ヤングスキニー初のホールワンマンツアー「“老いてもヤングスキニーツアーvol.5”~サブタイトルもう思い付きま編~」が12月14日に山梨・ふじさんホールで閉幕した。
かやゆーが高校まで過ごしていた富士吉田
しおん(Dr)の地元である埼玉のサンシティホールで10月にスタートした「“老いてもヤングスキニーツアーvol.5”~サブタイトルもう思い付きま編~」。全12公演で構成されるこのツアーの終着地となったのは、かやゆー(G, Vo)が高校生まで過ごしていた地元・山梨県富士吉田市にあるふじさんホールだ。館内から富士山を望める、富士北麓一帯の文化活動の拠点とも言えるこの会場。かやゆーにとって幼少期から馴染み深く、バンドとしてステージに立つことを目標に掲げていたふじさんホールは、県内外から集まったファンで満員となった。
開演を迎えると場内が暗転し、ステージを覆う紗幕にはヤングスキニーのロゴが映し出される。その後、浮かび上がったのはかやゆー(G, Vo)、ゴンザレス(G)、りょうと(B)、しおん(Dr)のシルエット。幕が勢いよく落ちて4人の姿があらわになると、オーディエンスは一斉に立ち上がって歓喜の声を上げた。公演の1曲目を飾ったのは「有線ラジオで僕の歌が流れていたらしい」。彼らは強靭なアンサンブルを轟かせて観客を圧倒し、パンキッシュなナンバー「死ぬまでに俺がやりたいこと」になだれ込むと、奔放なプレイを繰り広げて勢いを加速させた。
ゴンザレスはスパイクヘアで気合い十分
最新アルバム「BOY & GIRLS」からセレクトされた1曲目、2曲目を経て、ヤングスキニーのキャリアを彩ってきたノンフィクション的な詞世界のラブソングがサポートメンバーの榎本響(Key)とともに多数披露されていく。アップチューン「ヒモと愛」では、しおんが「かかってこいや!」と挑発しながら乱れ打つようなドラミングでリードし、「愛の乾燥機」ではゴンザレスがメロディアスなギターで観客の心に揺さぶりをかけた。興奮渦巻く場内でしおんは「かやゆーくんの地元に帰って来てうれしく思います」と喜びを言葉にし、りょうとは「最高のライブにします!」と宣言。髪を立ち上げたスパイクヘアのゴンザレスは「髪を切りたて、染めたてでウニになっちゃいました」と気合い十分な様子を見せた。
ゴンザレスの憂いを帯びたギターやりょうとが軽やかに刻むベースが印象的な「別れ話」をきっかけに、「雪月花」「好きじゃないよ」というバラードが連なると、観客は切ない楽曲の世界観にじっくりと浸る。さらに「コインランドリー」「ベランダ」といったメロウなナンバーも披露され、会場をチルなムードで包み込んだ。
ふじさんホールの思い出
かやゆーはふじさんホールの思い出について「幼稚園のお遊戯会で歌ったり、成人式にも出ましたね」と語りつつ、「同級生にモテたいと思ったのがきっかけでバンドを始めたから、自分の身近な場所でライブをやったら同級生にカッコいいと思ってもらえるかなって。今日、ちょっとした夢が叶ってよかったです」と笑顔を見せた。そして代表曲の1つ「本当はね、」、ご機嫌なドライブチューン「ロードスタームービー」では高揚感に満ちたサウンドに合わせてオーディエンスがハンズアップし、ホールの一体感が高まった。
「ハナイチモンメ」で見せ場を作ったのは作曲を手けたゴンザレス。ヤングスキニーにとって新境地とも言えるボカロ調のこの曲で、ゴンザレスはソリッドなギターフレーズを炸裂させた。かやゆーが上京当時の思いをつづった「東京」、喪失感を描く「さよなら、初恋」でどこかノスタルジックなムードを漂わせたあと、「精神ロック」「らしく」でロックバンドとしての生き様を刻みつけるように轟音を響かせたヤングスキニー。カラフルなライトを浴びながら彼らは「愛すべき日々よ」で熱いメッセージを届け、本編を終えた。
また帰って来れるように
