#ババババンビが3月14日、ワンマンライブ「馬鹿騒ぎ天下統一'24」で初めて東京・日本武道館のステージに立った。
7人の念願だった武道館
2020年1月、コロナ禍の始まりとともに活動を開始した#ババババンビ。同年3月27日に予定されていたデビューライブは中止となり、その後もライブシーン全体が自粛を余儀なくされる状況下で厳しいスタートとなった。活動がままならない中でも「夢は日本武道館」と公言し続けてきた彼女たちは、幻のデビューライブから4年でその夢を叶えた。会場にはともに夢を追いかけてきた元メンバー、池田メルダと吉沢朱音も駆けつけ、スタンド席で5人の晴れ舞台を見届けた。
ゆかりの深いあの格闘家も応援に!
#ババババンビ史上最大のステージが組まれた日本武道館。おなじみの登場曲「Overture」に乗せてスモークの向こうに現れたのはメンバー5人ではなく、屈強な男性のシルエットだった。幻のデビューライブから1年後、2021年3月27日の東京・Veats Shibuya公演「デビューライブやり直し #大馬鹿者祭 #ババババンビ の#ババババースデー vol.0 supported by B.L.T.」にも登場した格闘家・角田信朗だ。角田の勇ましい前口上が使われた「Overture」が、この日は本人による生の口上に。角田は水湊みお、小鳥遊るい、近藤沙瑛子、宇咲、岸みゆの名を順にコールし、「#ババババンビ、日本武道館に只今見参! 皆の者、最後まで盛り上がっていくぞ!」と大歓声に沸く武道館をひときわ盛り上げた。自己紹介ソング「ばばばばんびずむ~!」でライブの幕が上がり、最年少の宇咲が「ついに来たぞ、日本武道館! 私たちの夢、みんなと叶える瞬間、騒げ武道館ー!!」と叫び声を上げると、場内には夢を叶えた5人を祝福するかのようにきらびやかな金テープが舞った。
トロッコ、バラード、殺陣、和太鼓……武道館でお祭り騒ぎ
かつて経験したことのない巨大なステージに立った5人だが、パフォーマンス中はいつも通り、いつも以上にお互い目を合わせながら丁寧に歌を届けていく。初期から歌い続けているアッパーチューン「ー私心伝心ー」ではメインステージから延びる花道へと駆け出し、日本武道館のド真ん中に設置されたセンターステージへ。5人はさらにトロッコへと乗り込み、布袋寅泰のカバー「バンビーナ」から「キスしてほしい」「バカになって好きって言うだけ」「SOS! Summer」と4曲をメドレーでつなぎながらアリーナをぐるりと回った。メインステージへと戻ると、5人はバラード「4060」とウインターソング「スノードーム」でじっくりと歌を聴かせ、グループコンセプトの“馬鹿騒ぎ”だけではない一面をしっかりと表現した。
暗転ののち、センターステージに現れたのは、日本刀を手にした女性たち。メンバー近藤の故郷・熊本の女性のみで構成される歌劇団、096k熊本歌劇団による幕間の殺陣が繰り広げられた。衣装をチェンジして再登場した#ババババンビは、華麗かつ勇壮な096k熊本歌劇団の演武とのコラボレーションで「DE・A・RU・KA!!!」を披露。続くメジャーデビュー曲「ゲイシャフジヤマ」ではホーン隊が演奏に加わる。さらには和太鼓の生演奏を交えた「おっとっと!!」「とぅーまっそ」と和テイストのアレンジを連発し、武道館公演のお祭り気分を一気に高めた。
一緒に武道館を夢見てくれたファンへの思い
終盤戦、#ババババンビは「常勝MY GAME」「星形」「Clover」「ミカンセイ」とエモーショナルなナンバーを並べてライブをクライマックスへと導いていく。汗を振り乱して歌い続ける5人のパフォーマンスに、場内の熱気も急上昇。最後の1曲を残し、メンバーは1人ずつ思いを伝えた。17歳で#ババババンビに加入し、現在20歳となった宇咲は「不安もいっぱいあったけど、大好きな皆と出会えて、いろんな楽しいことがあって。でも楽しいことだけじゃなくて、もちろんつらいこともいっぱいあって。でもでもいっぱい乗り越えて。数年前の自分に『未来は明るいんだよ』って伝えてあげたいなって思います」と過去の自分に向けてのメッセージを送り、学生時代からアイドルオタクとして武道館のステージに憧れを抱いていた小鳥遊は「新型コロナウイルスの影響でデビューライブも中止になってしまって、先が見えない真っ暗な中で、#ババババンビを見つけて応援して、こうして会いにきてくれる皆さん、応援してくれる皆さんがいてくれたから、私はずっとずっと走り続けられました」と改めてファンの大切さを噛み締める。145cmという小さな体で大きな武道館を駆け回った岸は「何もなかった女の子に、夢を与えてくれて、人生を変えてくれてありがとう! まだ、皆にとっての最高のアイドルでいさせてください! 今、心から笑顔で笑えています。とっても幸せです!」と満面の笑み。