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YOASOBIの“原点”が東京ドームに出現、5年前と今をつないだ「超現実」

YOASOBI(Photo by Kato Shumpei)
8分前2024年11月10日 23:07

YOASOBIにとって初めてのドーム公演「YOASOBI 5th ANNIVERSARY DOME LIVE 2024 “超現実”」が昨日11月10日に東京・東京ドームにて幕を閉じた。

トータル17万人を動員したドーム公演

デビュー5周年を記念して、10月26、27日に大阪・京セラドーム大阪、11月9、10日に東京ドームで行われた本公演。チケットはソールドアウトし、京セラドーム大阪2日間合計で約7万人、東京ドーム2日間合計で約10万人、全公演トータルで約17万人を動員した。セットリストはデビュー曲「夜に駆ける」をはじめ、世界的に大ヒットした「アイドル」、最新曲「New me」などを含む全25曲で構成され、YOASOBIの2人は楽曲の世界観を拡張した“超現実”を見せる演出の中でパフォーマンスを繰り広げた。

モンスターが巨大LEDビジョンを切り裂きライブスタート

開演時刻になると、全長75mの巨大LEDビジョンにYOASOBIロゴが映し出され、10カウントの後、観客たちが腕に装着した制御ライト「フリフラ」が一斉に光りだす。客席の期待が高まる中、モンスターの爪が超巨大モニターを切り裂き、レーザー32台、バタフライビーム83台、合計照射口数530口が放つレーザー光線が会場を満たすと、ステージ上部に2人のシルエットが。モンスターを模したキュートなパフジャケットを着たikuraは「最高の時間をお約束します。ぶちあげていきますよ! 東京!」と言い放つ。するとステージ上で音玉と花火が打ち上がり、1曲目「セブンティーン」の演奏がスタートした。

オープニングからYOASOBIの背後に姿を潜ませていたピンクのモンスターの姿があらわになり始まったのは「怪物」。ステージ上部からバンドメンバーのもとへと降り立ったikuraとAyaseは、炎が吹き上がる中で挑発的なパフォーマンスを展開していく。ikuraが「思いっきりかかってこいよ東京!」と焚きつけると、客席から熱い声援がステージに降り注いだ。

“原点”のダイニングルームから届けたのは

アコースティックギターの音色が軽快に彩る「ハルジオン」「好きだ」ではikuraの優しい歌声がドームいっぱいに広がる。Ayaseも穏やかな表情で観客にクラップを促し、会場がピースフルなムードに包まれた。「もう少しだけ」ではステージ上手の街のセット、「海のまにまに」「優しい彗星」ではステージ下手の自販機が置かれた海辺のベンチのセットの中に入ってパフォーマンスを披露したYOASOBI。映像とセットを融合したドラマチックな演出で、より深く楽曲の世界に観客をいざなった。

10月の京セラドーム大阪公演から始まり、USツアーや「NHK紅白歌合戦」出場、初の有観客ライブとなった東京・日本武道館公演の裏側などYOASOBIの快進撃を振り返る記録映像が上映され、2020年3月の「たぶん」の制作風景までたどり着くと、センターステージには小さなキッチン、こたつ、ソファなどが置かれた部屋のセットが出現。Ayaseがこたつに入ってPCを操作し、ikuraがソファに座って「たぶん」を歌唱したあと、AyaseはこのセットがYOASOBIを始めた5年前に妹2人と共同生活を送っていた部屋を再現したもので、この部屋で「夜に駆ける」から「たぶん」までの楽曲を制作したことを明かした。

新旧YOASOBIバンドが集結

「ハルカ」を歌ったあと、YOASOBIは冷蔵庫の中からグループに関するクイズが書かれたカードを取り出し、突然のクイズタイムを展開。ここではikuraが長年ジェットコースターのことを「ゼットコースター」だと勘違いしていたことや、Ayaseが自由に鳥肌を立たせるという1000人に1人しかいない特技を持つことが明かされた。そしてYOASOBIの原点とも言える部屋のセットのステージで、本日11月11日にリリースしたばかりの新曲「New me」をパフォーマンス。フレッシュなステージを披露したYOASOBIの2人が一度退場すると、メインステージでブラックのスーツをまとった仄雲(Dr)、やまもとひかる(B)、ミソハギザクロ(Key)、AssH(G)というバンドメンバーが改めて紹介された。

