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四季は巡る、観測者と共に──原因は自分にある。春ツアー「輪廻の箱庭」終幕

原因は自分にある。(Photo by Hanna Takahashi)
2分前2026年04月30日 10:04

原因は自分にある。のツアー「LIVE TOUR 2026 輪廻の箱庭」が、4月26日に宮城・仙台サンプラザホールで最終公演を迎えた。

四季巡る箱庭

3月17日の埼玉・大宮ソニックシティ公演を皮切りに全国5都市で17公演が行われたこのツアーで、ゲンジブは約37000人の観測者(原因は自分にある。ファンの呼称)を動員。“日本文学×四季”をテーマに制作された最新EP「文藝解体新書」の世界観を踏襲し“箱庭(ステージ)”の中で巡る四季を表現するという、独自の世界観が色濃く反映されたひとときで来場者を魅了した。本稿では、ツアーの幕開けとなった3月17日公演の第2部の模様をレポートする。

開演時刻を迎えたホールに響く秒針の音。ステージを覆う幕には、そのリズムに合わせて波打つレーザー光線が投影されている。波形から大きな立方体へと変化した光線が、やがて7つのシルエットを形作ったその瞬間。そのシルエットと重なるように、落とされた幕の向こう側からゲンジブの7人が姿を見せた。流麗なピアノの音色が導いたオープニングナンバーは「藍色閃光」。白地に鮮やかな青がペイントされたショートジャケット姿で観測者の前に現れたメンバーは曇りのない瞳で上を見上げ、力強いユニゾンで閃光のようにまぶしい希望を歌い上げる。

「原因は自分にある。です。今日は最高の1日にしましょう!」。リーダー・吉澤要人がそう呼びかけると、ここからは「NOW」「トレモロ」と、「文藝解体新書」初回限定盤に収録の2曲を続けたゲンジブ。ステージ後方には4人編成のバンドが控え、“実験室”の名の下で初のバンド編成ライブが展開された、昨年末の公演「GNJB FC Limited Tour Laboratory -」からの文脈を観る者に感じさせる。武藤潤や小泉光咲の伸びやかなボーカルと“ラップ組”こと大倉空人と吉澤の力強いラップが軽快に混じり合う「NOW」では、吉澤が放つ「こっち向いて」というセリフに観測者が沸き立つシーンも。「トレモロ」では、お互いのほうを見合ってリズムを刻みその瞬間を楽しむ、7人の気の置けない関係性がそのまま表れたようなステージ上の光景に、自然と笑顔の輪が広がっていった。

3曲を終えてのMCでは、2日後の3月19日に20歳の誕生日を迎える桜木雅哉の話題で盛り上がった7人。「雅哉さんがもうすぐハタチ!」と杢代和人が声を上げると、今の心境を問われた桜木は「ヤバいね」と笑いつつ「なんもないよ。このライブのことしか考えてないよ」と伝える。デビュー時は13歳だった最年少の成長を年上のメンバー6人は感慨深げに噛み締め、大倉は観測者に「誕生日当日は、ウチのかわいい雅哉に『おめでとう』と言ってくださいね」と語りかけた。

まぶしい青春の1ページを切り取ったようなオープニングブロックを終えるとシーンは一変。バンドが奏でるムーディなジャズの調べに誘われステージに再登場した7人は、夏を楽しむ人々への負け惜しみと羨望を歌う「Foxy Grape」でジリジリと会場の熱を引き上げていく。スタンドマイクを使ったマイクリレーが繰り広げられる中、小泉は余韻たっぷりに曲を歌い上げ、この楽曲が持つジワリとした湿度の高さを巧みに表現してみせた。続く「疾走」は、太宰治「走れメロス」と夏の季節を題材とした「文藝解体新書」の収録曲。今ツアーが初披露ながら7人は熱量高くこの曲を歌い踊り、灼熱の空気と疾走感を体現する。大倉のパワフルなアジテートが炸裂すると観測者も大きなコールの声を上げて7人の背中を押し、ひりつくような夏の刹那を共に描き出した。

大きな夏雲が浮かぶ空から紅葉の景色へ。季節の移り変わりを示唆するインターバルでは、映像に加えヴィヴァルディ「四季」からそれぞれの季節の楽曲がバンド演奏と共に送られるという趣向が、今ツアーのコンセプトを色濃く示していた。秋の光景を紡ぐパートは、ヘッドセットマイクを装着した7人の彩り豊かなパフォーマンスにフォーカスする時間に。「文藝解体新書」から、夏目漱石「こころ」と秋を題材に制作された「愛無常」ではステッキと椅子を使ったコレオが披露され、1980年代のR&Bを思わせる調べに乗せて鮮やかなステッキさばきやチェアダンスでのカノンを見せるメンバーの姿に観測者が熱視線を注ぐ。小泉が本を開く仕草を合図に「魔法をかけて」へと展開すると、今度はジャズのステップを踏み、ミュージカルさながらに雄弁なパフォーマンスを届けた7人。ショーアップされたステージで楽しませたあとは「ギミギミラブ」でオーディエンスを巻き込んでいく。大倉が「さあ、一緒に声出して盛り上がっていきましょう!」と声を上げると観測者は大きな「炭酸水!」のコールで応じ、場内は楽しげな高揚感で満たされていった。

