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フジロック&サマソニで観ておきたいアーティスト2026

フジロック&サマソニで観ておきたいアーティスト2026
8分前2026年07月08日 12:03

国内外の注目アーティストが集結する日本の二大音楽フェス、「FUJI ROCK FESTIVAL」と「SUMMER SONIC」。毎年数多くの名演が繰り広げられ、そのステージはさながら事件のように語り継がれながら、音楽ファンの記憶に刻まれてきました。

では、2026年の夏に話題をさらうのはどのアーティストなのでしょうか? この記事では音楽ライターや編集者など4人に、今年のフジロックとサマソニで観るべきだと思う出演アーティストを3組ずつ挙げてもらうアンケートを実施。そしてその理由について回答してもらいました。この夏フジロックやサマソニに足を運ぶ予定の方は、ぜひ4人のオススメを参考にフェス巡りの計画を立ててみてください。

構成 / 橋本尚平

※寄稿者を50音順に掲載

小野島大が選んだ今年の注目アクト

フジロックで観るべき3組

  • Son Rompe Pera(7/24 WHITE STAGE)
  • Trueno(7/25 GREEN STAGE)
  • Angine de Poitrine(7/26 FIELD OF HEAVEN)

今年もやってきた夏フェスの季節。円安の影響などで大物海外アーティストの招聘が困難になってきている現状は音楽ファンとして歯がゆい限りだが、以前と比べれば英米だけではない、さまざまな国の音楽を居ながらにして体験できるようになったのは素晴らしいことだ。ここでは日本人以外の気鋭アーティストを中心に選んだ。

メキシコのSon Rompe Peraは、アランとヘスのガマ兄弟を中心に結成された。メキシコの伝統楽器でもあるマリンバを導入してパンキッシュな電気クンビアをやる6人組だ。ゆったりしたテンポの伝統的クンビアスタイルを破壊し、「クンビアはパンクだ」のスローガンを旗印に、スカ、レゲエ、ダブ、ロカビリーなど彼らの持つストリート感覚が自然に融合したエネルギッシュな音楽をやっている。2024年コーチェラでの熱狂的なライブも記憶に新しい。こういうバンドはフジロックでしか見られない。

ますます爆発するラテンポップカルチャーの次代を担うスーパースターの筆頭候補がトレノ。アルゼンチンはブエノスアイレス出身の24歳のラッパーだ。高いスキルとヒップホップの伝統を受け継ぐスタイルとともに、甘いマスクに似ず、アルゼンチンの社会・政治状況にもの申し、腐った権力システムに中指を突き立てる硬骨漢でもある。2026年4月に最新アルバム「TURR4ZO」をリリースしたばかりだ。旬の勢いを感じたいなら見逃し厳禁。

Angine de Poitrineはカナダ出身の2人組。マイクロトーナル(微分音)ロックを自称する奇妙にねじ曲がった変拍子と不協和音だらけのロックは気持ち悪さと気持ちよさが同居していて、さながら2020年代のフランク・ザッパのよう。The Residentsやバケットヘッドのような奇妙なコスチュームも含め、ひさびさに新しいもの好き、ヘンタイ好きの血が騒ぐニューカマーの登場だ。

サマソニで観るべき3組

  • Wisp(8/14幕張・8/15大阪 SONIC STAGE)
  • デスティン・コンラッド(8/15幕張 MARINE STAGE・8/16大阪 AIR STAGE)
  • クリスタル・ウォーターズ(8/16 幕張BEACH STAGE)

米サンフランシスコ出身の女性シンガーソングライター、Wispことナタリー・R・ルー。ウィスパーボイス、轟音ノイズギターの壁、耽美でメランコリックな曲調、美しいメロディとファンタジックなサウンド、そして幼く儚げなルックスと舌足らずのしゃべりと、何拍子もそろったシューゲイザー~ドリームポップの新星。今年1月の初来日公演は即完だっただけに、大会場フェスでの再来日はうれしい限りだ。

デスティン・コンラッドは米国フロリダ州タンパ生まれ。オルタナティブR&Bの世界で頭角を現しつつある25歳だ。昨年発表の1stアルバム「Love on Digital」はネオソウルとジャジーR&B的な現代性を併せ持つ繊細で洗練されたスタイルで注目を集めた。YouTubeにアップされているTiny Desk Concertの映像は必見だ。どちらかといえば小さな会場での親密なスタイルのほうがフィットしそうなので、マリンスタジアムという大会場でどんなパフォーマンスをするか注目だ。

クリスタル・ウォーターズ、まさかの来日! 大名曲「Gypsy Woman(She's Homeless)」一発でハウスミュージック史上に永遠に残る正真正銘のレジェンドだが、現在も「I Am House」というタイトルのポッドキャスト番組を運営して、ツアーもこなして現役バリバリで活動中。ついに90年代ハウスのリバイバルが来るか??

