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えびちゅう秋のコンサート「ちゅうおん」初の屋内開催、総勢20名でつむぐ豊かな音楽のひととき

私立恵比寿中学「ちゅうおん2025」の様子。
約1か月前2025年11月07日 7:05

私立恵比寿中学の全編バンド演奏によるコンサート「ちゅうおん2025」が11月2日に神奈川・カルッツかわさき、3日に愛知・愛知県芸術劇場 大ホールにて開催された。「ちゅうおん」は2017年にスタートした、えびちゅう恒例のコンサートシリーズ。これまでは埼玉・秩父ミューズパーク 野外ステージが舞台となってきたが、今年は初の屋内ホール公演かつ2会場での開催となった。この記事ではカルッツかわさき公演の模様をレポートする。

「ちゅうおん」初の屋内ホール、オープニングは嵐のあの曲

通常のえびちゅうライブではホール会場であっても観客総立ちで盛り上がるのが常だが、「ちゅうおん」は着席スタイルで生演奏と歌声にじっくりと耳を傾けるのが醍醐味。その独特のムードは秩父ミューズパークから屋内のホール会場に移っても健在で、開演前はおごそかなムードが漂う。開演予定時刻を迎えると、まずは橋本しん(Sin)率いるえびちゅうバンドがステージへ。ドラム、ベース、ギター、キーボード、コーラス、ホーン、ストリングスカルテットという大所帯が奏でるイントロに乗せて、えびちゅうメンバー8人が登場。モノトーンのシックな衣装に身を包んだ真山りか、安本彩花、中山莉子、桜木心菜、小久保柚乃、風見和香、桜井えま、仲村悠菜が歌い出したそのメロディに大きな歓声と驚きの声が上がった。嵐のナンバー「Troublemaker」だ。

華やかなオープニングに続いて歌われたのは、トリビュートアルバム「アダムとイヴの林檎」に収録されて以来、すっかりえびちゅうのレパートリーとして定着している椎名林檎のカバー「自由へ道連れ」。さらにAwesome City Clubのヒットナンバー「勿底」とバリエーションに富んだカバー楽曲を3連発で披露し、えびちゅうとバンドメンバーは会場に集まったえびちゅうファミリー(私立恵比寿中学ファンの呼称)を歓迎した。

これまでの「ちゅうおん」は自然あふれる秩父の開放的なロケーションを合わせて楽しむべくペンライトの使用が禁じられていたが、屋内ホールとなった今年はメンバーカラーを光らせての応援が可能に。しかし、いつもと異なる雰囲気に少々戸惑っているのか、ペンライトを点灯させたファミリーはちらほら。安本は「皆さん、また新たな『ちゅうおん』、楽しんでいただけてますか? ペンライトを振ったりとか、コール&レスポンスをしたりとか、クラップとか、皆さんと一緒に音楽を楽しんでいけたら」と呼びかけた。

えびちゅう+生演奏の魅力、そして「ちゅうおん」名物ソロメドレー

カバーの選曲はもちろん、えびちゅうのオリジナルナンバーが生演奏によってどのようなアレンジに変化しているのかも「ちゅうおん」ならではの注目ポイントの1つ。ジャージークラブ調のダンスチューン「BLUE DIZZINESS」も、シンセを同期させた生演奏、そしてファミリーのハンドクラップによって大きく生まれ変わる。ベースとドラムのユニゾンがルーディなムードを醸す「キャンディロッガー」はよりルーディに、一歩踏み出す勇気を後押ししてくれる「ボイジャー」はより力強く表現された。

「ちゅうおん」が持つスペシャルな空気感はメンバーにとっても特別なようで、フォーメーションを組んで踊るいつものステージとは違い、1列に横並びになった8人は、心地よい演奏に乗せてじっくりと歌を届ける。「野外を感じられる曲を集めてみました」と紹介された次のブロックでは「露天」「ナガレボシ」「春の嵐」と、えびちゅうの聴き応えある音楽性がたっぷり満喫できる3曲が披露された。

歓声を上げることなく聴き入り、そのままMC中も静かに見守っているファミリーの様子に若干の緊張を感じ取った真山は「うちらも“かかってる”けど、みんなもかかってるんだね」とそのこわばりを解きほぐし、「でもこの中で一番緊張している人を知ってるんです」と小久保を見つめる。ここからは「ちゅうおん」名物となっている、各メンバーのソロ歌唱によるカバー曲メドレーだ。そのトップバッターを任された小久保は「あと20分くらいお水飲んでていいですか」と焦りながらも、JUDY AND MARYの「Over Drive」をはつらつと歌唱。続いて仲村がDAOKO×米津玄師の「打上花火」、桜木がLOVE PSYCHEDELICOの「Your Song」、真山がRUI(柴咲コウ)の「月のしずく」、桜井が絢香の「みんな空の下」、中山が斉藤和義の「やさしくなりたい」、風見が西野カナの「GO FOR IT!!」とそれぞれの声のキャラクターに合ったカバー曲をメドレーでつないでいく。最後は安本がいきものがかりの「ブルーバード」をパワフルに歌い上げる。演歌・歌謡界の新星、新浜レオンに比肩する安本の勇ましいパフォーマンスにはメンバーも大興奮で「あとで教えて」と言い寄った。

