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ATEEZは輝く光のその先へ、3万4000人のATINYと紡いだ“自分だけの光”を取り戻す物語

「2024 ATEEZ WORLD TOUR [TOWARDS THE LIGHT : WILL TO POWER] IN JAPAN」の様子。(撮影:宮田浩史)(c)KQ Entertainment
2か月前2024年02月08日 9:04

ATEEZの来日公演「2024 ATEEZ WORLD TOUR [TOWARDS THE LIGHT : WILL TO POWER] IN JAPAN」が2月3、4日に埼玉・さいたまスーパーアリーナにて開催された。

「2024 ATEEZ WORLD TOUR [TOWARDS THE LIGHT : WILL TO POWER] IN JAPAN」は、1月27日に韓国・ソウルを皮切りにスタートしたワールドツアーの日本公演。昨年5月に開催されたライブツアー「THE FELLOWSHIP : BREAK THE WALL」のアンコール公演以来の来日公演で、2日間で合計3万4000人を動員した。

オープニングVTRが「Don’t be afraid. Show your “Will to Power”」というナレーションで締めくくられると、黒い衣装で登場したダンサーたちがステージ中央にそびえ立つ巨大なタワーに輝きを与える。しばらくすると、タワーの中から純白の衣装に身を包んだATEEZが満を持して姿を現した。ATINY(ATEEZファンの呼称)から割れんばかりの歓声が湧き起こる中、キャプテン・ホンジュンは「ATINY! 叫べ!」とシャウトし最新曲「Crazy Form」でライブを本格的にスタートさせる。1曲目にしてフルスロットルでパフォーマンスする8人の熱気をより焚き付けるかのように、ステージでは炎や火花が燃え盛り、ATINYもまた彼らの気迫に呼応するように一糸乱れぬ掛け声を会場に響かせた。

壮大なタワーの上端は、「Crazy Form」「Say My Name」「WIN」が披露された冒頭ブロックでは星のように光り輝いていたものの、時間の経過とともに光が失われ、やがて会場を監視するように不気味に揺れ動く“目”に豹変。その後不穏なサイレンが鳴り響き、会場はあっという間に禍々しい空気に包まれる。ユンホは、そんな“監視社会”からの脱出を試みるかのように逃げ惑い、その後登場したサンは黒衣装のダンサーたちに捕らえられてしまう。ダークな世界観が紡がれる中、残りのメンバーがステージに合流して「This World」のパフォーマンスへ突入。「Wake Up」は黒い目隠しを用いた妖艶な振付で披露され、会場では悲鳴に似た歓声が鳴り響いた。

MCでは、前回の日本公演からさらにパワーアップした日本語力を発揮したATEEZ。8人は日本のATINYとの再会を喜んだのち、ウヨンの提案でATINYとともに新年の挨拶を交わすことに。「明けましておめでとう!」とメンバーが声をそろえたあとには、ウヨンがどさくさに紛れて「お年玉ください!」とおねだりするも、ホンジュンから「ウヨンさん、今年は少し大人になれよ」とたしなめられてしまうコミカルなひと幕もあった。

「Guerrilla(Flag Ver.)」前のホンジュンのギター演奏やミンギのラップステージ、ウヨンのソロダンス、ソンファ、ユンホ、ホンジュンの3人でのダンスパフォーマンスなど、曲間にはメンバーそれぞれをフィーチャーした演出が差し込まれATINYの視線をつかんで離さない。鳥の羽に包まれながら鳥籠の中に閉じ込められたヨサンは、美しくエレガントなダンスで籠の中から抜け出す叙情的なパフォーマンスを見せてファンの視線を釘付けにし、そのままサン、ウヨンとともに「IT’s You」を華麗に歌い踊った。

「IT’s You」のみならず、本公演では昨年12月リリースの最新アルバム「The World EP.Fin: Will」収録のユニット、およびソロ曲がすべて披露された。事務所入所以前からの旧知の仲であるユノとミンギによる楽曲「Youth」は、練習生になる前に交わされた2人のやりとりを再現した電話の演出でスタート。現実とリンクした演出で、観客をいっそう楽曲の世界観に没頭させる。グループのメインボーカル・ジョンホは、自身のソロ曲「Everything」で難度の高い高音パートも安定感たっぷりに歌い上げる抜きん出た歌唱力を見せ、会場から感嘆の拍手を引き出した。ライブの後半、これまでの映像とは打って変わったコミカルなVTRを経て投下されたのはMATZ(ホンジュンとソンファのコンビ名称)による「MATZ」。2人は曲中に映像を用いたブレイクを挟むなどトリッキーな演出で観客を驚かせつつ、各所で炎が吹き上がるステージ上で荒々しいラップを畳み掛け、オーディエンスを熱狂の渦に巻き込んだ。