小野島大(オノジマダイ)

音楽評論家。「MUSIC MAGAZINE」「ROCKIN'ON」のほか、新聞やWebなどさまざまな媒体で執筆活動を行っている。

照沼健太が選んだ今年の注目アクト

フジロックで観るべき3組

  • Fujii Kaze(7/25 GREEN STAGE)
  • XG(7/25 WHITE STAGE)
  • Trueno(7/25 GREEN STAGE)

今年はフジロック2日目とサマーソニック全3日間に参加予定です。なので、今回の選定基準は「自分が観る予定のアーティスト」としました。

もはや説明不要かと思いますが、米Republic Recordsからの世界リリースなど現在のJ-POPを代表・象徴するアーティストの1人、Fujii Kazeがフジロック初出演。コーチェラ出演を経て、ワールドツアーへの流れの中に組み込まれる形の出演となります。出演発表時にはフジロック史上最大のリアクションがあったとのことで、この日のチケットも早々とソールドアウト。本人の活動の流れからも、周囲の状況からも、昨年の山下達郎と並ぶ伝説となることは間違いなさそう。

J-POPでもK-POPでもない「X-POP」を掲げ、グローバルに活動してきた7人組・XGがFujii Kazeと同様にフジロック初出演。さらにはコーチェラにも出演(昨年)し、ワールドツアーの実績もあり。ということで、今年のフジロック2日目はワールドワイドなアーティスト2人が凱旋しての初出演という様相に。プロデューサーの逮捕もあり、その行末が宙ぶらりんになっているようにも見えるフェーズにありますが、新しいXGを印象付けるパフォーマンスを見せてくれるのではないかと楽しみです。バキバキのビートと、キレのいいボーカルが特徴的なグループでもあるので、音響に定評あるWHITE STAGEとの相性にも期待。とはいえ、先日のタイムテーブル発表でFujii Kazeと絶妙に出演時間が被っていることが発覚。移動時間や入場規制の可能性も考慮すると、二者択一となるかも。悩ましい。

アルゼンチンの超人気ラッパー・トレノ。5歳でステージに立ち、17歳でフリースタイル大会で二冠を獲得してからアーティスト活動を本格化。バッド・バニーら近年のラテンミュージックの隆盛と遠目に共振しながらも、あくまでもラップであり、地元ストリートに立脚したリリシズムはさながらTHA BLUE HERBのよう。リリックが非常に素晴らしいので、ぜひ歌詞を事前にチェックして現地で観てほしいです。

サマソニで観るべき3組

  • BUMP OF CHICKEN(8/14幕張 MARINE STAGE)
  • The Strokes(8/14幕張 MARINE STAGE・8/15大阪 AIR STAGE)
  • L'Arc-en-Ciel(8/14大阪 AIR STAGE・8/16幕張 MARINE STAGE)

BUMP OF CHICKENは結成30周年イヤーにして、サマソニ初出演。2000年にメジャーデビューしたという点では、サマソニとは同世代という言い方もできるかも。アニメやゲームといったカルチャーと接続した日本独自のロックカルチャーを作り上げた彼らが、洋楽フェスとして出発したサマソニに出演する。それ自体が、時代の変化の象徴。さらにBUMPは千葉県出身なので、ZOZOマリンはある意味ホーム。映画「超かぐや姫!」主題歌効果で「ray」が新たな代表曲となったタイミング、さらにほぼ同時期にブレイクしたThe Strokesと連続するスロットにも、何かマジックが生まれる予感があります。アルバムツアーが昨年終了しているため、オールタイムベスト的なセットリストにも期待が持てるかも。

