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トリプルファイヤーがリキッドに帰ってきた!観客を踊らせるファンキーな演奏と吉田の異様な熱唱

吉田靖直(Vo)(Photo by morookamanabu)
7分前2025年12月10日 3:03

トリプルファイヤーが12月4日に東京・LIQUIDROOMでワンマンライブ「アルティメットパーティ15」を開催。彼らがLIQUIDROOMで単独公演を行うのは2018年11月の「アルティメットパーティー6」以来で約7年ぶりとなった。

最新アルバム「EXTRA」のリリース後、「FUJI ROCK FESTIVAL」をはじめとする各地のフェスでも存在感を発揮し、ライブバンドとしての評価を高めているトリプルファイヤー。今回の「アルティメットパーティ15」は、愛知、大阪での「アルティメットパーティー」に続く形で行われ、チケットは彼らの勢いを示す形でソールドアウトとなった。

いきなり吉田が流血「僕がBRAHMANだったら」

フロアが人であふれかえる中、ドラムカウントで始まったのは、トリプルファイヤーの現在の代表曲「相席屋に行きたい」。ピンクの照明が怪しげなムードを醸し出す中、鳥居真道(G)、山本慶幸(B)、大垣翔(Dr)、沼澤成毅(Key)、シマダボーイ(Perc)、池田若菜(Fl, Sax)が長いイントロでパワフルなセッションを繰り広げると、吉田靖直(Vo)が缶ビールを片手に歩いてくる。缶はまだ空いていないようだが、すでに酒が回っているのではないかと思わせるような調子で吉田は歌い始め、「相席屋に行きたい」と何度も唸るように歌う。続けて妙に張り切った様子で「面白いパーティー」を歌い、ライブの開会を宣言した吉田が、プシュッと音を立てて缶ビールを開けると、その音と「乾杯!」というかけ声にディレイがかかって「お酒を飲むと楽しいね」へ。バンドメンバーは寡黙ながら、エネルギッシュに演奏し、吉田もそれに乗って大ぶりなアクションを交えながら声を張り上げる。

すでにライブで定番となっており、鳥居や池田のソロプレイが光る新曲たちや「コインとキノコ」「シルバースタッフ」など7曲を終えたところで、吉田はなぜか指から流血していることを報告。「僕がBRAHMANだったら、顔に付けて盛り上げるんですけど……そういうわけじゃないんで。ただ血が出てズボンで拭くっていうことをやらざるを得ない状況」と伝えた彼は、「でも止まってきたかもしれない。すごいですよね……血小板。人間の修復機能っていうのはよくできていて。何も考えてないのに修復しようとしてくれる本能があるんだなってことが本当にありがたいことだと思います。ありがとうございます!」とMCを切り上げ、バンドは次の曲を演奏し始めた。

リキッドは建物自体がライブハウスだから……

「有名な病気」「Bの芝生」などダウナーな過去曲や、吉田が歌わずに鍵盤ハーモニカを演奏するインスト曲などの“チルアウトゾーン”を経て、吉田は会場のLIQUIDROOMに言及。「普通のライブハウスって建物の中の一部として入ってるんですけど、LIQUIDROOMは建物自体がライブハウスっていう。すごいですよね。ライブをする目的でしか建てられていない建物」と指摘し、「よっぽどライブしてんだろうなって思うじゃないですか? よっぽどちゃんとライブやらないと、ワンマンとかできないんだろうなと思ってやってるんで……がんばろうと思います」と意気込んだ。

さらに7人編成で生まれ変わった「Jimi Hendrix Experience」「次やったら殴る」「ゲームしかやってないから」や「EXTRA」収録曲を織り交ぜて披露し、ファンキーな演奏で熱気を生み出していくトリプルファイヤー。「『アルティメットパーティ15』になりました。15ってのは3の倍数でもあるし、5の倍数でもある」という吉田の取り留めのないひと言から、アッパーな「ギフテッド」「こだわる男」を畳みかけると、新アレンジの「スキルアップ」に突入する。狂騒的なバンドの演奏、「ありがとうございます!」と連呼しながら手を振る吉田、笑顔で踊る観客たち。LIQUIDROOMはカオティックな盛り上がりを見せ、熱狂のうちにライブ本編は締めくくられた。

有名な才能のある人のカバーと一番新しい新曲

本編終了後、ステージには山本が1人で現れ、物販のグッズを紹介。ライブ中とは打って変わって雄弁なMCでアンコールまでの時間をつなぐ。今回のグッズではない「抱きしめたい」と書かれたTシャツを着た彼は、それがコロナ禍の自粛期間にLIQUIDROOMのプロジェクトで作られたものだと紹介すると「次またリキッドでワンマンできるときに着てやろうと思ったら時間がかかってしまいました。全然アルバムも出ないし……コロナも終わった感じはするので、着てここに立ててよかったです」と喜びをコメント。「今日の吉田のMCは悪いほうだったのでなんとか越えてやろうと演奏しながらずっと考えておりました」と言葉を続け、拍手を集めた。

「EXTRA」リリース後、BO GUMBOS「泥んこ道を二人」、安田成美「風の谷のナウシカ」、サザンオールスターズ「愛の言霊~Spiritual Message~」、山下達郎「RIDE ON TIME」といった楽曲をカバーし、愛知と大阪の「アルティメットパーティー」ではユニコーン「雪が降る町」を演奏したトリプルファイヤー。今回も「有名な才能のある人のカバーをしようと思います」という吉田の曲振りから、カバー曲の演奏がスタートする。バンドならではのアレンジが効いており、しばらくは何の曲か当てるのは難しいが、「窓の外ではリンゴ売り」と吉田が歌い始めて、井上陽水の「氷の世界」だと判明。驚きがフロアに広がる中、吉田の裏返った歌声が響きわたる。

意表を突きつつも納得感のあるカバーで、観客を楽しませたトリプルファイヤーは、最後に一番新しい新曲を演奏。軽快なシマダボーイのパーカッションや池田のフルート、沼澤の流麗なキーボードプレイが映える今のトリプルファイヤーらしいダンサブルなキラーチューンで、吉田は「YouTubeを見て死んだ」と、これまた彼らしい脱力感あふれる歌詞を歌う。しかし、その勢いは尋常ではなく、合唱を促すような彼の熱唱ぶりと歌詞のミスマッチが異様な盛り上がりを生み出した。

こうしてLIQUIDROOMでのワンマンライブを成功させたトリプルファイヤーは、6月27日に東京・Spotify O-EASTでワンマンライブを開催。これまでの「アルティメットパーティ」ではなく、「史上最大の作戦」と題したライブで彼らはどんなパフォーマンスを繰り広げるのか。ファンは半年後を楽しみにしておこう。イープラスでは1月12日までチケットの先行予約を受け付けており、19歳以下を対象とした割引チケットも限定枚数で用意されている。

セットリスト

トリプルファイヤー「アルティメットパーティ15」2025年12月4日 LIQUIDROOM

01. 相席屋に行きたい
02. 面白いパーティー
03. お酒を飲むと楽しいね
04. 新曲
05. 新曲
06. コインとキノコ
07. シルバースタッフ
08. 新曲
09. 新曲
10. 有名な病気
11. Bの芝生
12. 新曲
13. 新曲
14. Jimi Hendrix Experience
15. 次やったら殴る
16. サクセス
17. ゲームしかやってないから
18. スピリチュアルボーイ
19. ギフテッド
20. こだわる男
21. スキルアップ
<アンコール>
22. 氷の世界(オリジナル:井上陽水)
23. 新曲

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