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「Voyager」携えたTHE SPELLBOUNDが見据える未来「人生に寄り添う音楽を作り続けます」

THE SPELLBOUND「BIG LOVE TOUR Vol.2 2024 -Voyager-」東京・EX THEATER ROPPONGI公演の様子。(撮影:タカギユウスケ)
約1年前2024年11月05日 12:02

THE SPELLBOUNDのワンマンツアー「BIG LOVE TOUR Vol.2 2024 -Voyager-」のファイナル公演が11月3日に東京・EX THEATER ROPPONGIにて開催された。

新アルバムを経たTHE SPELLBOUNDの最新モード

昨年のBOOM BOOM SATELLITESデビュー25周年記念ツアー「BIG LOVE TOUR -BOOM BOOM SATELLITES 25th Anniversary Special-」を経て、今年は自主企画「BIG LOVE」シリーズの開催や野外フェス「FUJI ROCK FESTIVAL '24」への出演を挟み、8月には2枚目となるフルアルバム「Voyager」を発表したTHE SPELLBOUND。「BIG LOVE TOUR Vol.2」はこのアルバムの発売を記念して行われたツアーで、9月から11月までの約3カ月で全国6会場を巡った。

新アルバムのレコ発だけあり、今回のツアーはシングル「すべてがそこにありますように。」以前の曲はほとんど入れず、「Voyager」収録曲をメインにしつつBOOM BOOM SATELLITESの楽曲も多数盛り込んだセトリに。さらにゲストボーカルXAIの参加曲も増え、THE SPELLBOUNDの最新モードをありありと示すようなライブとなった。

バラエティ豊かな「Voyager」の魅力が際立つ

THE SPELLBOUNDの楽曲は中野雅之(Programming, B, G)による打ち込みやシンセの音をふんだんに用いた、テクノ的なアプローチの強いナンバーが多くを占めていた。それに対して今回のライブは、小林祐介(Vo, G)による爆音ギター、中野の奏でるソリッドなベース、福田洋子と大井一彌の重厚感あふれるダブルドラムを前面に押し出した「モンスター」でスタート。そのまま前半ではXAIによる美しいコーラスで浮遊感が増幅された「Unknown」、シンプルで力強い四つ打ちをメインに据えた「Speeda」と、バンドならではの力動的なアンサンブルの楽曲が次々と届けられた。

一方で初期曲「A DANCER ON THE PAINTED DESERT」のように言葉を敷き詰めた「約束の場所」以降は曲調が目まぐるしく変化。シンセベースとピアノの音色がクールな印象を醸し出す「おうちへかえろう」、福田と大井による複雑なドラミングフレーズがループする「さらりさらり夢見てばかり」など、バラエティ豊かなミドルチューンがセレクトされた。The Novembersの「Hallelujah」、BOOM BOOM SATELLITESの「FOGBOUND」とカバー曲が続き、本編最後に選ばれたのは「FLOWER」。サビにかけて一気に盛り上がる、THE SPELLBOUNDの中でも特に疾走感に満ちた1曲で終盤を畳みかけた。

9年ぶりのEXシアターには「あの日の続きがあった」

EX THEATER ROPPONGIでライブを行うのは、2015年にBOOM BOOM SATELLITESで出演して以来およそ9年ぶりになったという中野。彼は「(BOOM BOOM SATELLITESとしての)ライブが最後になるんじゃないかとドキドキしていた」と翌年に亡くなる川島道行の病状を心配しながら演奏した当時を振り返りつつ、「今日の景色を見て、『あの日の続きがまだあったな』って確認することができました」と感慨深い様子で語った。さらにライブ中に使用した川島のフライングVのギターについても触れ、「この楽器で奏でられる音でみんなが泣いたり笑ったりしているのを見て、素敵だなって思いました」とライブ中に感じた心情を明かした。

中野の一連のMCを受けて、小林は「中野さんと僕が出会って新しい物語が始まったけど、実はいろんなことが続いていて。大事なものが受け継がれることで、宝物のような時間や思いをもらっています」とBOOM BOOM SATELLITESとTHE SPELLBOUNDの活動がひとつなぎであることを実感。加えて中野は「僕たちは未来のために音楽を作っています。みんなの人生のためだけに音楽を作っていると言っても過言ではない」「これから続いていく僕たちの人生、ここに集まったみんなの人生に寄り添う音楽をこれからも作り続けます」と宣言した。

なお中野はライブ直前、自身のX公式アカウントで「Cowgirl知ってる人( ̄Д ̄)ノ」と投稿していたが、これはアンコールの伏線として仕込まれていたサプライズで、Underworldの「Cowgirl」を人力ならではのパワフルなアレンジでカバーした。さらにアンコールでは「MOMENT I COUNT」「KICK IT OUT」「STAY」とBOOM BOOM SATELLITESのナンバーを立て続けにプレイ。昨年から今年にかけての活動を踏襲し、再構築するようなパフォーマンスとなった。

THE SPELLBOUNDのEX THEATER ROPPONGI公演の模様は、12月18日にスペースシャワーTVにて放送。また12月20日にはライブBlu-ray「BIG LOVE TOUR -BOOM BOOM SATELLITES 25th Anniversary Special-」が発売されるほか、2025年3月11日には東京・LIQUIDROOMにてindigo la Endとのツーマンライブ「BIG LOVE Vol.5」が行われる。THE SPELLBOUNDの公式ファンクラブ「友の会」では会員を対象に、11月17日23:59まで「BIG LOVE Vol.5」のチケットの先行予約を受け付けている。

セットリスト

THE SPELLBOUND「BIG LOVE TOUR Vol.2 2024 -Voyager-」2024年11月3日 EX THEATER ROPPONGI

01. モンスター
02. Unknown
03. 世界中に響く耳鳴りの導火線に火をつけて
04. Speeda
05. MORNING AFTER(オリジナル:BOOM BOOM SATELLITES)
06. すべてがそこにありますように。
07. 約束の場所
08. LOTUS
09. LAY YOUR HANDS ON ME(オリジナル:BOOM BOOM SATELLITES)
10. おうちへかえろう
11. さらりさらり夢見てばかり
12. 花が咲くみたいに
13. Hallelujah(オリジナル:The Novembers)
14. FOGBOUND(オリジナル:BOOM BOOM SATELLITES)
15. FLOWER
<アンコール>
16. Cowgirl(オリジナル:Underworld)
17. MOMENT I COUNT(オリジナル:BOOM BOOM SATELLITES)
18. KICK IT OUT(オリジナル:BOOM BOOM SATELLITES)
19. STAY(オリジナル:BOOM BOOM SATELLITES)

BIG LOVE Vol.5

2025年3月11日(火)東京都 LIQUIDROOM
<出演者>
THE SPELLBOUND / indigo la End

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