The Strokesもデビューから25周年。今回が2度目のヘッドライナーですが、音楽シーンの潮流とのシンクロという意味では、ブレイク直後の2003年サマソニ初出演以来のベストタイミングではないでしょうか。今年のコーチェラでも初期の名曲に2020年代の最新モードを織り交ぜたセットリストがバッチリでしたし、リック・ルービンと再タッグを組んだ新作リリース直後というタイミングも絶妙。ただし、気になるのはギタリスト。ニック・ヴァレンシの一時活動休止が発表されましたが、サマソニまでに戻ってきてほしい。

「有名どころしか挙げてないじゃねえか!」と自分でもツッコミたくなりますが、今年はビッグネームがみんなキャリアの流れと出演タイミングが絶妙すぎる。このあたりにサマソニのブッキング力を感じますね。BUMP同様にL'Arc-en-Cielもサマソニ初出演で、そもそもフェス出演自体が珍しいバンド。さらには結成35周年ということで、オールタイムベスト的なセットリストにもやはり期待が高まります。しばらく離れていたリスナーにとってはベテランの変化と不変を確認する機会に、若いリスナーにはなかなか観られないレジェンドを体験できる貴重な機会となりそう。

照沼健太(テルヌマケンタ)

ポップアーティスト。学生時代から数々のメディアで編集や執筆、撮影を担当し、2023年10月末に批評家の伏見瞬とともにYouTubeチャンネル「てけしゅん音楽情報」を開設。2026年には、新世代J-POPの概要や名作をまとめた書籍「J-POP 3.0ディスクガイド 2015-2025」を出版した。

本人が選んだ今年の注目アクト

フジロックで観るべき3組

  • ROUTE 17 Rock'n'Roll ORCHESTRA (feat. 大江慎也、甲本ヒロト、浅井健一、トータス松本)(7/24 GREEN STAGE)
  • Joey Valence & Brae(7/25 WHITE STAGE)
  • 鬼の右腕(7/26 苗場食堂)

まずはフェスの舞台・苗場を走る国道17号線にちなんで名付けられた、このフジ限定ビッグバンド・ROUTE 17 Rock'n'Roll ORCHESTRAを挙げたい。THE ROOSTERSの面々や豪華ゲストボーカル、名曲カバーの披露など毎年見どころが多い演目だが、今年は1月に逝去したフジのステージMC・スマイリー原島に捧げるステージでオープニングを飾ってくれる。長い歴史の一端に触れるのもフェスの楽しみ方の1つだろう。

野外フェスを堪能するには本能のまま体を動かすことが一番。ペンシルバニア州出身のJoey Valence & Braeの2人が放つサウンドは、ヒップホップ、パンク、エレクトロニックミュージックなどジャンルや年代ごちゃまぜに詰まっていて、盛り上げの装置として確実に機能するに違いない。往年のBeastie Boysを彷彿とさせるバウンシーなパフォーマンスに身を投じるのが今から待ちきれないでいる。

過去にはフジロック新人の登竜門ROOKIE A GO-GOにも出演した鬼の右腕が、今年は苗場食堂に登場。コンセプチュアルな装いに身を包み、流麗なボーカルのユニゾンからヘビーなギターサウンドまで表現力豊かなパフォーマンスを繰り広げる彼女たち。今回は木々に囲まれたコンパクトなステージでどれだけ濃厚な磁場を形成するかに期待だ。

サマソニで観るべき3組

  • Kasabian(8/14幕張 MOUNTAIN STAGE・8/15大阪 AIR STAGE)
  • BINI(8/14大阪 MOUNTAIN STAGE・8/16幕張 MOUNTAIN STAGE)
  • HALCALI(8/16幕張 Spotify Stage)

アニバーサリーイヤーとなる今回、デビュー間もない頃からたびたびサマソニの舞台に立ってきたKasabianを、やはり挙げておきたい。メロディアスかつダンサブルなUKロックの担い手として、先日はロンドン・フィンズベリーパークで数万人を沸かせたばかりの彼ら。サージ・ピッツォーノがフロントマンとなって以降、ますます扇情的になるパフォーマンスに今回も期待を寄せたい。