アンコールを求めるファンの熱烈な声に応えて、ステージに戻ってきたメンバーは、かやゆーが自作曲の中で初めて親に聴かせたという「憂鬱とバイト」を披露。ここで、かやゆーは高校時代を思い返しながら「常になんとかなるだろうと思って生きてきたんだけど、その頃は音楽やるなんて思ってなくて。学校も行かなくなって、高校からバンドをちゃんと始めて、気が付いたらふじさんホールで演奏できました。最近は曲が書けなくなったらどうなるだろうって思うこともありますけど、なんとかなると思って強がって生きてます。漠然としてるけど、大切な気持ちだけは変わらずに、自分を持ってこれからも生きていきたいなって思ってます」と自身の思いを伝えた。ラストソングは「誰かを救ってやる暇などないけど」。まっすぐなメッセージとともに熱のこもったパフォーマンスが届けられ、ホールには割れんばかりの拍手がこだました。最後にかやゆーは「また帰って来れるようにがんばります」と決意を述べ、メンバーは笑顔で手を振りながら舞台を去った。
ヤングスキニーは2月4日に東京・渋谷CLUB QUATTROで男性限定ライブ「第二回ヤンスキ漢祭」を行い、9日に大阪・Billboard Live OSAKA、11日に東京・Billboard Live TOKYOで2部制の単独公演を開催。5月から7月にかけてワンマンライブと対バンライブで構成されるライブツアー「“老いてもヤングスキニーツアー vol.6”」も実施する。
セットリスト
「“老いてもヤングスキニーツアーvol.5”~サブタイトルもう思い付きま編~」12月14日 ふじさんホール
01. 有線ラジオで僕の歌が流れていたらしい
02. 死ぬまでに俺がやりたいこと
03. 愛鍵
04. ヒモと愛
05. 愛の乾燥機
06. 別れ話
07. ゴミ人間、俺
08. 美談
09. 雪月花
10. 君じゃなくても別によかったのかもしれない
11. 好きじゃないよ
12. コインランドリー
13. ベランダ
14. 本当はね、
15. ロードスタームービー
16. ハナイチモンメ
17. 東京
18. さよなら、初恋
19. 精神ロック
20. らしく
21. 愛すべき日々よ
<アンコール>
22. 憂鬱とバイト
23. 誰かを救ってやる暇などないけど
公演情報
ヤングスキニー「第二回ヤンスキ漢祭」
2025年2月4日(火)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
ヤングスキニー at Billboard Live OSAKA and TOKYO 2025
2025年2月9日(日)大阪府 Billboard Live OSAKA
[1st]OPEN 15:30 / START 16:30
[2nd]OPEN 18:30 / START 19:30
2025年2月11日(火・祝)東京都 Billboard Live TOKYO
[1st]OPEN 15:30 / START 16:30
[2nd]OPEN 18:30 / START 19:30
ヤングスキニー「“老いてもヤングスキニーツアー vol.6”」
2025年5月8日(木)東京都 LIQUIDROOM(※ゲストあり)
2025年5月11日(日)宮城県 SENDAI GIGS
2025年5月13日(火)岩手県 Club Change WAVE
2025年5月16日(金)新潟県 NIIGATA LOTS
2025年5月24日(土)香川県 高松festhalle
2025年5月25日(日)高知県 CARAVAN SARY
2025年5月31日(土)広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
2025年6月1日(日)鳥取県 米子AZTiC laughs
2025年6月13日(金)大阪府 GORILLA HALL OSAKA(※ゲストあり)
2025年6月14日(土)石川県 金沢EIGHT HALL
2025年6月20日(金)北海道 Zepp Sapporo
2025年6月21日(土)北海道 帯広MEGA STONE(※ゲストあり)
2025年6月26日(木)大阪府 Zepp Osaka Bayside
2025年6月29日(日)鹿児島県 CAPARVO HALL
2025年7月2日(水)福岡県 DRUM LOGOS(※ゲストあり)
2025年7月3日(木)福岡県 Zepp Fukuoka
2025年7月10日(木)愛知県 Zepp Nagoya
2025年7月11日(金)愛知県 DIAMOND HALL(※ゲストあり)
2025年7月18日(金)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)