そらるとまふまふによるユニット・After the Rainのアリーナツアー「After the Rain 10th Anniversary Tour ~ 春夏秋冬 ~」が、5月5日に神奈川・ぴあアリーナMMにて開幕した。
「After the Rain 10th Anniversary Tour ~ 春夏秋冬 ~」はAfter the Rainの結成10周年を記念したツアー。5月の神奈川・ぴあアリーナMM公演を皮切りに、8月に兵庫・ワールド記念ホール、10月に広島・広島サンプラザ ホール、2027年2月に宮城・ゼビオアリーナ仙台で2DAYSずつ展開される。また各公演には“四季”のテーマが設けられており、神奈川公演は春、兵庫公演は夏、広島公演は秋、宮城公演は冬をコンセプトにしたステージが繰り広げられる。
ここには仲間しかいない
切なくもさわやかな「恋の始まる方程式」でスタートしたライブ。骨太なバンドサウンドの「解読不能」では炎の特効が噴き上がり、会場の熱気を一気に高めていく。バックバンドを従えたそらるとまふまふは、息の合った抜群のハーモニーで観客を魅了した。そらるはこの日集まったファンに向け、「ここまで10年やれたのは、みんながずっとついてきてくれたから。10年前と変わらず、こんな大きな会場でみんなの顔を見られるのがすごくうれしいです」と感謝の気持ちを述べる。一方、MCでまったくしゃべっていないことをツッコまれたまふまふは、かなり緊張した様子で挨拶。「足が震えてギターが弾けないかもしれない」と弱音を漏らすと、客席から大きな声援が飛び交う。「大丈夫……ここには仲間しかいないんだ」と自らを奮い立たせ、ライブへの意気込みを元気よく語った。
「10数年前の僕たちへ」をはじめ、さわやかな楽曲が続いた前半戦。スクリーンには桜のイラスト映像が映し出され、ピンクのライティングが会場を春色に染め上げていく。「Calc.」ではそらるもエレキギターを手にパフォーマンスを展開。「メランコリック」「敗北の少年」といったボーカロイド曲で会場を沸かせる一方、BUMP OF CHICKEN「車輪の唄」といったロックバンドのカバーでも観客を楽しませた。ステージに1人残ったそらるは、まふまふがMCでほとんどしゃべらないことをいじりつつ、自身もかなり緊張しいな性格だと告白。そしてAfter the Rainとして活動してきた10年を振り返り、「まふまふも、あんな感じでしゃべらせたら俺よりずっとひどいですよ(笑)。でも、そういう自分たちを見て、みんな『いつも通りだな』って思ってると思う。そうやってミスを許してもらってるうちに、緊張しなくなったし、間違えても死ぬほど怒られはしないなって思えるようになって。俺も人を怒れない性格なんだけど、それってみんなにたくさん許してもらってるからなのかな。なのでこれからもたくさん間違えるんですが、たくさん許してください」と笑いを交えながら語った。
AtR、ソロ…それぞれの10年に思いを馳せたステージ
ここからは、以前のライブでも好評だったという、そらるとまふまふがそれぞれメドレー形式で届けるソロコーナーへ。Ado「踊」のカバーで勢いよくこのブロックの口火を切ったそらるは、「サクラノ前夜」「3月9日」など春を意識した選曲を織り交ぜつつ、「愛言葉V」ではオーディエンスと一体になって手を横に振った。続いて、まふまふは「オレンジ - Arrange ver. -」をエモーショナルに歌唱。先ほどのそらるのMCに触れ、「人には得手不得手がある」と語り、さまざまなことをこなすマルチプレイヤーでありながら、唯一の弱点がMCだと明かして会場を笑わせる。また、学生時代にコピーバンドを組んでいた経験から、「春といえばバンド」というイメージがあると説明し、そらるにお願いして一緒にギターを弾いたことを明かした。まふまふのメドレーでは「快晴のバスに乗る」「拝啓、桜舞い散るこの日に」など軽やかな楽曲、春らしい楽曲が続き、透き通った中性的な歌声が会場にさわやかな空気を呼び込んだ。
アニバーサリー公演ということで、2人が「懐かしい」と口をそろえる「四季折々に揺蕩いて」のMV衣装に着替えて展開された後半戦。今後控える「夏公演」「秋公演」の構想トークになると、まふまふは「秋といえば焼き芋しか浮かばない」とコメントする。ステージ前方に芋を置き、炎の特効で焼き芋を作るという奇抜なアイデアに、そらるが「焼き芋の曲作らなきゃじゃん……」と漏らす場面も。タイトルコールだけで大歓声が上がった2018年発表の「夕立ち」や、リリースされたばかりの新曲「ジェミニ」まで、ユニットの歩みを感じさせるステージが続いた。
残り2曲を前に、そらるはライブ冒頭こそ10周年記念のアリーナツアーということで力みすぎていたと吐露し、MCも含め、「このくらい力が抜けてるほうが自分たちらしい」とコメント。まふまふは「10年も経つと曲をいつ作ったのか記憶がおぼろげになってしまうんだけど、こうして歌うたびに、そのどれもが2人で歌うため、こうやってステージで音楽をするために作ったんだなって身に染みて感じます。今日もMCがグダグダでしたけど、次とその次の曲で春満開の僕ららしい曲をお届けできると思うので、皆さん最後までよろしくお願いします!」と、それまでのマイペースなMCとは打って変わってしっかりと思いを届け、2人はファンが照らすピンクのペンライトの中、「夕刻、夢ト見紛ウ」「桜花ニ月夜ト袖シグレ」を情感たっぷりに歌い上げた。鳴り止まないアンコールの声と手拍子に応えて再びステージに登場した2人は、「千本桜 - Arrange ver. -」「1・2・3 - 2023 ver. -」を歌唱し、大盛況の中でステージを終えた。
セットリスト
「After the Rain 10th Anniversary Tour ~ 春夏秋冬 ~」(春公演)2026年5月5日 ぴあアリーナMM
01. 恋の始まる方程式
02. 解読不能
03. わすれられんぼ
04. 10数年前の僕たちへ
05. Calc.
06. メランコリック
07. 敗北の少年
08. 車輪の唄
09. ライラック(そらる)
10. そらるメドレー(踊 / セパレイト / サクラノ前夜 / 3月9日 / 愛言葉V)
11. オレンジ - Arrange ver. -(まふまふ)
12. まふまふメドレー(とおせんぼう / 快晴のバスに乗る / 君色々移り / 栞 / 拝啓、桜舞い散るこの日に)
13. 夕立ち
14. ジェミニ
15. モア
16. 四季折々に揺蕩いて
17. 夕刻、夢ト見紛ウ
18. 桜花ニ月夜ト袖シグレ
<アンコール>
19. 千本桜 - Arrange ver. -
20. 1・2・3 - 2023 ver. -
公演情報
After the Rain 10th Anniversary Tour ~ 春夏秋冬 ~(※終了分は割愛)
夏公演
2026年8月29日(土)兵庫県 ワールド記念ホール
2026年8月30日(日)兵庫県 ワールド記念ホール
秋公演
2026年10月17日(土)広島県 広島サンプラザ ホール
2026年10月18日(日)広島県 広島サンプラザ ホール
冬公演
2027年2月6日(土)宮城県 ゼビオアリーナ仙台
2027年2月7日(日)宮城県 ゼビオアリーナ仙台
撮影:小松陽祐[ODD JOB]/ 加藤千絵[CAPS]/ 笠原千聖[cielkocka]


