「KCON LA 2023」が、アメリカ・ロサンゼルスのCrypto.com Arenaとロサンゼルス・コンベンションセンターにて現地時間8月18日から20日にかけて開催された。本稿では、DAY1である18日公演の模様をレポートする。以下、ネタバレが含まれているため、KCONオフィシャルYouTubeチャンネルでアーカイブの視聴を予定している人はご注意を。
DAY1公演には、CRAVITY、IVE、NMIXX、SHOWNU X HYUNGWON(MONSTA X)、SHINeeのテミン、NCT 127のテヨン、WayVの全7組が出演。「KCON」のオープニングの恒例となりつつある、同イベントのシグネチャーソング「POPPIA」のパフォーマンスはWayVが担当し、華やかにイベントを幕開けした。またこの日のMCは“K-POP第4世代”のトップスター・IVEのウォニョンが務め、ネイティブと見紛うほどの流暢な英語で進行役を全うした。
NMIXX
「KCON LA 2023」トップバッターを務めたのはJYPエンタテインメントの期待の新星・NMIXX。6人は、7月リリースの最新曲「Party O'Clock」「Roller Coaster」という夏に相応しい2曲を携え「KCON」のステージを彩った。彼女たちがロサンゼルスを訪れるのは、今年5月のショーケースツアーでの公演以来およそ3カ月ぶり。曲間のMCではベイが「メルローズアベニューやファーマーズマーケットでショッピングをしましたね」と、現地にまつわる思い出を振り返るひと幕もあった。
なおNMIXXは、のちの「Z世代 POPスペシャル」と題したカバーステージのコーナーにも登場した。本ブロックで6人は事務所の先輩・TWICEの全編英語詞の楽曲「The Feels」をカバー。歌、ダンス、ラップ、表情管理のすべてに長けたパフォーマンスを展開し、“第4世代”きっての実力派グループとしての矜持を見せた。
CRAVITY
CRAVITYが「KCON LA」のステージに立つのは、昨年に引き続き2度目。前回、生まれ育った故郷への凱旋の感慨を初々しく述べたアレンは、この日のMCでは「1年ぶりに帰ってきました! 僕の故郷・ロサンゼルスの皆さん、また会えてうれしいです!」とはつらつとした表情で会場を見渡し場内のボルテージを高める。その後もテヨンの「初めて僕たちを見るって人、どれくらいいますか?」という問いかけに反応した観客に向けて「ようこそ!」と手を広げアピールするなど、メンバーは堂々としたトークで観客との対話も楽しんだ。CRAVITYはグループが得意とする、聞く人が思わず体を揺らしてしまうようなパーティチューン「Groovy」、そして「Baddie」の2曲を軽やかに歌い踊って会場の熱気を引き上げた。
WayV
公演前に行われた「KCON」のレッドカーペットイベントにてシャオジュンが中国語、テンがタイ語、ヤンヤンが英語、ヘンドリーが広東語、ウィンウィンが日本語と、各メンバーがそれぞれ異なる言語で挨拶したことでも注目を浴びたWayV。残念ながらリーダー・クンを除く5人での参加となったが、欠員を感じさせない美しく隙のないパフォーマンスと親しみやすい朗らかなトーク、という相反する魅力を観客に届け、初の「KCON」で存在感を示した。
今回の「KCON」で、彼らは人気曲「Love Talk」のほか、最新カムバック曲「Phantom」の英語バージョンを披露し、グループの持ち味である高貴さ、上品さがあふれ出るステージを展開した。また5人はカメラに抜かれたKCON-ers(KCONファンの呼称)と同じ“愛嬌ポーズ”をするゲームコーナー「CCCV」にも挑戦。ヤンヤンとペアを組んだテンが、ゲームに参加する2人組のファンを探しながら「カップルを探さなきゃね!」とジョークを飛ばしヤンヤンをうろたえさせるなど、仲のよさがにじみ出るコミカルな応酬も繰り広げられた。
IVE
「Kitsch」のイントロが流れ彼女たちの登場が知らされると、会場からは大きなどよめきが。同時に、IVEの姿を自身のカメラに収めるべく多くのオーディエンスがスマートフォンをステージに向けた。本編中にリズとレイが客席エリアに登場した際には、周辺の観客が興奮のあまり軽いパニック状態に陥るなど、昨今のK-POPブームを牽引する人気の高さがうかがい知れる場面もあった。
