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ART-SCHOOL流の“アフターパーティ”でトリビュートライブシリーズに幕

「ART-SCHOOL TRIBUTE LIVE Dreams Never End AFTER PARTY」の様子。(撮影:中野敬久)
4分前2026年10月13日 9:02

ART-SCHOOLが昨日10月12日に東京・新代田FEVERでトリビュートライブシリーズのアフターパーティ「ART-SCHOOL TRIBUTE LIVE Dreams Never End AFTER PARTY」を開催した。

「FADE TO BLACK」で幕を開けたアフターパーティ

昨年10月から今年9月にかけて、結成25周年記念トリビュートアルバム「Dreams Never End」に参加したアーティストを迎えて全9公演のライブシリーズを行ったART-SCHOOL。約1年にわたるこのシリーズのアフターパーティでは、彼らがトリビュートアルバム「Dreams Never End」の収録曲を曲順通りに披露した。

ART-SCHOOLのライブ前にはDJのTOMMY(BOY)がトリビュートアルバム参加のミュージシャンの楽曲のみで45分のプレイを繰り広げて会場を温めた。ライブの口火を切った楽曲は、ASIAN KUNG-FU GENERATIONがカバーし、トリビュートアルバムの1曲目に収録された「FADE TO BLACK」。普段のライブではラストに披露されることが多いこの曲がオープニングを飾るという、“アルバムの曲順通り”ならではの新鮮な展開が序盤から見られた。さらにART-SCHOOLはライブ序盤からアクセル全開で「MISS WORLD」「ロリータ キルズ ミー」といったナンバーをプレイ。ぎっしりとオーディエンスで埋め尽くされたフロアに多くの腕が突き上がり、場内は熱気に包まれた。戸高は「次にやる曲がわかってるライブってなかなかないですよね」といつものライブとは異なる醍醐味を言葉にする。木下はトリビュートライブシリーズを振り返り、「全部忘れがたい、いいライブでした。お客さんと出てくれたバンド、ありがとうございました」と感謝の思いを伝えた。

剥き出しの熱を放った「foolish」を経て、「ミーンストリート」では幻想的なアンサンブルと儚い歌声で虚無感のある美しい世界観を生み出した5人。ポップながらもどこか感傷的な空気をまとった「SKIRT」では木下の切ないシャウトが何度も響き渡った。ライブ序盤からフロアは大盛り上がりだが、ART-SCHOOLの雰囲気や音楽性に“パーティ”のイメージがないからか、戸高から「アフターパーティ……パーティ感ゼロや(笑)」という言葉が飛び出す。木下が「いやいや。さっきTOMMYが(DJを)やってくれたし」とパーティ感をアピールすると、戸高が「DJがいたら、ホストがこんな雰囲気でもパーティになるんだろうか?」と首を傾げて場内は笑いに包まれた。その後も彼らは秋にぴったりのナンバー「スカーレット」でフロアの温度を引き上げ、ART-SCHOOL流のパーティでオーディエンスを楽しませる。続けて披露された「CRYSTAL」は、ART-SCHOOLの楽曲の中では珍しい、サンバの雰囲気もあるナンバー。ART-SCHOOL流のパーティチューンとも言えるこの曲で、オーディエンスはダンサブルなビートに合わせて楽しげに体を揺らした。

心で噛み締めるパーティがあってもいい

グランジの要素が強いナンバー「EVIL」で退廃的な空気をもたらしたあと、「新代田FEVERでやるのはけっこうひさしぶりなんですよね。よくライブを観に来てるんですけど、好きなライブハウスです。なので、来れてよかったです」と場内を見渡した木下。「もっとパーティ感があったほうがいいですよね……?」と彼が観客の反応をうかがうと、すかさず戸高が「原因は木下理樹の緊張感。会場すべてを掌握するほどの。木下理樹が心の扉を開けないことにはパーティにはならないんじゃないかな」と分析する。「なるほどね」と頷いた木下は「心の扉を開けていこう……! よし!」と気合いを入れ直し、歓声を浴びながら「BOY MEETS GIRL」「Just Kids」を爽快にプレイした。

