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眉村ちあきが「爆破ライブ」の夢叶えた採石場でのお誕生日会 爆炎を背に歌い、断崖絶壁を駆け上がる

爆炎を背に歌う眉村ちあき。(撮影:入江達也)
13分前2024年09月18日 9:03

眉村ちあきの野外ライブ「眉村ちあき 爆パお誕生日会! ~遂に夢を叶えます!私が花火だ!~」が9月15日に栃木県の岩船山採石場跡地で開催された。

岩船山採石場跡地は特撮ヒーローの爆破シーンの撮影地として知られている“特撮の聖地”。この場所で爆破しながらライブをしたいと眉村は以前から公言しており、ついにその夢を叶えることになった。特殊なロケーションにもかかわらず、彼女の誕生日を祝うべく会場には多数のマユムラー(眉村ファンの呼称)が集結。35℃を超える強烈な暑さの中、熱いライブと灼熱の爆風を楽しんだ。

土煙を巻き上げながら車で登場

開演時間を少し過ぎた頃、黒いミニバンが土煙を巻き上げながら会場内を疾走。車が停まると中からサングラスをかけた眉村が現れ、そびえ立つ巨大な岩壁を背にして設置されたステージに向かった。1曲目は、2021年のリリース当時に「みんなとライブ会場で大爆発するのを夢見て作った」と語っていた「Individual」。眉村の「せーの、ボーン!」という声に合わせて、ステージの後方で実際に爆発が起こる。

ノイジーなエレキギターを弾きながら歌った「この朝を生きている」やダンサブルな「インドのりんご屋さん」などを経て、「バケモン」で再び爆発タイムに。眉村が「バケモンになろうか ぎゃーお」と叫ぶのと同時に、彼女の背後でナパーム爆破による巨大な炎が上がる。その後も「スーパーウーマンになったんだからな!」で観客とともに合唱したり、「KARAAGE WARS」で一斉にジャンプしたりと、会場は大盛りあがり。普段のライブとは一風異なる独特な一体感に包まれ、眉村もうれしそうに顔をほころばせた。

「室内で爆破するという夢をこれから叶えていこうね!」

「本気のラブソング」で「忙しくなったら会えなくなるのかな そうなる前に一緒に住まない?」という歌詞を「そうなっても別に爆破はするじゃん?」と替えて歌った眉村。その後、観客に向けて「爆破って、ここの採石場以外ではアリーナ、ドームクラスにならないとできないみたいじゃないですか。ドームやアリーナに行ってやるという正当なルートを待てなかった(笑)。背中だけが燃えているみたいな感覚で今ライブをやっていて、これを覚えたからいつでもドームやアリーナで爆破ライブができるってことじゃないですか。絶対やろうね! 室内で爆破するという夢をこれから叶えていこうね! そこでまた『本気のラブソング』を歌うから、それを見てウエーンって泣いてもらっていいですか?」と、新たな夢が生まれたことを宣言した。

その新しい夢が実現するためにと、続いて眉村が歌ったのは、これまで初の日本武道館ワンマンなど正念場のライブでのみセットリストに入っていた「夢だけど夢じゃなかった」。この曲で彼女は「最初から思ってた 爆破がしたいと 飛んだり消えたり いろいろやったけど」「何かが呼んでいる気がしたの 岩船山では なんでもやっていいらしい 日本とは思えない無法地帯 ここでしかもう 生きていけないよね~」など、今回の爆破ライブに込めた思いを高らかに歌い上げる。さらに彼女はステージを降り、観客に囲まれながら熱唱。曲が終わるのと同時にまたステージ後方で爆炎が上がり、会場は盛大な拍手で包まれた。

断崖絶壁に駆け上がり、客席からは遠すぎて粒のよう

10分間の休憩をはさんで「偏差値2ダンス」でライブを再開した眉村。この曲では彼女の眼の前で豪快に火柱が吹き上がる新たな特効が用意され、小ぶりなステージに似つかわしくないほどにド派手な演出でオーディエンスを盛り上げた。

アコースティックギターを激しく掻き鳴らしながらハイテンションで「ツクツクボウシ」を弾き語りした眉村は、暑さでバテていないかと観客を気遣うが、客席からは「かかってこいや!」と挑発する声が。眉村はその声に反応して「じゃあ次の曲歌える? 私が歌わなくてもいいいよね?」と言い、「奇跡・神の子・天才犬!」のバックトラックが流れる中、ステージを降りて走り出した。彼女はそのまま尾根を駆け上がって、切り立った岩壁の上へ。断崖絶壁に立って煽る、もはや客席からは遠すぎて粒のようにしか見えない眉村の姿に、観客は暑さを忘れて盛り上がった。