ボブヘアだったガウルはロングに、明るい髪色が続いたレイは暗めのピンクへトーンダウンするなど、多くのメンバーがイメージチェンジをしてステージに立った。中でも大きな反響があったのは、金髪にヘアチェンジしたリズ。長らく黒髪で活動してきた彼女の、デビュー以来のブロンドヘアに会場は大きく沸き立ち、モニタに彼女が抜かれるたびにどこからともなく大きな歓声が起こる。そうしたKCON-ersからの熱烈なリアクションは、リズ本人も思わずトークを中断し照れ笑いを浮かべてしまうほどであった。IVEは、「Kitsch」「LOVE DIVE」のほか、アーティストとKCON-ersがステージ上でコラボパフォーマンスを披露する「Dream Stage」で最新曲「I AM」を披露し「KCON」での出番を終えた。
SHOWNU X HYUNGWON(MONSTA X)
7月25日、MONSTA Xの8年のキャリアの中での初となるグループ内ユニットとして、1stミニアルバム「THE UNSEEN」で“デビュー”したショヌとヒョンウォン。2人はZ字型のステージの両端からそれぞれ姿を現し、ヒョンウォンがプロデュース、ショヌが振付を手がけた同作のリード曲「Love Me A Little」でステージをスタートさせた。「ユニットとしてLAのファンの皆さんにお会いするのは初めてなので……」と言って始まったダンスゲームでは、TWICE「Alcohol-Free」、SEVENTEEN「HOT」、(G)I-DLE「TOMBOY」、IVE「After Like」といったヒットソングのカバーダンスを披露。課題曲の中にはMONSTA Xの人気曲「Shoot Out」もあり、他グループのカバー曲とは一味違うキレキレのダンスを見せ、会場にいるMONBEBE(MONSTA Xファンの呼称)の悲鳴を引き出した。
テヨン(NCT 127)
NCT 127のリーダーを務め、20人を超えるNCTの先頭に立つテヨンだが、今回はソロアーティストとして単身渡米。「僕1人で皆さんにご挨拶をするのはなんだか少し寂しいですね」と切なげに心境を吐露しつつ、「けど、こうして温かく出迎えてくださってありがとうございます」と英語で述べ、笑顔でKCON-ersに感謝した。
今年6月に「SHALALA」でソロデビューを果たした彼は、タイトル曲と同作の収録曲「GWANDO」をダンサーとともにパフォーマンス。また自身のソロステージに先んじて、WayV・テンとともに2人でステージに上がり「Baby Don’t Stop」も披露した。この曲は、2018年にNCT U名義で公開されたテヨンとテンのユニット曲で、5年が経過した今もなおファンの間で熱狂的な人気を誇る。レジェンドとの呼び声高い人気楽曲であるのにも関わらず、これまでなかなか披露されてこなかった背景もあり、サプライズでの“ベビドン”は現地の観客のみならずSNSでも大きな話題を呼んだ。
テミン(SHINee)
数々の人気アーティストが集う世界各国での「KCON」の中でも、特に豪華アーティストが集結することでも知られている「KCON LA」。今年も例外ではなく、出演者が発表されるたびにSNSが賑わったが、その中でも、SHINee・テミンの出演アナウンスは多くのKCON-ersを驚かせた。実際にパフォーマンス中はもちろんのこと、MC中も彼の一挙一動に対して会場から悲鳴に似た歓声が起こり、モニタには照れ笑いを浮かべるテミンの姿が何度も映し出された。
テミンが披露したのは、2017年、2020年、2021年にそれぞれ発表したソロ名義での楽曲「MOVE」「Criminal」「Advice」。長年のキャリアで磨き上げられた類稀なる表現力でカリスマの名にふさわしいステージを繰り広げ、華々しくDAY1のフィナーレを飾った。
「KCON LA 2023『DAY1』」2023年8月20日 Crypto.com Arena セットリスト
オープニング
01. POPPIA (LA 2023 Ver.) / WayV
NMIXX
02. Party O'Clock
03. Roller Coaster
CRAVITY
04. Groovy
05. Baddie
WayV
06. Love Talk
07. Phantom (English Ver.)
IVE
08. Kitsch
09. LOVE DIVE
SPECIAL STAGE
10. Baby Don't Stop / テヨン(NCT 127)&テン(WayV)
Z世代 POP スペシャル
11. The Feels(原曲:TWICE) / NMIXX
SHOWNU X HYUNGWON (MONSTA X)
12. Love Me A Little
13. WHO DO U LOVE?
テヨン(NCT 127)
14. SHALALA
15. GWANDO
DREAM STAGE
16. I AM / IVE
テミン(SHINee)
17. Advice
18. Criminal
19. MOVE
エンディング
20. Signature Song