戸高が「今年1年間いろんなところを回らせてもらった中で、『ART-SCHOOLに救われています』とか、『ART-SCHOOLを聴いてバンドを始めました』とか、そうやって僕たちのことを糧にして生きてきた人がいるということに触れることが多くて。続けること、やっていくことの意味を目の前ですごく実感しました。感謝しています。ありがとうございます」と感謝の思いを告げたあと、彼らが届けたのはバンドの節目で大切に演奏してきた楽曲「斜陽」。演奏が終わると、戸高はバンド加入前にリスナーとして聴いていたこの曲について「ART-SCHOOLに入って20年以上経ちますけど、『斜陽』という曲は、すごく僕が大好きだった曲で。まさか20年後にたくさんのお客さんの前で『斜陽』を演奏できているなんてと思うと、ちょっとくるものがあります」と感慨深げに語った。木下は「この対バンシリーズは去年から1年かけて今日で終わるんですけど、やってよかったなって思っています。なんていうか……言葉にならない感情が湧いてきます。これは……パーティっぽいですか?」と観客に問いかけ、フロアから大歓声と拍手を浴びる。戸高は「パーティの形もそれぞれ。心で噛み締めるパーティがあってもいい」とパーティの多様性を示した。

感動的な空気の中、彼らは演奏を再開しようとするが、戸高が「次の曲はね……『ウィノナライダー アンドロイド』という。どういう意味なんですか?」とタイトルに言及。大の映画好きで、多くの作品から影響を受けてきた木下が「『ドラキュラ』という映画に、ウィノナ・ライダーが演じたミナという役がいて。僕は小学生のときにその人に恋をするんです」と述べ、「初恋で……ずっと好きでした」と告白するとフロアは大盛り上がり。「僕の初恋の人に捧げます」という言葉とともに、木下は「ウィノナライダー アンドロイド」を熱唱した。その勢いのまま、彼らは「あと10秒で」をプレイ。最後にはThe Novembersがカバーしたトリビュートアルバムのラストトラック「SWAN SONG」をじっくりと届け、柔らかな空気を残してステージをあとにした。

意味がないから生きられる

アンコールで彼らは初のファンクラブ公演「Melody in the Cocoon」を2027年2月19日に東京・下北沢SHELTERで開催することを発表した。さらに木下の回想録「LOVE/HATE ART-SCHOOL 木下理樹 回想録」が12月28日に発売されることも告知。戸高から「どんな内容になってるんですか?」と尋ねられた木下は「人生は山あり谷ありって言うじゃない。その自伝を読む限り、僕はほとんど谷にいたんです(笑)。そういう素晴らしい、生きる希望が湧いてくる本です」とアピールした。うれしい発表にフロアが湧く中、さらに彼らは10月21日に配信リリースする新曲「Tenement Angel」を披露。疾走感のあるビートに乗せて、ドリーミーな世界観を生み出した。「ここからまだまだパーティは続くので、僕は喉がちぎれるくらい歌います。皆さんもついてきてくださいね」という木下の言葉を経て、5人はありったけの熱を込めて「ジェニファー'88」「real love / slow dawn」を演奏。そして「Bug」で美しい轟音を会場いっぱいに響かせた。

アンコールが終わったあとも拍手がフロアに鳴りやまず、5人がステージに登場。木下は「次の曲も映画から取ってるんですけど……生きることとか、生まれることとか、意味を持たないというか。そっちのほうが美しいんじゃないのって」と話す。「こんなパーティっぽくない締めで大丈夫かな?」と木下は笑いながらも、「でも、僕はそれを本当に信じてるので。意味がないから生きられるんだよね。そういう日々を皆さんもそばにある小さな幸せを1つひとつ噛み締めて生きていってください」とオーディエンスに伝え、最後に「しとやかな獣」を優しく歌い上げてアフターパーティに幕を下ろした。

セットリスト

「ART-SCHOOL TRIBUTE LIVE Dreams Never End AFTER PARTY」2026年10月12日 新代田FEVER

01. FADE TO BLACK
02. MISS WORLD
03. ロリータ キルズ ミー
04. foolish
05. ミーンストリート
06. SKIRT
07. スカーレット
08. CRYSTAL
09. EVIL
10. BOY MEETS GIRL
11. Just Kids
12. 斜陽
13. ウィノナライダー アンドロイド
14. あと10秒で
15. SWAN SONG
<アンコール>
16. Tenement Angel
17. ジェニファー'88
18. real love / slow dawn
19. Bug
<ダブルアンコール>
20. しとやかな獣

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