京都芸術大学が完全オンラインで音楽制作を学ぶことができる芸術学士課程「通信教育部芸術学部文化コンテンツ創造学科音楽コース(音楽コース)」を2026年4月に開設。このコース新設を発表する記者会見が本日7月12日に行われ、学長の佐藤卓、准教授のエガワヒロシ、講師を務める工藤大輝(Da-iCE)、SWAY(DOBERMAN INFINITY)、Night Tempo、松隈ケンタ、宅見将典、三宅彰が登壇した。
「音楽コース」は音楽の経験値を問わず、DTM(デスクトップミュージック)を通じて創造、理論、テクニックを基礎から学ぶことができる、完全オンラインによる学士課程。オリコンのヒットチャートベスト20内の楽曲を1000曲以上生み出したフジパシフィックミュージックと提携し、現役アーティストやプロデューサーによる指導が予定されている。講師を務めるのは前出の6名と特別講師の秋元康をはじめ、いしわたり淳治、今井了介、原文雄、本間昭光、松浦晃久、三浦大知、みきとP、屋敷豪太、U-KIRIN、音楽ジャーナリストの柴那典、ParadeAll株式会社代表取締役 / エンターテック・コンサルタントの鈴木貴歩といったそうそうたる面々となっている。
まず学長の佐藤は京都芸術大学にとって念願だったという音楽コースが開設できた喜びを熱弁。美大生時代にデザインを学びながらバンド活動もしていたという彼は、デザインか音楽どちらの道を選ぶか迷ったこともあったほど音楽好きであることを明かし、「今はデザインの仕事をしていますが、展覧会やイベントでミュージシャンの方と一緒に仕事をすることがあります。そんなときに音楽をやっていてよかったと思う」「音楽とともに生きていくための選択肢の1つとして広く皆様に知らせたいと思います」と述べた。准教授のエガワは音楽コースの特徴に触れ、楽曲制作に必要な基礎知識だけでなく、世間に発信するための方法や音楽で社会にどのような変化を与えるのかなど、広く柔軟なカリキュラムが用意されていることを説明した。
そして講師として紹介された工藤は「皆さんの創作活動のヒントになるべく、貢献できるようにがんばります」と意気込む。一方SWAYも「僕もまだ勉強中の身ではあるのですが、20年以上音楽の世界で培ってきた経験を生かし、皆さんの個性を引き出すことができれば」と語った。自身も音大に通っていたという宅見は、在学中に感じていたことをヒントに「生徒の皆さんからのニーズを受け取りながら講義していきたい」とコメント。Night Tempoは「今まで経験してきたことを通じて皆さんにお話しできればと思います」と語り、松隈は「今はAIで手軽に音楽が作れる時代ですけど、今まで音楽を作ってきた身としては負けるわけにはいかない。音楽、芸術が作れる人材を育てていきたい」と力強く述べた。三宅は狩猟時代に思いを馳せ、音楽の原点となった人間が喜ぶ感情の大切さについて説いた。
また工藤とSWAYは質疑応答のコーナーにも参加。「学生たちにどのような実践をしていきたいか」という問いに対し工藤は「僕が指導するのは作詞なので、実際の歌詞への添削ですね。僕の経験をもとに、よりよくなる方法を伝えていきたいと思っています」と語った。SWAYは「僕はみんなでビートやリリックを持ち寄って、マイクリレーを実践する授業がやりたいですね。僕自身も皆さんと音楽を楽しみたいと思っています」とコメント。2人の授業の展望に、進行役のクリス・ペプラーが「僕もお2人の授業を受けてみたいです」と言うと、工藤とSWAYが思わず笑みをこぼすひと幕もあった。
