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蓮沼執太が「歌」「エレクトロ」「ピアノ」で観客をかき回すコンセプトライブ、盛況で幕

「SCP」より「S」パフォーマンスの様子。(撮影:濵本奏)
10分前2024年12月03日 9:02

蓮沼執太のソロライブ「SCP」が11月30日に東京・WWWで開催された。

公演タイトル「SCP」は、“Sing”“Club”“Piano”の頭文字を取ったもの。本編はそれぞれをテーマにした3部構成となっており、「S」ではイトケン(Dr)、石塚周太 (G, B)とのトリオ編成で歌モノが、「C」では最新ソロアルバム「unpeople」のツアー体験を生かした立体音響の電子音によるクラブセットが、「P」では蓮沼の原点とも言えるピアノソロ演奏が披露されるというコンセプトだ。

「S」イトケンと石塚周太と蓮沼執太

ライブはまず「Sing」のパートでスタート。1曲目の気負いもなく、ごく自然な流れで「the unseen」を奏で始めた3人は、ミニマムな音数ながらも時折ノイジーなギターが入り混じる独特なアレンジで、あっという間に観客を魅了した。「『SCP』に、ようこそいらっしゃいました。皆さんをかき回す構成になっていますので、今日は2時間弱、楽しんでいってください」と挨拶した蓮沼は、続けて「起点」を歌唱。ドラムがくっきりとリズムを刻みリードするアレンジで、定番曲の新たな表情を見せた。

蓮沼はこの3人だけでライブをするのは今回が初めてだと話し、「3人でやるために作ったような曲」だという新曲「土 1234」を初披露。この曲は冒頭の3人によるジャジーなセッションから始まり、後半のサビで「土に生きてる みんな すべて」という歌詞がリフレインされ、オーディエンスに強いインパクトを残した。さらに3人は緊張感が漂うドラマチックな展開が印象的な新曲「Co Hello」や、蓮沼、イルリメ、大原大次郎によるユニット・TypogRAPy時代に作ったという未発表曲「曲線」を畳みかける。ラストには特別ゲストとして蓮沼執太フルフィルメンバーの宮坂遼太郎(Perc)が「Juxtaposition with Tokyo」に参加。宮坂はタンバリンやカウベルを鳴らし、イトケンは素手でドラムを叩くなど、まるで民族音楽のような雰囲気を醸し出した。

「C」ミラーボールと蓮沼執太

「Club」パートでは鋭く放たれるミラーボールの光を背に蓮沼がモジュラーシンセを操り、エレクトロサウンドの楽曲群をシームレスに披露。新曲「Pragma」をはじめ、今年3月のサウンドインスタレーションにて初披露された坂本龍一の音源とのコラボ曲「Silentium」、最新ソロアルバムの収録曲「Emergence」「Weather」、2007年に発表された懐かしのアルバム「HOORAY」から「Uprock Apache」「Exchange Groove」「KFRMX」「No Volatile」といった楽曲が立体音響システムを通して流れ出し、心地よくフロアを満たした。

「P」グランドピアノと蓮沼執太

蓮沼がステージを降り、鍵盤ハーモニカを奏でながらドリンクカウンターやロッカー前などを回遊している間に、フロアの最下段にグランドピアノが設置された。ステージ上にはロープで仕切られた客席スペースも出現し、ピアノの周りを観客が囲むという、蓮沼フィル公演ではお馴染みの“360°方位型”の鑑賞形態へと変化。ピアノの前に座りピンスポットに照らされた蓮沼は、フィナーレにふさわしいゆったりとした柔らかな音色で「wannapunch! - Discover Tokyo - Sunny Day in Saginomiya」を届け、最後に「Hello Everything」をピアノ演奏用にリワークした「HER(Hello Everything Rework)」を初披露してライブを締めくくった。

セットリスト

蓮沼執太「SCP」2024年11月30日 WWW

Opening
・Heaven

S

01. the unseen
02. 起点
03. 土 1234
04. Co Hello
05. 曲線
06. Juxtaposition with Tokyo

C

07. Pragma
08. Emergence
09. Uprock Apache
10. Exchange Groove
11. Silentium with Ryuichi Sakamoto
12. KFRMX
13. No Volatile
14. Weather
<Lobby>
15. Irie with Jeff Parker

P

16. wannapunch! - Discover Tokyo - Sunny Day in Saginomiya
17. HER

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