JOYSOUND 音楽ニュース
powered by ナタリー
「JOYSOUND X1」公式サイト「ジョイオンプー」LINEスタンプ販売中

Petit Brabanconが凶暴性をあらわにしたカオスな狂宴「EXPLODE -02-」

「Petit Brabancon EXPLODE -02- Neglected Human 」の様子。
11か月前2024年01月06日 9:06

Petit Brabanconがライブ「EXPLODE -02-」の東京公演を、1月2、3日にLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)にて行った。この記事では「Neglected Human」と銘打たれた3日公演の模様を紹介する。

2021年12月に突如として結成が発表され、同年末に東京・日本武道館で行われたライブイベント「JACK IN THE BOX 2021」でお披露目されたPetit Brabancon。メンバーの京(Vo / DIR EN GREY)、yukihiro(Dr / L'Arc-en-Ciel)、ミヤ(G / MUCC)、antz(G / Tokyo Shoegazer)、高松浩史(B / The Novembers)は個々のバンドやプロジェクトでの活動と並行してPetit Brabanconとしてのリリースやライブを重ね、鮮烈な存在感を放ってきた。東京と大阪にて計4公演行われる「EXPLODE -02-」は全公演コンセプトもセットリストも異なる企画色の強いライブ。「Neglected Human」もメンバーそれぞれの趣味嗜好や音楽性が火花を散らしたり、渾然一体となったり、カオスな空間が広がる一夜となった。

紺碧のドレープ幕と「EXPLODE」の文字をあしらった2つのネオンサイン、レビューの始まりでも告げるようなノスタルジックで奇妙なほどに陽気なBGM。凶暴で刺激的なPetit Brabanconの音楽性とは相反するシチュエーションがステージを彩る中、この日の“狂宴”は「mind-blow」で苛烈に幕を開けた。舞台が毒々しい色に染まった刹那、スモークが天井と床から盛大に噴射され、yukihiroの刻むビートを軸にソリッドなアンサンブルが響く。その上で京が足元から脳髄までを刺激するようなボーカルを轟かせ、ホールを一瞬で制圧した。

「俺たちが見えてるか?」「もっと噛み付いてこい!」。獣のようにオーディエンスの声を求め、グロウル混じりの声で絶唱する京と、その横で躍動しながら激しくギターをかき鳴らすミヤとantz。その一歩うしろで高松は重厚なグルーヴを生み出し、4人の手綱を引くようにyukihiroが冷徹にリズムを刻む。胸を締め付けるような緊迫感のあるパフォーマンスが続くが、ライブ後半に差しかかった頃、「come to a screaming halt」でふと空気が緩む時間も。立ち上るスモークに、天井から雪のように降り注ぐスモークバブル。幻想的な演出とシンクロするように、心を乱すような甘く切ない京の歌、静謐なインダストリアルサウンドがオーディエンスを陶酔させた。

そんな穏やかな時間も束の間。「come to a screaming halt」の余韻を断ち切るように5人は、プチブラバンソンのように再び闘争心をむき出しにしたパフォーマンスを繰り広げる。ライブのクライマックスでは、先日リリースされたばかりの「a humble border」が投下され、yukihiroが生み出したタイトなデジタルサウンドと、うごめくような生々しいアンサンブルが会場を支配した。そして、この日、5人が最後に鳴らしたのは「Don't forget」。ミヤ、antz、高松の“竿隊”は奔放にステージ上で暴れ、京は思わずこぼれる笑みを隠そうともせず、yukihiroはリミッターが外れたかのように激しく、速やかにスティックを振り下ろす。Petit Brabanconにしか作り得ない強烈な世界観とパフォーマンスにオーディエンスは狂喜乱舞し、混沌を極める中でライブは終わりを告げた。

なお「EXPLODE -02-」の大阪公演はなんばHatchにて1月7、8日にて開催される。「暴獣」と題された初日は“古都のドブネズミ”ことROTTENGRAFFTYをゲストに迎えた対バン、短距離弾道ミサイルを意味する「SRBM」をタイトルに冠した2日目はワンマンライブとなる。

セットリスト

Petit Brabancon「Petit Brabancon EXPLODE -02- Neglected Human 」2024年1月3日 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

SE mind-blow
01. 孤動
02. Miserable
03. 刻
04. BATMAN
05. Common destiny
06. Ruin of Existence
07. 主張に手を伸ばす修羅
08. Isolated spiral
09. 渇き
10. come to a screaming halt
11. Prayer
12. I kill myself
13. Loser
14. OBEY
15. surely
16. a humble border
17. Pull the trigger
18. 疑音
19. Don't forget

ライブ情報

Petit Brabancon EXPLODE -02- 暴獣

2024年1月7日(日)大阪府 なんばHatch
<ゲスト>
ROTTENGRAFFTY

Petit Brabancon EXPLODE -02- SRBM

2024年1月8日(月・祝)大阪府 なんばHatch

撮影:青木カズロー / 河本悠貴

関連記事

THE LAST ROCKSTARS「Mastery」ミュージックビデオより。

YOSHIKIが「鉄拳」の世界に?THE LAST ROCKSTARS「Mastery」MV公開

3日
DEZERT

DEZERTドキュメンタリー作品配信、HYDEやKenら22組がインタビュー出演

5日
THE LAST ROCKSTARS。左端がMIYAVI。

MIYAVIがTHE LAST ROCKSTARSから脱退、YOSHIKIとのコラボプロジェクトは進行中

9日
左から小林祐介、中野雅之、milet、加藤隆志。(Photo by Katsumi Omori)

milet、スカパラ加藤隆志、スペルバ中野雅之&小林祐介がOasis「Live Forever」カバー

10日
THE SPELLBOUND「BIG LOVE TOUR Vol.2 2024 -Voyager-」東京・EX THEATER ROPPONGI公演の様子。(撮影:タカギユウスケ)

「Voyager」携えたTHE SPELLBOUNDが見据える未来「人生に寄り添う音楽を作り続けます」

16日
L'Arc-en-Ciel

L'Arc-en-Ciel東京ドームはhyde誕生祭「僕がワガママに、好きなようにラルクをプロデュース」

20日
The Novembers

The NovembersとYosuke Toriiのコラボ写真展スタート、弾き語り&トークイベントも開催

20日
HYDE

HYDEが“INSIDE”をさらけ出した狂騒の幕張公演、マイファスHiroとの「夢幻」生デュエットも

22日
左から有働由美子、DISH//、松下洸平。(c)日本テレビ

次回「with MUSIC」にDISH//、中島美嘉、HYDE、マルシィ登場

26日
DIR EN GREY (c)FIREWALL DIV.

DIR EN GREY、全世界が吐いたホラー映画とタイアップ

27日