数原龍友(GENERATIONS)のフォトエッセイ「ついてきて」が8月8日に刊行され、本日8月9日に本作の発売を記念した記者会見が開かれた。
「ついてきて」は、数原龍友にとって初めてのフォトエッセイ。3年におよぶ構想期間に加え、1年の撮影期間を費やした作品で、数原の趣味を反映した姿を切り取るべく留学先のアメリカでも撮影が行われた。エッセイの内容は、家族のことやGENERATIONSメンバーとしてデビューするきっかけとなったオーディションのこと、デビューのこと、ドームツアーのこと、コロナ禍のこと、メンバーのこと、手術のことなど、これまでの人生を語った7万字以上にわたる大作に。書籍に加え、全編英語詞の新曲「Pacific Love Memories」が付属することも話題で、この新曲は本作の発売記念イベントにて初披露が予定されている。
本作が発売された今の率直な気持ちを問われた数原は「自分の今まで歩んできた、人生の語らなかった部分をすべてさらけ出した、そんな1冊になっています。手に取っていただいた方からも『すごくいい1冊だ』という声が自分の耳に届いています。少しの恥ずかしさとうれしさが入り混じった、Half and halfな感情です」と英語を交えて述べた。
写真集を望む声がありながらもなかなかその一歩を踏み出すことができなかったという数原。「シャワーシーンとかまず撮れないんじゃないかという、コンプライアンス的な問題もありつつ、いろんな理由があってお断りしていたんです。27歳くらいの頃からもっと人間力がある状態で30代をスタートしたいという目標があったので、準備ができた30、31くらいの頃には、おそらく今よりももっと深みのある人間になれていると思うので、そのときにまだ作っていただけるお気持ちがあるのであればと、3年ほどお時間をいただきました」と、出版社から声をかけてもらいつつも、自身の納得いくタイミングでの写真集刊行になったことを明かした。
数原はこの会見の前に「ついてきて」をGENERATIONSメンバーに手渡したが、白濱亜嵐からは「荷物になるからいらない」、中務裕太からは「BBQのときに火を燃やすのに使っていい?」と冗談を言われたという。「GENERATIONSってどうかしてるやつらばっかりなんですけど、目の前で読んでくれて、写真を見て『アメリカじゃん』とか言ってくれてうれしかったです。届いたけどまだ読めていない方もたくさんいると思うんですけど、『一気に読んじゃった』っていうコメントもありましたし、反響はいいなと感じていて、素直にうれしいです」と、GENERATIONSメンバーも「ついてきて」を楽しんでくれていることやいい反響を受けてご満悦の様子だった。
写真集の色校正時にあらためてテキストを読み、涙したという数原。彼は「自分の人生のことを振り返って、自分が話した言葉なのに涙が出てきて不思議な経験でした。講談社の方に自分の歩んできた道を言葉に表して涙が出るのは正解なのか、間違いなのかと質問したんですけど、作ったほうからすると『これ以上ないうれしい言葉』と言われた。あまり表に話してこなかった部分を伝えていくことで、もしかしたら誰かの救いになったりとか、誰かが勇気を振りしぼる第一歩になったりするんじゃないかと考えが変わりました」と、本作を発売する意義を改めて感じた様子だった。
「ついてきて」に収められている写真は、数原がサーフィンやバイクなど、趣味に没頭する姿ばかり。お気に入りのカットは水色のアメ車に乗りジョシュア・ツリーに向かってドライブする途中、荒野でコーヒーブレイクするさまを切り取ったカットで、「日本じゃ砂漠地帯でコーヒーを飲むことなんてできない。トリップの一瞬を切り取った1枚です。憧れの車に乗ってアメリカの荒野で写真が撮れました」と、この写真の裏話を明かした。またジョシュア・ツリーでは、スタッフチームとAirbnbで大きな家に泊まり、夜にはBBQなどを楽しんだそうで、その際に大きな流れ星をスタッフチームと見たことも思い出深いと述べた。数原が「奇跡の1枚」と語った、その際に撮影された写真も「ついてきて」に収められている。
「ついてきて」という作品タイトルについて数原は「GENERATIONSからメンバー1人が卒業しまして、永遠というものは存在しないと思い生きている人間ではあるんですけども、改めてそこでそれを痛感しました。世の中の声やDREAMERS(GENERATIONSファンの呼称)の皆さまからも不安や悲しみの声が届いて、本当に申し訳なさを感じました。でも自分たちもここから皆さんにまた元気になってもらうためにがんばらないとと、いろんな感情が入り混ざって……。自分たちがお伝えしていけることは、やっぱり皆さんに元気になってもらったり笑顔になってもらったりすること。それがエンターテイメントの醍醐味だと思うので、いろいろなことがあって心配されたかもしれないですけど、ぜひ安心してついてきていただきたいなという思いを込めています」と明かす。
GENERATIONSの楽曲「エンドレス・ジャーニー」が「体操ニッポン応援ソング」として日本の体操選手を応援していることから、「この写真集にメダルを……」とMCが言うと、数原は「ああ、そういうことね! どう考えても金メダル! 8個!」と食い気味にコメント。今後のGENERATIONSと数原個人の活動については「自分はGENERATIONSのメンバーとグループの存在があっての数原龍友という1人の人間。まず叶えたい夢はGENERATIONSというグループで国民的ヒット曲を作ることです。ドームツアーを開催したこともあるんですけど、また新しい時代に歴史を捉えるようなヒット曲をGENERATIONSとして出したい。個人としても自分がいなくなってからも歌い継がれるような、カラオケの履歴にいつも入っているようなそんな曲を作って、音楽を通して夢を叶えたいと思っています」と展望を述べた。
アメリカでの留学期間中に3カ月ほど音楽の仕事から離れ、学業や趣味に没頭した数原。音楽から一度離れてみると、改めて音楽が好きだと気付かされることが多々あったという。「毎日のように学校が終わってはサーフィンに行ったり、クラシックカーに乗ったりして。でも音楽があるところに行ったら疼くんですよね。『歌いてえな』と思う自分がいて、音楽がないとダメなんだと気付きました。自分が見て聞いて感じたものをここから表現していく今後の活動に期待していただきたいです」と語る。
最後に数原は「長々と話して参りましたけども、本当に渾身の1冊となっております。皆さんお忙しいとは思うんですけども、読んでいただけたらなかなか面白い人生を歩んできた男なんだなというふうに感じていただけるのではないかなと思います。これは個人として表現してるものですけど、そんな自分がGENERATIONSというフィルターを通したらどうなるのかということにも今後期待していただければと思っております。ぜひ、こんな僕でよければ、“ついてきて”。数原龍友でした」ときれいにトークを締めくくり、ステージをあとにした。