バンドメンバーと同様にブラックのスーツスタイルに着替えたAyaseもステージにそろうと、ikuraがクラシカルな雰囲気のブラックドレスにベール付きのつば広ハットをかぶって奈落からせり上がって登場。荘厳な雰囲気の中でYOASOBIは「勇者」を届け、会場を圧倒する。その後、一筋のスポットライトに照らされたikuraはアカペラで「あの夢をなぞって」のワンフレーズを歌唱。ステージが明るく照らされると、ステージにはオリジナルバンドメンバーの仄雲、山本、ミソハギ、AssHに、現在YOASOBIバンドに参加しているAmano Tatsuya(Dr / Crossfaith)、田口悟(G / RED in BLUE)が加わったツインドラム、ツインギター、ベース、キーボードの編成で改めて「あの夢をなぞって」と「三原色」を届け、拍手喝采を浴びた。

いよいよ放たれた「アイドル」そして明かされる2人の思い

そしていよいよ放たれるYOASOBI最大のキラーチューン「アイドル」。ikuraはセンターステージでキッズダンサーに囲まれながら熱唱し、Ayaseは会場のすべてが見渡せるステージの最後方でパワフルにパッドを叩く。曲が終わり、大歓声を浴びたAyaseは「東京ドーム、お前らマジ最高すぎ!ありがとう!」と破顔。続けて「こんな景色マジで観たことない。5年前は、こんな景色が見れて、その中心に自分がいるなんて思ってもみなかった。本当にみんなのおかげ」とファンに感謝の思いを伝え、深々とお辞儀をした。

Ayaseの真摯な思いを乗せ、ikuraは10月にリリースした楽曲「モノトーン」を熱唱。その後、ikuraは、YOASOBIとして18歳の頃にデビューし、グループの活躍に伴いめまぐるしく変化していく環境に戸惑いながらも、YOASOBIのikuraらしさを追求してきた日々を振り返る。「また悩みもがく日々も来るだろうけれど、今はファンの皆さんやチームの皆さん、孤独の痛みを和らげてくれる大切な存在がいる。これからもワクワクするような未来、見たことのない景色、新しい音楽を探していきたいし、そこで輝くikuraになりたい。ikuraとして生きていく覚悟を決めました。私の夢もチームみんなの夢も、ここに来てくれたみんなの夢も全部乗せてもっともっとYOASOBIは大きくなっていくと思うし、朽ちることなく前に進んでいきたい」とikuraは語り、そんな思いを込めて「アンコール」を歌い上げた。

気球に乗ったりミドリーズと踊ったり

終盤でikuraとAyaseは直径8mの気球に乗り込み、ドーム内を移動しながら「ラブレター」を披露。続く「アドベンチャー」ではバンドメンバーもカートに乗ってアリーナへ出動し、客席にグッズを投げ入れた。センターステージに集ったYOASOBIとバンドメンバーは、スペシャルゲストとしてミドリーズとキッズダンサーたちを呼び込み、踊りながら「ツバメ」を披露。本編の最後はもちろん、ファンと一緒に歌う「群青」。「ありのままのかけがえのないみんなだ!」とikuraが呼びかけると、観客たちはより大きな声で歌った。

ずっとここにいたいと思っちゃった

エンドロールが終わったあとも鳴り止まない歓声を受けてステージに戻ったYOASOBIは「舞台に立って」を披露。ikuraがエレキギターを抱えて歌声を届け、間奏ではAssHと向き合ったり、やまもとと背中合わせになったりしながらギターをかき鳴らした。「終わりたくなさ過ぎる」「ずっとここにいたいと思っちゃった」と笑いあったAyaseとikura。サポートしてくれたスタッフへ観客とともに拍手を送ったあと、本編で披露されなかったヒット曲「夜に駆ける」を心を込めて届ける。過去のライブ映像とシンクロする演出も観客の涙を誘った。観客をバックに「YOASOBI」の掛け声で記念撮影をしたYOASOBIは名残惜しそうにステージをあとに。ビジョンでは2025年に初のホールツアーを開催することが発表され、余韻が残る客席に明かりが灯った。

