never young beachが12月8日に東京・日本武道館でワンマンライブを開催した。結成10周年を締めくくる形で行われた本公演。ネバヤン初の武道館公演を観るべく会場には約8000人の観客が足を運んだ。
The Beatlesを思わせるそろいのスーツで登場
オープニングDJを担当したのはバンドと親交の深い鍵盤奏者・谷口雄。メンバーセレクトの楽曲を中心に幅広い選曲で場内に心地よい雰囲気を作り上げた。場内が暗転するとスーツに身を包んだ鈴木健人(Dr)が1人でステージに現れる。ドラムセットに腰をかけた彼が「武道館へようこそ。全力ですべてをぶつけていくので皆さんも歌って踊って、最後まで楽しんでください!」と挨拶すると、ステージ下手から巽啓伍(B)と、サポートメンバーの岡田拓郎(G)、下中洋介(G / DYGL)、香田悠真(Pf, Key)、そして安部勇磨(Vo)が演奏しながら次々登場する。メンバーは全員、1966年に日本武道館で行われたThe Beatlesの来日公演を彷彿とさせるタイトなスーツを着用。武道館公演用に作られたステージ後方の巨大な看板に書かれたバンドロゴもThe Beatles来日公演のオマージュ仕様になっている。会場全体から大きな声援がステージに寄せられる中、記念すべき武道館ワンマンは「らりらりらん」で陽気に幕を開けた。
中盤でひさびさの新曲を披露
「STORY」「哀しいことばかり」「Motel」といった軽快な楽曲を序盤から立て続けに演奏したネバヤンは、ここぞとばかりのタイミングでライブ定番曲「ちょっと待ってよ」を披露。続けて疾走感あふれるカントリーロック「毎日幸せさ」をプレイし、会場のテンションを引き上げる。ステージ中央から延びた花道を渡り、センターステージで観客たちの盛り上がりを間近で見た安部は、「すごいね、武道館! 人気者みたいでうれしいよ!」と満面の笑顔を見せた。
ステージにスモークが炊かれ、幻想的な雰囲気の中、「蓮は咲く」の演奏がスタート。岡田が奏でるペダルスティールの音色が楽曲にノスタルジックな色彩を添える。中盤のブロックでは「蓮は咲く」「風を吹かせて」「こころのままに」といったスローナンバーが用意され、結成から10年を経てロックバンドとしての円熟味を増した今のネバヤンの魅力がぎゅっと凝縮されていた。
ここで安部が、ひさびさに作った新曲を披露することを告げると場内に喜びの声が上がる。香田が奏でるエレガントなピアノの調べで新曲「さんさん」がスタート。昭和の歌謡ショーを思わせるスポットライトの中、安部はハンドマイクを片手に味わい深い歌声を朗々と響かせる。曲の途中でバンドが一斉に演奏に加わると自然発生的に拍手が沸き起こった。
定番曲連発でラストスパート
バンドの演奏に乗せて「never youg beach! 今夜はみんなのことを! 帰さないぞ!」と安部がシャウトして「どうでもいいけど」でライブは後半に突入。楽曲の中盤では岡田と下中がセンターステージに移動して、激しいギターソロの応酬を繰り広げた。「Oh Yeah」を経て、バンドはラストスパートとばかり「あまり行かない喫茶店で」「なんかさ」といったライブの定番曲を立て続けに演奏。「明るい未来」では盛大に金テープが噴射された。「fam fam」では軽快なシャッフルビートに観客たちが楽しそうに体を揺らす。下中がセンターステージで荒々しくギターを掻き鳴らし本編最後の「お別れの歌」がスタート。ガレージパンクさながらのワイルドなロックンロールが武道館に鳴り響いた。
アンコールは「Pink Jungle House」で、にぎにぎしくスタート。MCでは巽が、バンドで初めて入ったスタジオに、鈴木と2人で最近たまたま入ったというエピソードをきっかけに当時を回想。「あれから10年経って、こんなにたくさんの人たちが観に来てくれるようになるとは」と語ると盛大な拍手が寄せられた。続けてネバヤンはバンドで初めて作った楽曲だという「夏がそうさせた」を披露。歌唱を終えた安部は「あんなに準備したのに、本番は一瞬で終わっちゃうんだね」と名残り惜しそうにつぶやく。ノスタルジックな「帰ろう」では、観客たちによる「帰ろう」という合唱が場内に鳴り響いた。最後にネバヤンは爽快なアップチューン「SURELY」を演奏し、会場を盛り上げてステージをあとにした。場内の熱気は収まらず、盛大な拍手に応えてメンバーが三たびステージに登場。新曲のミドルチューン「だよ」を届けて初の武道館公演の幕を下ろした。
セットリスト
「never young beach 10th Anniversary Live at 日本武道館」2025年12月8日 日本武道館
01. らりらりらん
02. STORY
03. 哀しいことばかり
04. Motel
05. ちょっと待ってよ
06. 毎日幸せさ
07. 蓮は咲く
08. 風を吹かせて
09. こころのままに
10. さんさん
11. Oh Yeah
12. あまり行かない喫茶店で
13. なんかさ
14. 明るい未来
15. fam fam
16. お別れの歌
17. Pink Jungle House
18. 夏がそうさせた
19. 帰ろう
20. SURELY
21. だよ


