久保田利伸のコンサートツアー「佐藤さん、いつものでよろしいですか?」が9月14日に開幕。ツアー序盤のハイライトとも言える東京公演が、10月15日および16日にNHKホールにて行われた。
この数年はコロナ禍の影響により、もう1つのライフワークであるボサノヴァとラヴァーズロックに特化したライブを重ねてきた久保田。お客さんの声出しや踊りも封印するスタイルであったため、高い評価を受けながらもつつも、本人としては苦肉の策であったという。そのため落ち着いた雰囲気のステージングが定着しつつあったが、今回の5年ぶりとなる全国ツアー「佐藤さん、いつものでよろしいですか?」は、“久保田の王道”をテーマに掲げ、ファンキーかつグルーヴィ、さらにポップなステージで観客の感動を呼んでいる。
その歌声を支えるのは、柿崎洋一郎(Key)、Gakushi(Key)、オオニシユウスケ(G)、森多聞(B)、DJ DAISHIZEN(DJ)、白根佳尚(Dr)、YURI(Background Vocal)、ジュニーク・ニコール(Background Vocal)、YUHO(Background Vocal)で構成された熟練のバンドメンバーとシンガー、RICKY、Angelo、KAREN、yuuという個性豊かな4人のダンサーたち。久保田を含む14人の演者は、NHKホールを埋め尽くすオーディエンスを聴覚と視覚の両方で魅了するライブを繰り広げた。
約2時間におよんだ公演のセットリストを構成するのは、デビュー初期のラブバラード、会場のシンガロングを誘う“あの誰もが知る”大ヒット曲、濃厚ファンクチューンや洋楽カバーなど、まさに百花繚乱、新旧の楽曲の数々。来年のアニバーサリーイヤーへの伏線を張るような練り上げられた選曲であることも特徴だ。久保田は映像や目を見張るような特効といったスペクタクルな演出に一切頼ることなく、約40年にわたって磨き上げた熟練のボーカルを軸に、気心の知れたバンドメンバーが奏でる多彩なアンサンブル、そしてダンサーたちの躍動的なパフォーマンスという“人力”を打ち出したステージを展開。王道かつ“Japanese King of Soul”にふさわしい圧倒的なライブを届けた。
オーディエンスはイントロが耳に飛び込んでくるたびに、踊り出したり、うっとりと熱い視線をステージに送ったり、思い思いの形で久保田利伸のステージを楽しんでいた。なお、最新曲「the Beat of Life」はライブの中盤に配され、久保田はこの曲でみずみずしくもキャリアに裏打ちされた包容力のある歌声を披露。シンガーとしての奥深さと、音楽シーンの第一線で存在感を放ち続ける現役ぶりをオーディエンスにしっかり印象付けた。
「来年になるとデビュー40周年。さまざまな形で僕の音楽を愛していただき、ありがとうございます」と終盤で口にした久保田は、「噂で聞いたんですが……」と前置きして自身のスタッフたちが酔っ払った勢いで来るべき40周年アニバーサリーツアーを“勝手に”企画したことを暴露。今回のツアーが終わったあとも“お楽しみ”が続くことを予告してファンを喜ばせていた。
「佐藤さん、いつものでよろしいですか?」はこのあと、神奈川、愛知、福岡ほかで展開され、2025年1月22日に大阪・フェスティバルホールでファイナルを迎える。
TOSHINOBU KUBOTA CONCERT TOUR 2024-2025「佐藤さん、いつものでよろしいですか?」(※終了分は割愛)
2024年11月7日(木)東京都 豊洲PIT
2024年12月4日(水)神奈川県 神奈川県民ホール
2024年12月5日(木)神奈川県 神奈川県民ホール
2024年12月19日(木)静岡県 静岡市民文化会館大ホール(追加公演)
2024年12月21日(土)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
2024年12月22日(日)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
2025年1月4日(土)福岡県 福岡サンパレス
2025年1月5日(日)福岡県 福岡サンパレス
2025年1月7日(火) 熊本県 熊本城ホールメインホール(追加公演)
2025年1月15日(水)大阪府 フェスティバルホール(追加公演)
2025年1月16日(木)大阪府 フェスティバルホール(追加公演)
2025年1月21日(火)大阪府 フェスティバルホール
2025年1月22日(水)大阪府 フェスティバルホール