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フジロックを洋楽の入り口に──邦楽目当ての人にこそ観てもらいたい海外アーティスト

コラム「フジロックを洋楽の入り口に」ビジュアル
8分前2026年07月16日 10:04

7月24日から26日まで新潟・苗場スキー場で開催される野外音楽フェスティバル「FUJI ROCK FESTIVAL '26」。国内外から200組以上のアーティストが集結し、大自然の中で音楽を楽しめるフジロックは、世界の音楽と出会える日本屈指のフェスでもある。

今年はThe xx、Khruangbin、Massive Attackといった海外勢に加え、Fujii Kaze(藤井風)、XG、27年ぶりに出演するHi-STANDARDなど、国内アーティストのラインナップも充実。邦楽アーティストを目当てに訪れる人も多いはずだ。

そこで音楽ナタリーでは、YouTubeチャンネル「てけしゅん音楽情報」を運営する照沼健太をキュレーターに迎えたレコメンド企画「フジロックを洋楽の入り口に」を掲載。今回はHi-STANDARD、ASIAN KUNG-FU GENERATION、Fujii Kaze、XG、礼賛、the cabsの6組を入り口に、「これが好きなら、この海外アーティストもきっとハマる」という視点でフジロックに出演する洋楽アーティストを紹介する。邦楽目当ての人も、この機会に新たな音楽との出会いを楽しんでほしい。

文 / 照沼健太

Hi-STANDARDが好きなら、Turnstileも

7月24日(金)17:00~18:00 GREEN STAGE

Hi-STANDARDにとって今年は1999年以来、27年ぶりのフジロック出演です。「荒々しく疾走するバンドサウンドに、シンガロングを誘うメロディ」というハイスタが長年鳴らしてきたハードコアを経由したパンクサウンド──それを現在進行形で更新しているのが、アメリカ・ボルチモアのTurnstileです。

彼らはハードコアを出発点に、ポップ、ファンク、シューゲイザーまでを軽やかに横断。2025年のアルバム「Never Enough」は2026年のグラミー賞で最優秀ロックアルバムを受賞し、収録曲「Birds」も最優秀メタルパフォーマンスに輝きました。激しいモッシュが起きる一方で、会場全体を包むのは不思議なほど明るい幸福感。パンクに詳しくなくても、祝祭として飛び込めるライブです。

Turnstileの出演は、ハイスタと同じGREEN STAGEの1つ前。少し早めに向かえば、世界の新世代と日本のベテランを続けて体感できますよ。世代も国も異なる2組のライブに、同じ開放感が流れていることに気付くはずです。ただし前方客席エリアの盛り上がりは激しいことになるはず。体力と貴重品の管理にはご注意を。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONが好きならスネイル・メイルも

7月24日(金)18:00~19:00 RED MARQUEE

ASIAN KUNG-FU GENERATIONのまっすぐ胸に突き刺さるような歪んだギターと、痛みを抱えながらも前へ進む歌。あのエバーグリーンな感覚が好きな人にオススメしたいのが、アメリカ人女性リンジー・ジョーダンによるソロプロジェクト、スネイル・メイルです。

10代で注目を浴び、2018年のアルバム「Lush」、2021年の「Valentine」で評価を確立したスネイル・メイル。90年代のオルタナティブロックに連なる歪んだギターサウンドとメランコリックな歌声が印象的で、何度も口ずさみたくなるポップなメロディとエモーショナルさの融合が魅力です。「アジカンが青春」という方にとっても、きっとなじみやすい音楽だと思います。

スネイル・メイルは18:00からRED MARQUEE、アジカンは20:40からWHITE STAGEに登場。スネイル・メイルを観てハートをウォームアップして、アジカンへ向かう。いい流れじゃないでしょうか。

Fujii Kazeが好きならKhruangbinも

7月25日(土)21:10~22:40 GREEN STAGE

今年のフジロック最大の動員が期待されるのが、Fujii Kaze(藤井風)。僕も当然観る予定ですが、彼の音楽にはジャズのコード感やソウルのフィーリング、R&Bのしなやかなグルーヴなどさまざまなジャンル、そして国境を軽やかに越えていく感覚があると思います。そんなフィーリングに魅力を感じている方にぜひ注目してほしいのが、テキサス出身の3人組・Khruangbinです。

