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立花ハジメのレコ発ライブに小山田圭吾、砂原良徳ら登場 オールタイムベストな選曲で会場沸かす

立花ハジメ「Lost New Wave 100% Vol.2 ハジメヨケレバスベテヨシ」の様子。
2か月前2025年01月29日 10:03

立花ハジメのライブ「Lost New Wave 100% Vol.2 ハジメヨケレバスベテヨシ」が1月22日に東京・渋谷CLUB QUATTROにて開催された。

本公演はオールタイムベストアルバム「hajimeht(ハジメ・エイチ・ティー)」のリリースを記念して行われたもの。プラスチックスのギタリストとして1970年代末~80年代初頭のテクノポップ黎明期にワールドワイドに活躍し、82年にはサックスを手にソロに転じ数々の作品をリリース、以降もソロと併行してさまざまなバンドやユニットで活動を展開してきた立花。この日のライブではヤン富田、小山田圭吾、砂原良徳といった豪華ゲストを交えつつ、彼の長きにわたるキャリアの中から多彩な楽曲が届けられた。

第1部:Hm

オープニングDJのOzaki Sohoがフロアを盛り上げたのち、本公演の総合プロデューサーを務める高木完が進行MCとして登場。彼の呼び込みで、立花がサックスを片手にステージに現れると盛大な拍手が沸き起こった。この日の公演は4部構成となっており、第1部では、立花(Sax)、矢口博康(Sax)、momo(Key)、ヒナ(Dr)からなるHmのライブが行われた。立花は切れ味鋭いブロウや力強いロングトーンなどを織り交ぜながら、衝動と閃きに満ちあふれたエネルギッシュなパフォーマンスを見せつけ、フロアのテンションを引き上げていく。Hmは「If」「Liquid」「H」といった立花のソロ初期曲やKraftwerk「Trans Europe Express」のカバーなどを演奏。特定のカテゴリーで形容できないようなジャンルレスかつ独創的なサウンドを届けてステージをあとにした。

演奏終了後、満足そうな表情を浮かべた立花は「あまり、こんな機会もないので何かご質問でも」と観客に呼びかける。段取りにない突然の展開にMCの高木が「パイセン、早いです!(笑) まだまだショーは続くんですから」とあわててたしなめると、立花は「そう、いいんじゃない?」とポツリ。先ほどまでの緊張感あふれる雰囲気が一変し、会場は和やかな空気に包まれた。

第2部:立花ハジメ×ヤン富田

ステージにスティールパンのセットが運び込まれ、立花とゲストのヤン富田が登場。2人が1曲目に披露したのはハワイのシンガー、サム・カプーが71年に発表した「ちょっと待ってください」。英語詞と日本語詞が入り混じる異国情緒漂う楽曲だ。「僕はパンクでニューウェーブな曲をやりたかったんだけど、トミヤンにこの曲をやろうって言われて」と選曲にまつわるエピソードを明かしたのち、立花は富田が爪弾くエレキギターの伴奏に載せて、つぶやくように穏やかな歌声を聞かせた。続けて届けられたのは富田のユニットDOOPEESの楽曲「Some Day, That Place In Time」。富田が奏でるスティールパンのみずみずしい音色に、立花がアバンギャルドなサックスのハイトーンを重ね、夢と現実を行き来するような摩訶不思議な音世界が生み出された。

第3部:立花ハジメとLow Powers

次のアクトは立花ハジメとLow Powers。立花がおもむろにエレキギターを手にしてコードをかき鳴らすと、変則チューニングのストレンジな響きが爆音で会場を揺らす。立花はそのままソロでギタープレイを続け、途中からヒナがタイトなドラミングで彼の演奏を後押しすると場内の興奮が一気に高まっていく。そこにeri(Vo)、大野由美子(B / (Buffalo Daughter)、momo(key)が加わり「Sleeper」の演奏がスタート。5人は続けざまに「ネオンボーイ」「真摯」「泣いてどうなる!?」といった楽曲を、バンド名そのままに生々しくパワフルに届けていく。立花の奔放なギタープレイをバンドがどっしりと支え、表情豊かなeriの歌声が楽曲にカラフルな色彩を添える。ミドル90’sのオルタナティブなムードを現代にアップデートしたかのようなエッジーなサウンドで観客を魅了したLow Powers。最後は「今年もよい年になりますように」という立花の提案で、メンバーと観客が手拍子を合わせて息災祈願を行った。

第4部:立花ハジメ×小山田圭吾×砂原良徳

転換を経て、ステージには立花、小山田圭吾(G)、砂原良徳(Key)が登場。小山田と砂原がシーケンサーやギターを駆使して、ダークなアンビエントサウンドをインプロビゼーションで作り上げると、場内に緊張感漂う雰囲気が広がっていく。すると張りつめた空気を切り裂くように、立花のサックスが狂おしく鳴り響き、それを合図に3人は「Steel Necro Music」の演奏になだれ込んでいった。矢口、ヒナ、momoがセッションに加わった「Beauty」では立花がハーモニカをプレイ。本編ラストはプラスチックスの「Peace」で締めくくられた。

アンコールでは、この日の全出演者がステージに勢ぞろい。豪華な顔ぶれに観客が沸く。最後の1曲に選ばれたのは立花ハジメとLow Powersの「Sleeper」。この曲は、高木が97年に発表したアルバム「ARTMAN」の収録曲「あんなかるいのにな」を改題し、カバーした作品だ。eriとともにボーカルを務めた高木は、粋な計らいに、酔いも手伝い上機嫌で楽曲を歌唱した。最後は全出演者がステージ上で記念撮影。ハッピーな雰囲気でライブはフィナーレを迎えた。

セットリスト

立花ハジメ「Lost New Wave 100% Vol.2 ハジメヨケレバスベテヨシ」2025年1月22日 渋谷CLUB QUATTRO

第1部:Hm

01. Piano Pillows(立花ハジメ サックスソロ)
02. If
03. Throppin'
04. 6/8
05. Disney
06. Liquid
07. H~if(Slight Return)
08. Trans Europe Express

第2部:立花ハジメ×ヤン富田

09. ちょっと待ってください
10. Some day, That place in Time

第3部:立花ハジメとLow Powers

11. Untitled #1
12. Untitled #2
13. Sleeper
14. ネオンボーイ
15. 真摯
16. スピード
17. 泣いてどうなる!?
18. メドレー~愛のテーマ
19. 10篇の詩によるギタリストを撃て!
20. Goo Goo Itch
21. 私はあなたに所属したい

第4部:立花ハジメ×小山田圭吾×砂原良徳

22. Impro~Steel Necro Music
23. Beauty
24. Peace
<アンコール>
25. Sleeper

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