるりとはどういうバンドなのか、曲作り、レコーディングを経て、たくさんの事を知っていただけると思います。そして、くるりを好きになっても、嫌いになっても、この映画で生まれた音楽がみなさまの特別な一曲になってくれれば幸せです。
森信行(Dr)
くるりを脱退してから、ライブ、レコーディングは何度か一緒にやってましたが、新しい曲のレコーディングをしたことは一度もありませんでした。そんな日がくるといいなぁとぼんやり思っていましたが、まさか一緒にレコーディングのドキュメント映画を撮ることになるとは! 正直戸惑いや不安もありましたが、いざ始めてみると、とても刺激的で楽しい毎日でした。曲が生まれる瞬間から徐々に構築して完成していく過程は、この三人でしか得られない不思議な喜びに満ち溢れていました。
20年ぶりに三人の直感で紡いだ音が、みなさんにどう響くのか本当に楽しみです!