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スピッツが6年半ぶりの日本武道館に作り出した"ひみつスタジオ"

草野マサムネ(Vo, G)(撮影:西槇太一)
4か月前2024年01月18日 3:04

スピッツが1月11、12日に全国ツアー「SPITZ JAMBOREE TOUR '23-'24 "HIMITSU STUDIO”」の東京・日本武道館公演を行った。この記事では12日公演の模様をレポートする。なお最新アルバム「ひみつスタジオ」収録曲以外のセットリストのネタバレは控える。

スピッツは昨年5月にリリースした3年半ぶりのオリジナルアルバムを携えて、6月より全国のホールとアリーナを回っている。彼らが日本武道館公演を行うのは2017年に開催された結成30周年ツアー「SPITZ 30th ANNIVERSARY TOUR "THIRTY30FIFTY50”」以来、約6年5カ月ぶりのこと。ライブでは最新アルバムの収録曲を中心に、新旧問わずファンの心を突くさまざまな楽曲が披露された。

6年5カ月ぶりの日本武道館で起こった珍事

まずは三輪テツヤ(G)がステージに登場。ほかのメンバーも続くかと思われたが、3人がなかなか姿を現さない。後のMCで明らかになったが、実はこの日、田村明浩(B)と崎山龍男(Dr)のインイヤーモニターが入れ替わってしまっており、直すのに時間がかかっていたという。それに気付かず三輪が1人でステージに出てしまい、暗転したステージでメンバーを待ち続けることになるという珍事がありつつ、草野マサムネ(Vo, G)、田村、崎山も温かな拍手に迎えられてステージに登場した。舞台に出そろった4人は、オープニングから爽快なサウンドで場内を満たしていく。みずみずしいアンサンブルと唯一無二の歌声にオーディエンスは心を弾ませ、跳ねるようなリズムにクラップを重ねた。

柔らかな光に照らされたステージでゆったりと演奏されたのは「ときめきpart1」。淀みのない歌声と温かみのある音色が心地のいい空気を生み出した。バンドの衝動が詰まったようなアップテンポのナンバー「跳べ」ではメンバーが前のめりで疾走感のあるプレイを展開。ステージの端のお立ち台まで行き、開放感のあるサウンドを楽しげに放った。三輪が紡ぐ幻想的なアルペジオの音色でスタートしたのは「紫の夜を越えて」。力強いリズムに乗せて、光のほうへと進んでいくメッセージが観客に寄り添うように響き渡った。

結成36年、デビュー33年目という長い歴史を持つスピッツだが、「スピッツのライブを初めてご覧になるという方、どれくらいいらっしゃいます?」と草野が問いかけると、アリーナからスタンドまで多くの人々が挙手。「ありがとうございます! 初めまして。こんな感じです」と草野が挨拶すると、三輪が「ボーカル以外もしゃべるからね!」と陽気に述べてMCでも観客を楽しませた。草野は「武道館でライブをやらせてもらうようになってから、意外とまだ10年くらいしか経ってないんです。そのとき、お手本になる人いないかなと思って、TOKIOのDVDを観たんですよ。こんな感じなんだなと思って」と2014年に行った初の日本武道館公演を振り返る。そして「今回も武道館ひさしぶりだから誰かの映像を観ようと思ってたら、ちょうどWOWOWで矢沢永吉さんの生放送をやっていて。すごいんですよ、矢沢さん。ものすごく声も出てるし体の動きのキレもあるし、MCも面白い」と興奮気味に述べ、「矢沢さんの年齢までがんばれるように今日からサプリの量を増やそうかな」と笑顔で語った。

また日本武道館のステージに立てるように

「HIMITSU STUDIO」という名の通り、今回のステージセットは秘密基地のような装いに。ペンチにつままれた大きないちご、スケートボード、そして最新アルバムのジャケットなどでもフィーチャーされたロボットが設置された。「i-O(修理のうた)」ではこの曲の主人公であるロボットがスポットライトの光に照らされる。スクリーンに映し出される物語をバックに、まるで読み聞かせのようにたおやかな歌声とノスタルジックな音色が紡がれた。そしてメンバーは朝倉さやによる民謡的なコーラスが入ったダンスロック「未来未来」をクールにプレイ。オーディエンスも一斉に手を振り、会場一体となって実験的なこの曲を楽しんだ。

ドラムのフィルインでスタートしたのは、昨年ロングヒットした劇場版「名探偵コナン 黒鉄の魚影」の主題歌「美しい鰭」。たゆたうようなアンサンブルと穏やかな歌声にオーディエンスはじっくりと聴き入った。「美しい鰭」がストリーミングのチャートに入っていたという情報を知り合いから聞き、草野は同時期にチャートインしているさまざまな若いアーティストの楽曲を聴いたという。ライブ中盤のMCでは、草野がその中から藤井風の「きらり」を突然歌い出して観客を喜ばせる場面も。さらに「チェリー」の歌詞と、ゆずの「栄光の架橋」や新しい学校のリーダーズの「オトナブルー」のメロディを組み合わせるというスペシャルな合体技も披露し、歌詞とメロディのあまりのハマりのよさに客席から大きな拍手が沸き起こった。

ライブ終盤に「1、2、3、4!」という掛け声とともに披露されたのは、スピッツの長い歴史の中でも初めて4人全員がボーカルを務める楽曲「オバケのロックバンド」。メンバーそれぞれをおばけにたとえた歌詞を4人が順番に歌いつないでいき、サビはユニゾンで届ける。オーディエンスのクラップに包まれながら、スピッツの自己紹介ソングとも言えるこの曲で4人の純真な歌声がまっすぐに響き渡った。ライブの終わりに草野は「最初に『今日は楽しい夜にします』と言ったんですが、皆さんに楽しい夜にしていただきました。皆さん1人ひとり全員に申し上げたいです。皆さん、生まれてきてくれてどうもありがとうございます」と感謝の思いを伝える。そして「また武道館のステージに立てるように……でも、武道館のステージに立てないとしても、長く続けていくと思いますので、スピッツは。また会いにきていただけるとうれしいです」という言葉をオーディエンスに贈って大きな歓声を浴びた。

※崎山龍男の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。

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