原因は自分にある。が、本日3月13日にコンセプトEP「仮定法のあなたへ」をリリース。これを記念したリリースイベントを、東京・ららぽーと豊洲で開催した。
げんじぶにとって初のコンセプトEPとなる今作は、“if”(仮定法)をテーマにした6つの楽曲で構成。収録曲にはいずれも「もしもあなたが◯◯だったら」という仮定のテーマが設定されており、久下真音やナユタン星人、MIMI、じんといった豪華なクリエイター陣が、それぞれにまったく異なる6つの物語を楽曲として描き出した。リリース当日に行われたイベントは全国各地、計7カ所で行われた今作のリリイベを締めくくるもの。週の真ん中、水曜日の17:00スタートというスケジュールながら、屋外の会場周辺には約2000人の観測者(原因は自分にある。ファンの呼称)が集まり、開演前から大きなにぎわいを見せていた。
ステージ奥に見える高層マンション群の向こう側に大きな夕日が浮かび、強い斜陽が満員の観覧エリアを照らした17:00。淡いグレージュのジャケットにピンクとブルーの差し色が映える「仮定法のあなたへ」の衣装を身にまとって観測者の前に姿を見せたげんじぶの7人は「嗜好に関する世論調査」でミニライブをスタートさせた。ステージの周囲360°を観覧客が囲む会場の構造ゆえ、メンバーが後ろや横を向く動きでも正面ができ、普段とは異なるタイミングで各所から上がる歓声によって歌い出しから会場は大きな熱狂に包まれる。観測者たちの期待感が一気にあふれ出したような盛り上がりの中、7人は軽快なクラップでリズムを刻みながら息の合ったボーカルリレーを披露する。「リリイベ最終日、一緒に楽しんでいきましょう!」と声を上げたのはリーダーの吉澤要人。吉澤は仲間たちの名前を順に呼んで曲中にメンバー紹介を行うと、今度は観測者に「二択! 二択!」というフレーズのシンガロングを求め、冒頭から会場の一体感を高めていった。
続けて届けられたのは、「仮定法のあなたへ」の収録曲である「ダイヤモンドリリー」。「もしも、“あなた”がこの世にいなくても……」というテーマのもとMIMIが提供したこの楽曲では幽霊と人間との切なくも温もりのある物語が描かれ、ステージ上の7人はときに幽霊役や人間役を演じながら、両者の心情を立体的に表現していく。たおやかな身のこなしで踊りながら7人が響かせる柔らかい歌声は、寒さが少し和らいだ3月の風と溶け合うように、夕暮れの空に優しく響いた。
2曲を終えると、7人はぐるりと自分たちの周りを囲む観測者に挨拶をし「すごいなあ」と言葉を漏らす。この会場は、げんじぶメンバーがデビュー前から何度もイベントを行い精進してきた思い入れのある場所でもあり、長野凌大が「毎週のようにライブしてたもんね」と懐かしそうにつぶやくと、小泉光咲も「改名前からお世話になっている場所だもんね」と応じる。そして吉澤は、当時とはひと味違う超満員の景色に「どこを見ても皆さんがいる。本当に幸せな状況です」と、喜びの心境をあらわにした。
大倉空人がメンバーにリリースイベント中の思い出を聞くと、小泉は「なんといっても、僕の地元の宮城にひさしぶりに行けたこと。僕がスカウトされた場所に行けましたから」と真っ先に返答。ここで衣装のイヤリングを落としたことに気付いた武藤潤が「俺、イヤリング片方ある!?」と焦ってメンバーに問いかけたことから急遽“捜索タイム”が始まるという小さなハプニングも発生したが、イヤリングはメンバーの手によってすぐに発見され、武藤は「これが思い出です!」と少し照れたように笑った。そして杢代和人は、「仮面ライダーギーツ」で自身が演じた仮面ライダーバッファの格好をした子供を福岡の会場で見つけたことを語り「ちっちゃいバッファがいて、二度見しちゃった」とうれしそうな表情を浮かべる。
吉澤が改めて「仮定法のあなたへ」がどんな作品かを説明したところで、長野は「あの曲を披露したいと思います!」と、EPのリードトラックである「マルチバース・アドベンチャー」をラストナンバーとしてコールした。「もしも、“あなた”が隣にいなくても…」をテーマに「どんな次元や世界観も超えてあなたに会いにいく」という勇ましい愛を歌うこの曲を観測者に送った7人。「もしも」を意味する手話が盛り込まれたダンスや、最年少の桜木雅哉を“船長”に全員で船を形作るフォーメーションなどが盛り込まれた賑やかで楽しいパフォーマンスはスマートフォンでの撮影が許可され、観測者は熱い視線とスマホをメンバーに向けながら、この刹那を胸とメモリーにしっかりと焼き付けた。
3曲の披露を終えると大倉は「リリースイベント、本当に素敵な思い出ばかりです。皆さんのおかげで、しっかりとリリイベツアーを回れたと思います!」と改めて観測者に感謝。最年長の武藤はいつものように「以上、原因は自分にある。でした!」と元気な挨拶でイベントを締めくくり、7人は最後まで観測者に手を振りながらステージをあとにした。