下山して息も切れ切れでステージに戻ってきた眉村だが、勢いをゆるめることなく「顔ドン」に突入。曲の盛り上がりに合わせて次々に爆炎が上がる。「大丈夫」では間奏で「外でみんなで合唱したことが忘れられなくてこの曲を選んだの!」と眉村が明かすと、そこからはずっと観客を巻き込んで大合唱に。「メソ・ポタ・ミア」ではステージを降りて横になった彼女を、観客が神輿のように担ぎ上げた。残った力を振り絞るように「ピッコロ虫」を歌ったあとは、いよいよ最後のナンバー「手を取り合うからね」。観客は両手を上げてトンネルを作り、眉村はそこをくぐりながら楽しそうに歌っていた。

崖の上のアコースティックライブで、あの名曲をカバー

爆破ライブ終了後はチェキ会と、火力を増したナパーム爆破を背にしての来場者との記念撮影を実施。そして全員で崖の上に移動し、ギター1本でのアコースティックライブが行われた。

日が落ち始めて涼しい風が来場者を癒やすが、この場所は照明が一切なく、暗くなると降りられなくなるので、安全のため日没前に急にライブが終了するかもしれないというアナウンスが。「日が沈むか、私のセトリが終わるかの勝負!」と意気込んだ眉村は、夕暮れの空に浮かぶ白い月の下「荻窪選手権」で「月が出た出た 月が出た」と歌い、大自然に囲まれたシチュエーションにピッタリの「冒険隊 ~森の勇者~」で「僕たちこそこの森の勇者」と弾き語った。

続いて披露されたのは、夕方5時という時間帯にピッタリなフジファブリック「若者のすべて」のカバー。夏の終わりを惜しむように歌う眉村の声が夕暮れの空に響き、その場は感傷的な雰囲気で満たされた。この日放たれたのは“最後の花火”ではなくてナパーム爆破だったが、この日の光景を何年経ってもマユムラーたちは思い出してしまうことだろう。

そして「巻きで進めて」というスタッフからの視線を感じたという眉村は、ラストに「旧石器PIZZA」を爆速で歌唱する。しかしあまりに速く歌いすぎて歌詞が飛んでしまうひと幕も。一部の観客が興奮状態になってサークルモッシュを始めたところ、眉村は座って観ていた観客に「行かなくていいのかお前ら!」と焚き付け、およそアコースティックライブとは思えないほどの盛り上がりになった。演奏を終えた彼女は、来場者に向けて「まだまだ夢があるから1つずつぶっ潰していこうぜ!」と威勢よく挨拶。誕生日を迎えたこと、そして夢を1つ叶えたことに対するマユムラーからの「おめでとう!」の声を浴びながらライブを終えた。

天候に恵まれた1日だったが、観客が帰路に就きすっかり日が落ちた頃、まるで終演を待っていたかのように会場付近は雷雨に。眉村の“晴れ女”ぶりを証明する締めくくりとなった。

なお眉村は、10月21日に東京・Spotify O-nestで堂島孝平とのツーマンライブ「ライブナタリー “堂島孝平 × 眉村ちあき” ~星に願いを~」に出演する。また10月27日から11月17日にかけてはデビュー5周年を記念したワンマンライブイベント「全曲眉村ちあき」を東京都内の全5カ所で開催。各公演には「おアコースティック編」や「ロックンロールお嬢編」など異なるテーマが設けられ、11月8日の下北線路街 空き地公演は観覧無料となる。そして11月27日にはオリジナルアルバム「うふふ」の発売も決定している。

セットリスト

「眉村ちあき 爆パお誕生日会! ~遂に夢を叶えます!私が花火だ!~」2024年9月15日 栃木・岩船山採石場跡地

爆破ライブ

01. individual
02. この朝を生きている
03. インドのりんご屋さん
04. 愛でほっぺ丼
05. バケモン
06. スーパーウーマンになったんだからな!
07. KARAAGE WARS
08. 朗読
09. 本気のラブソング
10. 夢だけど夢じゃなかった
11. 偏差値2ダンス
12. ツクツクボウシ
13. 奇跡・神の子・天才犬!
14. 顔ドン
15. 大丈夫
16. ピカレスクヒーロー
17. メソ・ポタ・ミア
18. ピッコロ虫
19. 手を取り合うからね

アコースティックライブ

01. 季節風
02. 荻窪選手権
03. 冒険隊 ~森の勇者~
04. 若者のすべて(フジファブリックのカバー)
05. 旧石器PIZZA(爆速ver)

公演情報

ライブナタリー “堂島孝平 × 眉村ちあき” ~星に願いを~ ※振替公演

2024年10月21日(月)東京都 Spotify O-nest
<出演者>
堂島孝平 / 眉村ちあき

全曲眉村ちあき

おアコースティック編

2024年10月27日(日)東京都 座・高円寺2

眉村ちあきお入門編

2024年11月8日(金)東京都 下北線路街 空き地(観覧無料)

ロックンロールお嬢編

2024年11月12日(火)東京都 下北沢シャングリラ

ラブソングお着席編

2024年11月15日(金)東京都 SHIBUYA PLEASURE PLEASURE

ポップスのお姫編

2024年11月17日(日)東京都 GRIT at Shibuya

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