ザ・リーサルウェポンズのライブイベント「地獄の国技館バトルロイヤル」が11月11日に東京・両国国技館で開催された。
過酷なバトルロイヤルの始まり
2年前の2021年11月、東京・新宿FACEにて音楽ライブとプロレスのバトルロイヤルを融合させたイベント「新宿バトルロイヤル」を行ったザ・リーサルウェポンズ。今回、アイキッドとサイボーグジョーは会場の規模を大幅にグレードアップし、熱気とカオスに満ちたこのイベントを再び企画した。2人は両国国技館の中央に設置されたリングを舞台に、花道を通って次々に入場してくるゲストたちと対決。最後までリングに立ち続けた者が勝利するという、過酷なバトルロイヤルに自ら身を投じた。
リングアナウンサーを務める鮫島一六三(BANBANBAN)に紹介されてリングに上がったザ・リーサルウェポンズは、普段のワンマンライブと同様に「80年代アクションスター」を1曲目に披露。ポンザー(ザ・リーサルウェポンズファンの呼称)とともに1980年代のハリウッドアクションスターの名前を連呼して会場のボルテージを高めたのち、カウントダウンを合図に登場するゲストたちをさっそく迎え討つ。ゲストとコラボして楽曲を披露し、曲が終わるといきなり乱闘を始めるという謎の展開でイベントが進行していくが、ポンザーたちはライブもプロレスも大いに楽しみ、終始大盛り上がり。「マハラジャナイト」ではアイキッドがギターからショルダーキーボードに持ち替え、Shinnosuke(ex. SOUL'D OUT)、テレビ番組「ゲームセンターCX」の放送作家・岐部昌幸とともに“ショルキー三銃士“を結成して会場を沸かせた。
上坂すみれ、眉村ちあき、ザコシら多彩なゲスト
「シューティングスターレディオ」の披露前には、同曲に客演として参加したスーパー・ササダンゴ・マシンが登場し、音源で自身のコーラスパートが大幅に加工されていたことにクレームを入れる。そして同じくこの曲にフィーチャリングゲストとして参加した宇多丸(RHYMESTER)のパネルをリング上に置くと、ザ・リーサルウェポンズと「シューティングスターレディオ」でコラボし、思う存分に野太い歌声を炸裂させた。昨年9月の東京・中野サンプラザホール公演に続いての登場となった上坂すみれは、ザ・リーサルウェポンズとのコラボ曲「ねこねこヘヴン」を歌唱。さらに“ロシアの怪僧”ラスプーチンに扮した人物を交えながら、アイキッドが上坂に提供した楽曲「快走!ラスプーチン」を勢いよくパフォーマンスした。
ライブとプロレス、両方を立て続けに行わなければならないアイキッドとジョーはすでに息を切らしていたが、その後も矢継ぎ早に入場してくる対戦相手と相まみえる。ポンザーが一斉に三三七拍子のリズムで手拍子をする「東海道中膝栗毛」にハローキティ、メガドライブのゲーム名を連呼する「夏の日のメガドライブ」に株式会社セガの社員たちが参加するなど、ゲストの顔ぶれは種々様々。多勢に無勢となったセガ社員との対決ではアイキッドが一度相手側に寝返るも、笑顔にあふれていたジョーとの過去の思い出が彼の心を食い止める。なんとかセガ社員をリングの外へ落とした2人は、さわやかなナンバー「ウェザーリポート」をデュエットし、無事に仲直りを果たした。
眉村ちあきも上坂と同じく中野サンプラザホール公演に続いての登場。“サイバー演歌”というオリジナルジャンルを謳った「サムライディスコ」でパワフルかつ伸びやかな歌声を目いっぱい響かせた。お笑いコンビ・NOモーション。が対戦格闘ゲーム「ストリートファイターII」のケンとエドモンド本田のモノマネで笑いを起こしたあとは、ザ・リーサルウェポンズの鉄板曲の1つ「昇龍拳が出ない」のパフォーマンスへとなだれ込む。引き続きリングに残った眉村、「ストII」のモノマネを繰り出し続けるNOモーション。とのコラボで、両国国技館にさらなる興奮と熱狂が渦巻いた。
マイケル・ジャクソンに捧げるゴスペルソング「キングオブポップ」で観客がスマートフォンのライトをそろって点灯させるエモーショナルな場面も挟みつつ、「地獄の国技館バトルロイヤル」はいよいよクライマックスへと突入。「さよならロックスター」のミュージックビデオに出演したハリウッドザコシショウがタイガーステップを踏みながら登場すると、客席から大きな歓声が沸き起こる。ザ・リーサルウェポンズが「さよならロックスター」をパフォーマンスしている間、ザコシはリングの上を所狭しと動き回りながら、MVと同様に小ネタを連発して喝采を浴びた。
最後の対戦相手は
ザコシがこのイベント最後のゲストかと思われたが、彼が華々しく退場したあとにもう1人対戦相手がリングへ。過去にライブやMVへの出演、グッズでのコラボなども行ってきた、ザ・リーサルウェポンズと何かとゆかりの深い獣神サンダー・ライガーだ。アイキッドとジョーは獣神サンダー・ライガーとともに、1994年に行われた興行「SUPER J-CUP」「BEST OF THE SUPER Jr.」の激闘について歌った「94年のジュニアヘビー」をパフォーマンスするも、その後のプロレスでは圧倒されるばかり。2人はリングから落ちそうになるも、そこにここまでザ・リーサルウェポンズと対戦してきたゲストたちが駆けつけ、一丸となって獣神サンダー・ライガーをリング外へ押し出すことに成功した。
この対決に勝利したことにより、ザ・リーサルウェポンズは「新宿バトルロイヤル」で獲得した王座の防衛に成功。ゲストたちを交えつつラストにキラーチューン「きみはマザーファッカー」を披露し、会場にいる全員で“F”から始まる4文字を両国国技館に轟かせた。
なお、終演後にはザ・リーサルウェポンズの東名阪ツアー「HAPPY NEW YEAR TOUR」が2024年1月から2月にかけて開催されることがアナウンスされた。このツアーではメンバーから来場者にお年玉がプレゼントされる。
セットリスト
ザ・リーサルウェポンズ「地獄の国技館バトルロイヤル」2023年11月11日 両国国技館
01. 80年代アクションスター
02. ポンズのテーマ
03. シェイキン月給日
04. マハラジャナイト
05. シューティングスターレディオ
06. 毎日楽しい1週間
07. ねこねこヘヴン
08. 快走!ラスプーチン
09. 東海道中膝栗毛
10. 夏の日のメガドライブ
11. ウェザーリポート
12. ボウズ
13. サムライディスコ
14. 昇龍拳が出ない
15. ホッピーでハッピー
16. キングオブポップ
17. デンジャーゾーン
18. さよならロックスター
19. 94年のジュニアヘビー
20. きみはマザーファッカー
ライブ情報
HAPPY NEW YEAR TOUR
2024年1月20日(土)東京都 LIQUIDROOM
2024年2月8日(木)大阪府 FANJ twice
2024年2月9日(金)愛知県 CLUB UPSET
撮影:片岡光正、池澤健太郎、村上拓也、進藤逸仁