ハンバート ハンバートの代表曲をタイトルに冠し、同曲を主題歌に使用する映画「ぼくのお日さま」が今秋に公開される。
映画「ぼくのお日さま」は2019年に長編初監督作品「僕はイエス様が嫌い」で「第66回サンセバスチャン国際映画祭」の最優秀新人監督賞を受賞した奥山大史の商業デビューとなる作品。雪の降る街を舞台に、吃音を持つホッケー少年のタクヤと、フュギュアスケートを学ぶ少女さくら、そして元フィギュアスケート選手でさくらのコーチ・荒川の3人の視点で紡がれる物語だ。荒川役は池松壮亮が務める。
主題歌「ぼくのお日さま」は2014年に発表されたハンバート ハンバートの8thアルバム「むかしぼくはみじめだった」の収録曲。奥山はプロットを考える中でこの曲と出会い、歌詞を聞いた途端「主人公の少年の姿がはっきり浮かび、物語がするすると動きだした」という。ハンバート ハンバートはこれまでこの曲を主題歌として使用したいというオファーを断ってきたが、奥山からの手紙を読んで今回の依頼を快諾した。池松の出演は、奥山が総監督を務めたエルメスのドキュメンタリーフィルムがきっかけとなり決定した。
ハンバート ハンバートの佐藤良成(Vo, G, Violin)は本企画に対し「自分の曲がこんなにも素晴らしい映画となって生まれ変わるなんて、本当に幸せです」とコメント。佐野遊穂(Vo, Harmonica)は映画について「この楽曲の『ぼく』や、タクヤ、荒川コーチ、それぞれに小さな救いがあったように、この映画がまた誰かのお日さまになれば嬉しい事だと思います」と語っている。
ハンバート ハンバート コメント
佐藤良成(Vo, G, Violin)
奥山監督から最初手紙をいただきました。今作ろうとしている映画は、私の曲の中の「ぼく」から物語がふくらんだもので、主題歌にもその曲「ぼくのお日さま」を使いたいと。脚本や前作も拝見して、彼と是非仕事したいと思い快諾しました。出来上がった作品は、どのシーンのどのカットも実に美しい光と色で、こんな絵を撮る奥山監督は恐ろしい人だなと思います。自分の曲がこんなにも素晴らしい映画となって生まれ変わるなんて、本当に幸せです。
佐野遊穂(Vo, Harmonica)
とにかく映像の美しさが印象的でした。どこを切り取っても儚さが漂っていて、監督のキャラクターがそこに一番現れてるように感じました。この楽曲の「ぼく」や、タクヤ、荒川コーチ、それぞれに小さな救いがあったように、この映画がまた誰かのお日さまになれば嬉しい事だと思います。
池松壮亮 コメント
奥山大史という凄まじい才能に出会い、対話を繰り返し、共感し合い、共犯できた全ての時間に感謝しています。この世界の光の粒のような二人の才能に出会えたことにも感謝しています。今作を共に創り上げたスタッフキャストと共に、この素晴らしい作品を届けることができることを幸せに思います。この世界の雪解けを予感させてくれるような、あまりにもピュアで、心に響く映画になりました。是非楽しみにしていてください。
奥山大史 コメント
いつの日か、子どもの頃に習っていたフィギュアスケートの映画を作りたいと思っていました。でもなかなか作れずにいました。ただ思い出を映像にするだけでは映画にならない、と頭を抱える日々でした。そんな時、「ぼくのお日さま」という楽曲に出会い、惹かれるまま毎日聴くうちに、全く新しい物語が動き始め、時を同じくして、池松さんに出会い、この方の魅力を映し出すことができたら、映画になると確信できました。この作品で商業映画に初挑戦できたこと、嬉しく思います。どうぞご期待ください。