ATEEZは、「MATZ」からシームレスに投下された「ARRIBA」「DJANGO」では西部劇を連想させるウエスタン風のセットを背に、小道具や小芝居を駆使したシアトリカルなステージを展開する。ハイレベルな表現力を見せつけた8人は、「僕たちのエネルギーをもっと込めて、もう一度いきましょう!」というサンの雄叫びを合図に「BOUNCY(K-HOT CHILLI PEPPERS)」を披露。そしてATEEZのライブには欠かせない人気曲「WONDERLAND(Symphony No.9 “From The Wonderland”)」へ突入し本編はクライマックスへ。1曲目の「Crazy Form」からラストの「WONDERLAND」まで、息つく暇も与えない全身全霊のパフォーマンスでライブを駆け抜けた。

オープニングでホンジュンが「ツアータイトル『TOWARDS THE LIGHT』のように、今日はみんなで光に向かって走りましょう。皆さんは存在しているだけで光輝く人たちです。僕らと一緒に思いきり楽しんで、一緒に歌って、皆さんのありのままの輝きを見せてください!」と語ったように、VTRやステージパフォーマンスを通じてタワーの“光を取り戻す”ためのコンセプチュアルな演出が多々繰り広げられた本公演。本編終了後も例外ではなく、アンコールの冒頭では会場を埋め尽くすライティニ(ATEEZのペンライトの呼称)が真っ白に輝きを放ち、会場後方から前方へ、メインステージのタワーに向けて光が運び込まれていくドラマティックな演出があった。まばゆい光に包まれながら再登場した8人は、「Dreamy Day」でアンコールステージを開始したのち、「Eternal Sunshine」「Fireworks(I’m the One)」「The Real」をメドレー形式で畳み掛けた。

最終ブロックを控える中、ヨサンは「ATINY、僕たちがプレゼントした光は受け取れましたか? 僕らのメッセージが少しでもATINYの力になればうれしいです」、ジョンホは「今日、ATINYの声が聞けて本当にうれしかったです。ATINYのおかげで元気になりました、ありがとうございます。ATINYは僕の宝物です」と語るなど、8人は公演の感想を口々に述べていく。サンは「僕たちが今日のような公演ができたのも、ATINYという原動力があったからです。いつもまた立ち上がれる力、挑戦できる勇気を与えてくれてありがとうございます」とファンに感謝し、「今日見つけた、自分だけの光を心の中で大切にしてくれたらうれしいです。皆さんは世界に1人だけの大切な存在だということを忘れないでください」と語りかけた。

ラストにホンジュンは「最後の曲、一緒に歌ってください。僕たちも心を込めてお届けします」と言い、8人は「夜間飛行 야간비행(Turbulence)(Japanese Ver.)」「UTOPIA(Japanese Ver.)」を歌唱。ここでライブが終了するかと思われたが、サンが「2階、3階よく見えますか? どうしよう、どうしよう?」と言っていると、ステージの両サイドにトロッコが登場する。メンバーは「ではもっと近くで会いましょう!」と言って4人ずつトロッコに乗り込み、ATINYに声をかけながら会場内を一周。名残惜しそうにメインステージに戻った8人は、ライブを締めくくる別れの挨拶を告げたのち、客席に背を向け光に包まれるタワーの奥へと歩みを進めた。

セットリスト

「2024 ATEEZ WORLD TOUR [TOWARDS THE LIGHT : WILL TO POWER] IN JAPAN」2024年2月3、4日 さいたまスーパーアリーナ

01. Crazy Form
02. Say My Name
03. WIN
04. This World + Wake Up
05. Guerrilla(Flag Ver.)
06. Cyberpunk(Japanese Ver.)
07. Deja Vu
08. IT's You
09. Youth
10. Everything
11. Silver Light
12. Crescent pt2.
13. WAVE
14. Dancing Like Butterfly Wings
15. MATZ
16. ARRIBA
17. DJANGO
18. BOUNCY(K-HOT CHILLI PEPPERS)
19. WONDERLAND(Symphony No.9 “From The Wonderland”)
20. Dreamy Day
21. Title Medley(Eternal Sunshine+ Fireworks(I’m the One)+The Real)
22. 夜間飛行 야간비행(Turbulence)(Japanese Ver.)
23. UTOPIA(Japanese Ver.)

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