タイ語で「飛行機」を意味する名を持つ彼らは、タイのファンク、中東音楽、ダブ、ソウルなど世界各地の音楽を吸収し、ギター、ベース、ドラムによる独自のサウンドへと昇華してきました。歌のない曲が中心ですが、黒髪のウィッグを着用したローラ・リーのベースとマーク・スピアーのギターが鳴らすフレーズは親しみやすく、ビートは問答無用。ライブを楽しむのに彼らをあまりよく知らなくとも、楽曲を覚えていなくとも問題ないはずです。

KhruangbinはFujii Kazeの直後、同じGREEN STAGEに登場。そう、今年のフジロックのヘッドライナーの1組です。ぜひFujii Kazeの余韻を抱えたまま、彼ら独特のグルーヴに身を委ねてみてください。彼らのようなグルーヴに乗って越境する音楽は「フジロックらしさ」の1つの象徴。きっとあなたの胸に残るフジロックの思い出になるはずです。

XGが好きならBasement Jaxxも

7月25日(土)17:00~18:00 GREEN STAGE

XGは、JURIN、CHISA、HINATA、HARVEY、JURIA、MAYA、COCONAからなる7人組。ラップ、歌、ダンスを高い精度で組み合わせ、世界へ向けて新しいポップの形=X-POPを提示してきました。XGのサウンドの核にあるヒップホップやR&Bをミクスチャーした音楽性は、きっとUKのBasement Jaxxにもつながるはず。

彼らは90年代後半から活躍するデュオで、2025年のPinkPantheress「Fancy That」では複数曲に楽曲がサンプリングされ、若い世代への影響力も改めて可視化されました。数々のアンセムを生み出してきた彼らのライブは、ハウスを軸にしながらさまざまなジャンルの要素が飛び出す、電子音楽に詳しくなくても楽しめる内容です。

Basement Jaxxは17:00からGREEN STAGE、XGは19:50からWHITE STAGEに登場。2組を続けて観れば、クラブミュージックがポップの中でどう姿を変えてきたのかが立体的に見えてくるかもしれません。

礼賛が好きならThe Lemon Twigsも

7月26日(日)14:00~15:00 RED MARQUEE

礼賛は、CLR(サーヤ)、晩餐(川谷絵音)、簸(木下哲)、春日山(休日課長)、foot vinegar(GOTO)からなるバンド。ひと癖あるメロディと緻密なアレンジ、そしてそれらを見事に聞かせる演奏力に惹かれる音楽ファンにオススメしたいのが、The Lemon Twigsです。

ニューヨーク出身のダダリオ兄弟によるバンドで、2人とも歌い、複数の楽器を演奏するのが特徴。The BeatlesやThe Beach Boys、70年代のロックやパワーポップを思わせる親しみやすさと、うっとりするほど精密なコーラスワークが彼らの大きな魅力です。とは言え、懐古趣味に収まらず、しっかりと現代性あふれる音楽になっているのも見逃せません。

僕は2025年1月の「rockin’on sonic」で彼らを観ましたが、兄弟のコーラスは息がぴたりと合い、演奏には予備知識がなくても引き込まれる安定感がありました。礼賛のライブがWHITE STAGEで終わった30分後、The Lemon TwigsがRED MARQUEEに登場します。一筋縄ではいかないストレンジなポップ職人バンドを連続で鑑賞するのも楽しそうです。

the cabsが好きならジョーディ・グリープも

7月26日(日)18:10~19:10 WHITE STAGE

2013年の解散から12年を経て、2025年に電撃再結成を果たしたthe cabs。複雑にサウンドを組み上げる構築美と、緊張感のある展開を愛する音楽ファンなら、ぜひオススメしたいのが、そんな感覚を今最も刺激的に鳴らしているジョーディ・グリープです。

イギリスのバンドであるblack midiの元フロントマンによるソロプロジェクトで、2024年にリリースした「The New Sound」が各所で絶賛されました。ジャズ、ラテン、プログレなどあらゆる音楽要素を飲み込み、過剰なまでに情報量の多いサウンドを演劇的なテンションで畳みかける……そんな予想できない展開の連続は、the cabsとも響き合うはず。一方で、SNSではその親しみやすいメロディセンスを指して「サザンオールスターズっぽい」という声も見かけるほど、実は聴きやすさも兼ね備えているのが面白いところ。超絶技巧が生む興奮を、ぜひ体感してみてください。

the cabsは16:00からRED MARQUEE、ジョーディは18:10からWHITE STAGEに登場。フジロック最終日の夜に向けて、ギアを上げるのに最高の流れです。

FUJI ROCK FESTIVAL '26

2026年7月24日(金)新潟県 苗場スキー場
2026年7月25日(土)新潟県 苗場スキー場
2026年7月26日(日)新潟県 苗場スキー場

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