BINIは今年の米「Coachella Valley Music and Arts Festival」でも喝采を浴びていたフィリピン発のガールズグループ。8人の息の合ったボディウェーブやきらびやかなコスチュームは、夏の祭典にもきっとマッチするはずだ。多様なポップミュージックを内包するサマソニならではの刺激を、彼女たちからも受けてみたい。

まさか「おつかれSUMMER」が20年後に海外でバイラルヒットを飛ばすなんて誰が想像できたかというHALCALI、14年ぶりの復活ステージである。当時のファンとして再び観られる喜びはもちろん、このライブで彼女たちが持つ軽妙で洒脱な楽曲がさらに広く“再発見”されるきっかけになればと願ってやまない。

本人(ホンニン)

都内在住の40代男性。サラリーマン業と育児に日常をすりつぶされながら、時折ライブやフェスに足を運んでその様子を記録するインターネットユーザーとしても活動している。著書に育児エッセイ本「こうしておれは父になる(のか)」(イースト・プレス)。フジロックには初年度に参加して以来、毎年欠かさず足を運んでいる。

森朋之が選んだ今年の注目アクト

フジロックで観るべき3組

  • HYUKOH(7/24 RED MARQUEE)
  • Khruangbin(7/25 GREEN STAGE)
  • Mitski(7/26 WHITE STAGE)

3日間通し券が5月末に完売するなど、例年にも増して注目度が高い今年のフジロック。その最大の理由がもちろんFujii Kazeなのだが、ヘッドライナーに対する価値観の変化、アジア勢の充実など、ここ数年のトライアルが功を奏していることにもぜひ注目してほしい。

まずは2日目(7月25日)のグリーンステージのヘッドライナー、Khruangbin。アメリカ・ヒューストン発の3ピースバンドで、無国籍でサイケデリックな音楽性が特徴なのだが、おそらくこのバンドの名前を知っている人はそこまで多くないのではないだろうか。アーティストの知名度や集客力に頼るのではなく、運営サイドからの「このバンドを観てほしい」というリコメンドの要素もあるが、去年のVulfpeckと同様、「こんなにすごいバンドがいたのか!」という驚きとともに迎え入れられることになりそうだ。

韓国発のインディーポップ系バンドHYUKOH、日系アメリカ人であり、インディーロック界で確固たる存在感を放っているMitskiも、多様性を広げ続けるフジロックにふさわしいステージを見せてくれるはず。さまざまなルーツ、独創的なスタイルを持ったアーティストのライブに触れて、自分自身の価値観を広げる。それもまたフェスの醍醐味なのだ。

サマソニで観るべき3組

  • FKA twigs(8/14幕張・8/15大阪 SONIC STAGE)
  • デヴィッド・バーン(8/15幕張・8/16大阪 MOUNTAIN STAGE)
  • BABYMETAL(8/14大阪・8/16幕張 SONIC “METAL” STAGE Curated by BABYMETAL)

ロックバンド、アイドル、R&B、ダンスボーカルグループ、そして、海外のビッグネームから新進気鋭のアーティストまで。“どんな趣味の人も気軽に楽しめる”という機能を高め続けて、幅広いオーディエンスを惹きつけている「SUMMER SONIC」。25周年を迎えた今年は3日間開催、例年以上に派手でカラフルなラインナップがそろっている。

挙げさせてもらった3組はただただ私が“観たい!”と思っているアーティスト。まずはFKA twigs。幼少期のトラウマ、恋愛関係、人種差別、自らの病気のことなどをオープンにしながら、高い芸術性と圧倒的なエンタテインメント性を併せ持った音楽 / パフォーマンスに結び付けてきた彼女。昨年リリースされた「EUSEXUA」「EUSEXUA Afterglow」の世界がどう表現されるか、まさに全音楽ファン必見だろう。

個人的に最も注目しているのはデヴィッド・バーン。映画「American Utopia」(2020年)によって再び世界的評価を獲得した74歳は、今もなお進化の過程にある(単独公演も観たい!)。そしてBABYMETALはSONIC STAGEを「SONIC "METAL" STAGE - Curated by BABYMETAL」としてキュレーション。25周年ならではのスペシャルなステージに期待したい。

森朋之(モリトモユキ)

音楽ライター。2000年頃からライター活動をスタート。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な執筆媒体は音楽ナタリーのほかReal Sound、Billboard JAPAN、AERA dot.など。

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