バンドメンバー紹介を含むMCタイムを経て、7人はここで「パラノイドランデブー」を届ける。昨年末のバンド編成ライブでも披露されたこの曲でメンバーとバンドが生み出すグルーヴは強度を増し、洪水のようにダイナミックな音のうねりの中で7人は主人公の思いをドラマチックに浮かび上がらせた。イントロの印象的なギターリフが観測者をにわかに沸き立たせたのは「貴方に溺れて、僕は潤んで。」。精緻なアンサンブルと起伏の激しいボーカルラインが交錯するこの曲を感情表現豊かに歌い上げる7人のパフォーマンスはゲンジブの表現が絶えず進化していることを聴衆に確かに示すもので、バンドサウンドと7人の歌声が高次元で融合するさまを、観測者は息を呑むように見つめていた。

雪景色とピアノの調べに誘われ季節が“冬”へと移行すると、「Mania」の印象的なイントロがホールに響く。鋭利なギターサウンドが鳴るロックアレンジはこの曲がはらむ狂気や激情を際立たせ、大倉はがなりを思い切り効かせたボーカルで感情表現に拍車をかけた。続く「因果応報アンチノミー」で7人は勢いを増し、桜木が「みんなで一緒に!」と客席中から「JUDGE!」の声を集めると、杢代は「大宮、まだまだいけんだろ!」と観測者を煽って歓声を誘う。そんな熱狂のムードを一気にクールダウンさせたのは「文藝解体新書」の“冬の曲”で遠藤周作「沈黙」を題材にした「Silence」。m-floの☆Taku Takahashiが提供したこの曲でツーステップとの邂逅を果たした7人が放つ新鮮な世界観の中、ラップを担う大倉と吉澤はグルーヴィなフロウを聴かせ、武藤や小泉は切なくも力強い歌声で思いが届かぬ苦悩を表現する。続く「スノウダンス」もテクノハウスのリミックスが施され、7人は抑えたトーンで静かに進む前半パートからサウンドも映像もビビッドに展開していく後半へ、静と動のコントラストを鮮やかに描いてみせる。極彩色の光線が飛び交う中、ステージセンターで躍動する長野や優雅な連続ターンを決めた吉澤のダンスも観客の目を奪い、ライブも佳境に差し掛かった場面でもなお熱を増す彼らのパフォーマンススキルが光るハイライトとなった。

春、そして……

ヴィヴァルディ「春」に乗せたバンドメンバーの合奏、桜が芽吹く映像……春の訪れとともに、巡る季節の物語はクライマックスへ。「文藝解体新書」のリード曲「ニヒリズムプリズム」に乗せて衣装替えをした7人がステージに戻ると、彼らのまとう黒いジャケットにはメンバーカラーの花々が咲き誇っていた。梶井基次郎「蒼穹」を題材としたこの曲で7人はスピーディなマイクリレーを聴かせ、精緻なダンスと表情の切り替えでも渦巻く感情を表出させる。桜木の放つ「やっと晴れたね」という言葉をきっかけに7人の背後に青空が広がっていく演出もドラマチックで、観衆は彼らの提示する圧倒的な世界観に浸るように身を委ねた。

そこから一転、シリアスな表現に振り切って観測者の感情を揺さぶった「柘榴」を経て届けられたのは「桜GROUND」。ギターのアルペジオに寄り添うように優しい歌声で7人が歌声をつなぐと、彼らの頭上には桜吹雪が舞い、客席は桜の芳香で満たされていく。会場中が晴れやかなムードに包まれる中、「観測者のみんな。今日も素敵な笑顔をありがとう」と切り出したのは吉澤。「みんながいてくれるから、俺らは必ず、みんなのところに会いに来ます。だから待ってて」。リーダーがそう告げて、巡る季節のその先でも観測者と再会することを誓うと、7人は最後に「無限シニシズム」を届けた。「ここで終われない これは巻き戻し」。意味深長なメッセージを最後に残し、ゲンジブが全18曲のパフォーマンスを終えると、聞き覚えのある秒針の音と見覚えのあるレーザー光線が、メンバーの消えたステージに現れる。カウントダウンが行われる中、“箱庭”を形作っていた光の線はカウント0で1本の線になり、ライブの幕開けと同じ場所へ。次の四季へと続く“輪廻”を結んだ瞬間に音と光は途切れ、客席からにわかに湧き上がったざわめきの中でこの日の「輪廻の箱庭」は閉じられた。

セットリスト

「LIVE TOUR 2026 輪廻の箱庭」2026年 3月17日 大宮ソニックシティ 第2部

01. 藍色閃光
02. NOW
03. トレモロ
04. Foxy Grape(Remix ver.)
05. 疾走
06. 愛無常
07. 魔法をかけて
08. ギミギミラブ
09. パラノイドランデブー
10. 貴方に溺れて、僕は潤んで。
11. Mania
12. 因果応報アンチノミー
13. Silence
14. スノウダンス(テクノハウスRemix)
15. ニヒリズムプリズム
16. 柘榴
17. 桜GROUND
18. 無限シニシズム

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