近藤は「私は、アイドルが大好きで、アイドルにしか興味がなくて……やめたいなとか、熊本に帰りたいなって思ったときもたくさんあったけど、こうして皆さんが照らしてくれるペンライトの紫色のおかげで私は今日もアイドルでいられるなって思います。私はアイドルになる人生を選択できて本当に心から幸せだなと思いました」と涙をこらえながら語り、メンバーの誰よりも「夢は武道館」と口にし続けてきた水湊は「日本武道館に立ちたいって言ったときに、無理だよって笑われた日もありました。でも、そんな中でも信じてついてきてくれた皆がいてくれたからこそ、今日こうしてここに立てていると思います。アイドルになれて、こんなに素敵な景色を見ることができて、私は幸せ者です。何年経ってもきっとずっとずっと皆のことが大好きです!」とファンへの感謝と愛情を伝えた。
「私たちのアイドル像をつづった曲です」という水湊の言葉に続いて歌われたラストナンバーは、元メンバーの吉沢が作詞した初期の楽曲「無重力ランナー」。アイドルらしい笑顔を振り撒いてステージを終えた。ステージ背面の巨大スクリーンには岸、水湊、小鳥遊、池田、吉沢の5人時代、宇咲と近藤が加わった7人時代、池田と吉沢が去ったあとの5人時代と#ババババンビの4年間の歩みを振り返るエンドロールが流れ、パフォーマンス時の熱狂とは異なる温かい拍手が武道館にこだました。
5人で最後のパフォーマンス「ここまで連れてきてくれてありがとう」
盛大なアンコールを受け、#ババババンビはメンバーカラーのドレスを着て再度ステージへ。「2024年3月14日、日本武道館。一緒に夢を叶えてくれて本当にありがとう。あなたにとってこの日が特別でかけがえのない記憶としてこれから先ずっと残り続けますように。今日のこと忘れんでね。約束!」と水湊からファンへのメッセージを届けたのち、#ババババンビは花道、センターステージ、メインステージの両ウイングを歩いて回り、笑顔を振り撒きながら「アイノハナ」を歌唱。センターステージに集まった5人が「ネモフィラBLUE」を歌うと、ステージはゆっくりと上昇する。武道館のド真ん中でせり上がる#ババババンビ、5人を囲む観客の大合唱で場内は一体に。5人は再びトロッコに乗り込みアリーナを回りながら、過去さまざまなライブでオーラスを飾ってきた大切なナンバー「ハナビガタリ」を熱唱した。この日本武道館公演が現体制でのラストステージになることを宣言していた#ババババンビにとって、これが5人で歌う最後のパフォーマンスとなった。
5人は涙を流しながらも笑顔でステージを終え、客席でともに武道館公演の喜びを分かち合った池田と吉沢にも声をかけた。そして「これから先もみんなにもっともっとバンビを愛してもらいたいので、ここで新メンバーのご挨拶をさせてください」と、新たに加入するメンバーを呼び込む。#ババババンビと同じゼロイチファミリアでタレントとして活動していた宮城県出身の神南りな、保育学生をしながらアイドルを目指していたという鹿児島出身の千星真穂、静岡出身の高校2年生でバンビ最年少となる16歳の一ノ瀬こひなの3人はそろいのTシャツ姿で登場し、元気に挨拶。4月14日より行われる所属レーベル・#HASTAG RECORDのライブツアー「#HASHTAG JAPAN TOUR 2024 東名阪」から8人体制での活動をスタートさせることがアナウンスされた。
新メンバー3人を送り出し、観客との記念撮影を終えてもなお武道館のステージが名残惜しい#ババババンビは、花道に飛び出して「ありがとうー!」「いっぱい見えたよー!」とファンへの感謝を伝える。メインステージの大きな階段を駆け上がり5人で横1列に並ぶと、最後は「私たちがデビューから追い続けた夢の日本武道館。何もなかった私たちをここまで連れてきてくれてありがとう。日本一幸せです!」という岸の言葉で締めくくり、#ババババンビは右手を高く掲げてステージをあとにした。
このライブの模様が生中継されたU-NEXTでは、3月31日23:59までライブ全編のアーカイブ映像が楽しめる。
セットリスト
#ババババンビ 武道館ワンマンライブ「馬鹿騒ぎ天下統一'24」2024年3月14日 日本武道館
01. ばばばばんびずむ~!
02. 恋のキャンディ
03. 恋するうさぎちゃん最強伝説
04. あのねのね
05. ー私心伝心ー
06. ティーンエイジャー・シンドローム
07. BPM180
08. メドレー(バンビーナ / キスしてほしい / バカになって好きって言うだけ / SOS! Summer)
09. 4060
10. スノードーム
11. DE・A・RU・KA!!!
12. ゲイシャフジヤマ
13. おっとっと!!
14. とぅーまっそ
15. 常勝MY GAME
16. 星形
17. 青春ギルティ
18. Clover
19. ミカンセイ
20. 無重力ランナー
<アンコール>
21. アイノハナ
22. ネモフィラBLUE
23. ハナビガタリ