総勢20名でつむぐ豊かな音楽

ソロカバーメドレーが終わると、コンサートもいよいよ大詰め。エレキギターでロック感の増した「君のままで」、初のバンドアレンジが実現した最新シングル「SCHOOL DAYS」、バンマス橋本が華麗なピアノさばきを見せる「全力☆ランナー」と3曲が続けて歌われると、椅子に座って鑑賞するファミリーの熱気もじわじわと高まっていく。ライブ定番のアッパーチューン「イート・ザ・大目玉」ではファミリーもたまらず声を上げ、ペンライトと拳を掲げた。メンバーが2人ずつ向かい合ってハモるのが「イート・ザ・大目玉」の特徴だが、集中するあまり真山の視線に気付かず正面を向いて熱唱する仲村に、メンバーとファミリーが「こっちこっち!」と真山のほうを向かせる微笑ましい場面も。ディスコナンバー「オメカシ・フィーバー」ではバンドメンバーが1人ずつソロ回しを披露した。普段はえびちゅうのボイストレーナーとしてメンバーに指導する“えみこ先生”こと西山恵美子も、「ちゅうおん」では1人のバンドメンバー。今回は佐伯ユウスケとの男女混声コーラスでえびちゅうのパフォーマンスを華やかに引き立てた。

生演奏によりひときわエモーショナルな「まっすぐ」でクライマックスを迎えると、えびちゅうはファミリーたちに立ち上がるよう促し、最後にORANGE RANGEの「ラヴ・パレード」を熱唱。総勢20名でつむぐ豊かな音楽のひとときは温かなムードでエンディングを迎えた。

2026年1月には神奈川・Kアリーナ横浜での大規模なワンマンライブ「新春大学芸会2026」の開催を控えるえびちゅう。これに先駆け、11月20日には“Road to Kアリーナ”と銘打ったライブツアー「秋の5都市キャラバンツアー」がスタートする。

セットリスト

私立恵比寿中学「ちゅうおん2025」2025年11月2日 カルッツかわさき

  1. Troublemaker(オリジナル:嵐)
  2. 自由へ道連れ(オリジナル:椎名林檎)
  3. 勿底(オリジナル:Awesome City Club)
  4. BLUE DIZZINESS
  5. キャンディロッガー
  6. ボイジャー
  7. 露天
  8. ナガレボシ
  9. 春の嵐
  10. Over Drive(オリジナル:JUDY AND MARY) / 小久保柚乃
  11. 打上花火(オリジナル:DAOKO×米津玄師) / 仲村悠菜
  12. Your Song(オリジナル:LOVE PSYCHEDELICO) / 桜木心菜
  13. 月のしずく(オリジナル:RUI) / 真山りか
  14. みんな空の下(オリジナル:絢香) / 桜井えま
  15. やさしくなりたい(オリジナル:斉藤和義) / 中山莉子
  16. GO FOR IT!!(オリジナル:西野カナ) / 風見和香
  17. ブルーバード(オリジナル:いきものがかり) / 安本彩花
  18. 君のままで
  19. SCHOOL DAYS
  20. 全力☆ランナー
  21. イート・ザ・大目玉
  22. オメカシ・フィーバー
  23. まっすぐ
  24. ラヴ・パレード(オリジナル:ORANGE RANGE)

公演情報

私立恵比寿中学 Road to Kアリーナ「秋の5都市キャラバンツアー」

2025年11月20日(木)東京都 Kanadevia Hall
2025年11月24日(月・祝)大阪府 東京建物 Brillia HALL 箕面(箕面市立文化芸能劇場)
2025年12月4日(木)広島県 広島CLUB QUATTRO
2025年12月5日(金)福岡県 Zepp Fukuoka
2025年12月12日(金)愛知県 COMTEC PORTBASE

ライブナタリー “私立恵比寿中学 × Juice=Juice”

2025年11月21日(金)東京都 J:COMホール八王子
<出演者>
私立恵比寿中学 / Juice=Juice

私立恵比寿中学「新春大学芸会2026」

2026年1月12日(月・祝)神奈川県 Kアリーナ横浜

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