日本での公演を終えたYOASOBIは12月7、8日の韓国・INSPIRE ARENA公演を皮切りに、アジアツアー「YOASOBI ASIA TOUR 2024-2025 “超現実 cho-genjitsu”」へと繰り出す。

セットリスト

YOASOBI 5th ANNIVERSARY DOME LIVE 2024 “超現実” 2024年11月10日 東京ドーム

01. セブンティーン
02. 祝福
03. 怪物
04. UNDEAD
05. ハルジオン
06. 好きだ
07. もう少しだけ
08. 海のまにまに
09. 優しい彗星
10. たぶん
11. ハルカ
12. New me
13. 勇者
14. あの夢をなぞって
15. 三原色
16. アイドル
17. モノトーン
18. アンコール
19. HEART BEAT
20. ラブレター
21. アドベンチャー
22. ツバメ
23. 群青
<アンコール>
24. 舞台に立って
25. 夜に駆ける

YOASOBI HALL TOUR 2025 スケジュール

2025年7月13日(日)熊本県 熊本城ホール メインホール
2025年7月16日(水)熊本県 熊本城ホール メインホール
2025年7月18日(金)熊本県 熊本城ホール メインホール
2025年7月19日(土)熊本県 熊本城ホール メインホール
2025年8月5日(火)石川県 本多の森 北電ホール
2025年8月6日(水)石川県 本多の森 北電ホール
2025年8月8日(金)石川県 本多の森 北電ホール
2025年8月9日(土)石川県 本多の森 北電ホール
2025年8月18日(月)静岡県 静岡市清水文化会館(マリナート) 大ホール
2025年8月19日(火)静岡県 静岡市清水文化会館(マリナート) 大ホール
2025年8月21日(木)静岡県 静岡市清水文化会館(マリナート) 大ホール
2025年8月22月(金)静岡県 静岡市清水文化会館(マリナート) 大ホール
2025年9月2日(火)新潟県 新潟県民会館 大ホール
2025年9月3日(水)新潟県 新潟県民会館 大ホール
2025年9月5日(金)新潟県 新潟県民会館 大ホール
2025年9月6日(土)新潟県 新潟県民会館 大ホール
2025年9月9日(火)三重県 三重県文化会館 大ホール
2025年9月11日(木)三重県 三重県文化会館 大ホール
2025年9月12日(金)三重県 三重県文化会館 大ホール
2025年9月17日(水)鳥取県 米子コンベンションセンター BiG SHiP
2025年9月18日(木)鳥取県 米子コンベンションセンター BiG SHiP
2025年9月25日(木)和歌山県 和歌山県民文化会館 大ホール
2025年9月27日(土)和歌山県 和歌山県民文化会館 大ホール
2025年9月28日(日)和歌山県 和歌山県民文化会館 大ホール
2025年10月10日(金)岩手県 トーサイクラシックホール岩手(岩手県民会館)大ホール
2025年10月11日(土)岩手県 トーサイクラシックホール岩手(岩手県民会館)大ホール
2025年10月16日(木)岡山県 倉敷市民会館
2025年10月17日(金)岡山県 倉敷市民会館
2025年10月24日(金)北海道 帯広市民文化ホール 大ホール
2025年10月25日(土)北海道 帯広市民文化ホール 大ホール
2025年10月27日(月)北海道 函館市民会館 大ホール
2025年10月28日(火)北海道 函館市民会館 大ホール
2025年10月30日(木)福島県 いわき芸術文化交流館アリオス アルパイン大ホール
2025年10月31日(金)福島県 いわき芸術文化交流館アリオス アルパイン大ホール
2025年11月12日(水)愛媛県 松山市民会館 大ホール
2025年11月13日(木)愛媛県 松山市民会館 大ホール
2025年11月15日(土)山口県 KDDI維新ホール
2025年11月16日(日)山口県 KDDI維新ホール
2025年11月29日(土)沖縄県 沖縄コンベンションセンター 展示棟
2025年11月30日(日)沖縄県 沖縄コンベンションセンター 展示棟

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