Nulbarichが12月5日に東京・日本武道館にて活動休止前最後のライブ「CLOSE A CHAPTER」を行った。
Nulbarichとは?
NulbarichはシンガーソングライターのJQ(Vo)を中心に2016年に結成。ソウル、ファンク、アシッドジャズなどをベースにした音楽性を特徴とし、メンバーは固定せずにそのときどきに応じてさまざまな演奏形態で活動を行ってきた。約8年におよぶ活動の中で彼らは着実に音楽シーンにおける存在感を高めてきたが、今年に入ってからメンバーとスタッフ間で話し合いを重ねた結果、バンドとして万全の体制で次の目標に向かうため、そしてNulbarichとしてのクオリティを維持していくため2024年をもって活動休止することを決断。これまでの活動を締めくくる場として、日本武道館を選んだ。
13名編成バンドによる集大成ステージ
バンドにとって大きな節目となるこの日は、ボーカルのJQを筆頭に、クアトロギター、トリプルベース、ツインドラム、ツインキーボード、マニピュレーターの合計13名編成のバンドによるパフォーマンスが2時間半にわたって繰り広げられた。楽器隊のメンバーが音を鳴らし場の空気を作り上げたところで、舞台にスモークが立ち込める中、スクリーンに大きくバンド名「NULBARICH」が浮かび上がる。続いてJQが悠然と姿を見せ、武道館という会場にふさわしい「TOKYO」で「CLOSE A CHAPTER」の幕を開けた。
活動休止前最後のライブという位置付けの「CLOSE A CHAPTER」だが悲壮感や湿っぽさはほとんどなく、メンバーは楽しげに息の合ったアンサンブルを紡ぎ、ときにはそれぞれの個性をアピールするようなソロを披露していく。その中心でJQはハンドマイクでステージを躍動しながら、持ち前の清涼感のある歌声を響かせ、心地よい空間を構築。オーディエンスの1人ひとりとコミュニケーションをとるような親密さを見せたかと思えば、次の瞬間にはスタジアムバンドのフロントマンのような貫禄たっぷりの圧倒的なボーカルで会場を包み込み、その幅広い魅力を改めて会場に集まった全員に印象付けた。
JQの宣言「全部噛み締めてやるんだ」
MCらしいMCも挟まず、24曲を一気に披露した13人。JQは「うんざりだよ、歌うのなんて! 飽きたわ」と言いながらも充実感をにじませた表情を浮かべる。そして温かな拍手を浴びながら、「2016年からやり始めて、あっという間に中堅扱いされて、一瞬だった。とにかく、ありがとう。この8年間はみんなが作ってくれたんです」と柔らかくほほえんだ。Nulbarichが「CLOSE A CHAPTER」のラストナンバーとして選んだのは2019年2月にリリースされたミディアムチューン「Sweet and Sour」。JQは「人生とは悲しいときも楽しいときもあります。でも、どうせなら酸っぱい味も、辛い味も、甘い味も味わったほうが、きっとフラッシュバックさせるときにいっぱいあったほうがいいっしょ?思い出なんて。全部噛み締めてやるんだ」とこれからもNulbarichが続いていくことを示唆するように語り、曲中ではメンバー1人ひとりの名前を愛おしそうに叫ぶ。そんな中で13人の新たな門出を祝福するように、きらびやかな紙吹雪が盛大に吹き上がった。
終演後にはスクリーンに最新曲「Lights Out feat.Jeremy Quartus」のミュージックビデオが上映され、ライブ後のしみじみとした余韻を演出。一抹の寂しさが武道館内に漂うが、突如12月11日にニューアルバム「CLOSE A CHAPTER」がリリースされることが告知され場内がざわめく事態に。「Nulbarichの旅はまだ続く」。そう思わせるようなエンディングに長い間拍手が鳴り止まなかった。なお、各サブスクリプションサービスではライブのセットリストをもとにしたプレイリストを公開中。
セットリスト
Nulbarich「CLOSE A CHAPTER」2024年12月5日 日本武道館
01. TOKYO
02. Stop Us Dreaming
03. NEW ERA
04. Handcuffed
05. Backyard Party
06. Lucky
07. SMILE
08. Cigarette Butt
09. Spread Butter On My Bread
10. JUICE
11. In Your Pocket
12. Super Sonic
13. STEP IT
14. Liberation
15. Zero Gravity
16. Follow Me
17. VOICE
18. It's All For Us
19. Floatin'
20. It's Who We Are
21. Kiss You Back
22. A Roller Skating Tour
23. Almost There
24. Skyline
25. Sweet and Sour